こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation
塚越 則子(つかごし のりこ)です。

 

 

 

1992年来星。シンガポールで1番長い指導歴の日本人ピアノ講師です。

 

プロフィール

 

 

今日は、当ピアノ教室の生徒さんのお母様からいただいたご質問に答えるシリーズ②です。

 

 

【ママからのご質問①】ピアノの発表会の緊張への対処法

 

 

【ママからのご質問③】電子ピアノをリビングに置く時に気をつけるポイントは?

 

 

【ママからのご質問④】ピアノの先生は普段どんな音楽を聴いていますか?

 

 

♣︎小学生2人の男の子のママ♣︎

 

先生みたいな人でも、ピアノをやめたいと思ったことありますか?

 

 

子どもの頃は、ピアノやエレクトーンを弾くことは日常の一つでした。

 

 

私は昨年、音楽を始めてから50年目を迎えました。私にとって音楽は「大好きなもの」や「1番大切なもの」といった存在をはるかに超越した、自分を構成している、いわば分子の一つ(笑)なので、自分と切り離して考えたことは今までに一度もなく、やめるという選択肢を持ったことがありません。

 

はじめまして

 

指導方針

 

 

ピアノ、エレクトーンを習っていく過程では、もちろん思うように弾けない時も数えきれない程ありましたが、元来のんびりやで不器用。すぐにサッとできないことはしょっちゅうなので納得済み。もちろん失敗も数知れず。早くしなさい!とよく叱られていた名残か、今も急かされるのはちょっぴり苦手です(笑)

 

 

 

しかし粘り強さには自信があります!時間をかけてじっくり何かをしたり、同じことの繰り返しが苦にならない性格なので、弾けないことに癇癪を起こしたり、イライラする、といったことはなく、上手く弾けないときも、ひたすら諦めずに淡々と自分のペースで練習を重ねてきました。

 

 

 

大人になった今も、私は闘争心を剥き出しにして負けん気を前面に押し出したような感情任せの世界観と対極にいます。

 

 

負けん気=情熱ではなく、感情をいくら昂らせても良い結果に結びつかないばかりか、そのような尖った感情から紡ぎ出される音に魅力を感じないからです。

 

 

 

 

 

昭和のスパルタ時代、自分が育ってきた過程で、そのような感情に翻弄された結果、疲弊して挫折した人を周りでたくさん見てきた中で得た教訓もあり、指導する立場に身を置いてからも生徒さんへ競争心を煽って競わせたり、ハッパをかけることはしません。

 

 

 

その影響もあってか、当ピアノ教室の保護者の方は、お子さん一人一人のペースで個性を尊重する伸び伸びとした大らかな子育てをされている方々ばかりです。

 

 

 

単純な勝ち負けのステージに持ち込まない、一段上の崇高な価値観で生きるメンタルは音楽に限らずスポーツの世界にも共通していることを知り、改めて令和の時代の生き方の指針の一つは争いではなく調和だと感じています。

 

 

 

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令和時代の子ども達へのピアノ指導とは

 

 

やめたいと思ったことはないけれど、自信を失ったことはあります。

 

 

2007年に母を亡くした時です。

 

 

何を心の拠り所として、何を励みに音楽を続けたらいいのか、何のために音楽をしていけばいいのかわからなくなり、一切の思考が停止しました。

 

 

母が私の演奏を聴いて喜んでくれることは至上の喜びでしたし、指導を始めてからは、生徒さん一人一人の成長を母に電話で報告することは最大の誇りでした。母はいつでも私の音の一番の理解者であり一番のファンでした。

 

 

プロフェッショナルの真髄に触れた出来事で開けた新しい世界

 

 

すっかり打ちひしがれた心に一条の光を注いでくれたのは、生徒さんや保護者の方々の存在、そして空の世界のプロフェッショナルの1人でした。

 

 

マニュアル通りに動こうとしたならば絶対に有り得ない、保身に走ったり、いい人ぶっていたならば絶対にそのように言わない、それはその人そのものが透けて見える温かな血の通ったプロフェッショナルの対応。

 

 

 

私にお客様として接する前に、1人の人としてあるべき振る舞いに徹してくれたことで、私は自分を取り戻し、自分のなすべきことを果たすべく新たな一歩を踏み出すエネルギーを得るきっかけを掴むことができたのです。

 

 

 

 

 

それ以降私は、その時の気持ちを常に忘れないために、そしてあの時のCAさんに敬意を表して、新しい生徒さんとの初めてのレッスンの前には、必ずあの時に流れていた曲を聴いてから臨むのが欠かせない習慣になっています。

 

 

Another Sky

 

 

 

2020年、世界はガラッと変わりました。未曾有の出来事を前になす術もなく、いつになるのかわからない事態の収束をじっと待つピアノ指導者もいたようです。

 

 

誰もが経験したことない事態ですからことの成り行きを見守る姿勢でいたくなるのは当然です。過去の時代は、それがサバイバル術の最たるもので賢いやり方でしたが、これからは価値観が全く異なる世界に変化していきます。もとより命の時間は止まってはくれません。生徒さんの成長も待ってはくれません。時代の流れは一気に加速したため、今までのやり方や常識をなぞるだけのピアノレッスンでは全くの時代錯誤です。

 

 

ピアノ指導者としての哲学を語るシリーズ【ありがとう、ラーメン】

 

 

 

4月、5月、6月。シンガポールは厳しい外出制限下にあり、従来の出張レッスンができませんでしたが、当ピアノ教室はいち早く全てのレッスンをオンラインレッスンに切り替えてレッスンを継続してきました。

 

 

 

 

オンラインレッスンは実際実施した経験がなければわからないことも多く、ビデオ通話やテレビ電話に毛が生えたようなものとは全く次元が違い、勉強しても勉強しても次から次へと新しい課題が生まれ、準備しては失敗し、保存したつもりが消えていて、やり方がわからずに試行錯誤し、そんなことを繰り返しているうちに気がつくと夜が明けていることが何度もありました。

 

 

だけど画面越しの無邪気な笑顔を見たら全ては吹き飛んで、疲れている暇などありませんでした。ピアノを弾いて喜ぶ人たちに対して自分にできることがある、それは何物にも変え難い幸せです。

 

 

 

 

 

 

 

私には楽しみにしていることがあります。

遠い将来、母と再会した時、母が空に旅立った後の話をして、今までの姿を見てくれていたことを確かめることです。ピアノの音があるとき、そこに母を感じています。そばにいると言ってくれた約束を守ってくれていると、いつも信じています。

 

 

再会の前には、もしかしたらちらっと姿を見ることが叶うかもしれません!面白い時代になりました。

 

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これからもピアノを奏でることを通じて、より豊で幸せな瞬間を想像していくことに全力で邁進していきます。

 

 

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