こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
今日は、当ピアノ教室の生徒さんのお母様からいただいたご質問に答えるシリーズ①です。
【ママからのご質問②】ピアノをやめたいと思ったことありますか?
【ママからのご質問③】電子ピアノをリビングに置く時に気をつけるポイントは?
【ママからのご質問④】ピアノの先生は普段どんな音楽を聴いていますか?
♣︎小学校1年生女の子のママからのご質問♣︎
昨年くらいから幼稚園でのイベントでも、発表会になると、緊張する〜!と言うようになりました。そんな緊張タイプの子が発表会に向けて出来ることを教えて下さい。
当ピアノ教室では、年に一度発表会を実施しています。今年は第24回目になります。
2020年も開催!シンガポールの日本人ピアノ教室発表会の最多回数更新へ。
レッスンでは発表会に向けての練習が少しずつ始まっています。
発表会のピアノ演奏で、普段の実力をしっかりと出し切るには、どのような準備や心構えが必要なのでしょうか。
スポーツの試合とは違い、ピアノの発表会は、どの生徒さんもステージにたったひとりで上がり、多くの観客がいっせいに見つめる緊張感の中で、最後までひとりで演奏しなければなりません。
緊張を味方につける
まず最初にお話ししたいことは
「緊張することはいけないこと」
という思い込みを手放すことの大切さです。
緊張するということは、発表会は普段のレッスンで家でピアノを弾くのとは違うということの理解、認識が、言われなくても自分自身でしっかりとできているということです。
「心構え」をすでにクリアしているのですから、それはマイナスではなく、プラスポイントですよ!
その場所や目的に相応しい、わきまえた振る舞いができる分別ある年齢に達したということですから、その成長を喜びましょう。
美術館などで騒いだり、走り回るお子さんは、まだ未熟で「緊張」の意味さえわかりません。
よくないのは
緊張することではなく
緊張に呑まれてしまうこと
です。
呑まれてしまう原因はズバリ!
緊張と真剣に向き合うことから逃げるからです。
茶化して冗談で済ませようとしたり、その場しのぎの言い訳で切り抜けようとするとせっかくの体験をチャンスと捉えることができずに、ここぞ、という時にプレッシャーをコントロールできないまま残念な結果を生んでしまいます。緊張して萎縮してしまうのですね。
緊張することは、よくないことではなく、むしろ、よい演奏のためには必要不可欠で、高い集中力は緊張感がなければ生まれません。レッスンでも本番を意識して緊張感を高めていくための様々なトレーニングをしていきます。緊張は場数を踏まなければ良い緊張感へと高めていくことはできません。
では、緊張を良い緊張感へと高めて、緊張を味方につけていくために普段の練習でどんなことができるでしょう。
本番を意識した練習をしてプレッシャーをコントロールする
基本的なことですが、日々の練習の積み重ねなしに成功はありません。練習の積み重ねが自信に繋がり、よい緊張感を生み、ここ1番のときに実力を発揮できる力を生むのです。
ここで大切なのが、ただ何回も数をこなすような練習ではなく「本番を意識した練習をする」ことです。間違えても止まらないことなどは基本です。
たとえ間違えても気持ちを切り替えて立ち直り、曲としてトータルで仕上げていくことを日頃から意識して回復力を高める練習をします。
ピアノ練習と同時にプレッシャーコントロールも大切です。いくつかの練習テクニックがありますが、その一つとして簡単で効果的な方法は
沈黙の利用
です。座ってすぐに弾くのではなく、静かにする「沈黙」の時間を意識して作ります。しばらく目を瞑ってもいいですね。
ポイントは、発表会の状況を、できるだけ明確にイメージすることです。
保護者の方は平常心で見守ってあげて下さい。
発表会間近になると、生徒さんよりも先に保護者の方々の緊張が増してきます。
楽しみだけれど不安な気持ち、手に取るようにわかります。
きちんとできるかしら?
もし間違えてしまったら?
止まってしまったら?
心配いりません、大丈夫です!
則子せんせーは、ステージで一人一人の生徒さんが晴れの舞台でスポットライトを浴びるその瞬間の直前まで舞台袖に立ち、小さな胸の中の緊張を一緒に分け合って隣に寄り添っています。
緊張しない生徒さんは、誰一人いません。
演奏の前に握る手は、みんな一様に冷たく、しっとりしているのが何よりの証拠です。
でも、緊張に呑まれて泣き出したり、演奏を拒否して逃げ出した生徒さんも、今まで1人もいません。
発表会で弾くんだ!と、一人一人に自覚があります。
舞台袖での真剣な眼差しには強い決意がみなぎっていて、みんなとても立派で凛々しいですよ。
お子さんを見守る保護者の方々は遠足の前のようなワクワクには程遠いと思いますが、スペースマウンテンの順番待ち、くらいのレベルのドキドキとスリルを味わいながら、本番までの高揚感を楽しむ感覚を目指していきましょう!お子さんは緊張を味方につけて、伸び伸びと本来の実力を発揮できるはずです。
発表会では緊張するのは誰もが同じ。想定内の出来事だから上手く対処すればいいだけのことで決して難しいことではありません。積極的に手懐けてしまいましょう!
気をつけたいのは、緊張しているお子さんの様子を見て、リラックスさせよう、緊張をほぐそう、と焦るのはNG、だということ。
先に述べたように、緊張感は集中力とセットなので、たった一回の演奏で全力を出し切るためには必要不可欠な要素です。お子さんは、それを誰から教わらなくても無意識に心得て、ちゃんと本番までの調整に入っています。落ち着いて静かに見守ってあげましょう。
もし、お子さんが緊張する〜!と言ってきたら、こんな風に笑って答えて、ママも同じ気持ちを共有していることを知らせて安心させてあげることが心強いサポートになりますよ。
「そうだよね、緊張するね。気持ちはママも一緒だよ。大丈夫、ちゃんとしっかり見てるからね」