こんにちは。シンガポールの出張ピアノ教室「fairy wish creation 」を主宰している塚越 則子(つかごし のりこ)です。生徒さんの中心は日本人駐在員ご家族のお子様です。

 

6月に入り、東京は緊急事態宣言が解除されましたが早くも初めての「東京アラート発令」となりました。

 

これからは3密を避けつつ試行錯誤を繰り返しながら程良いバランスや常識が確立されていくのでしょうね。先週日本の友人がご近所の不二家で、ペコちゃんとYoshikittyのコラボの期間限定ミルキー缶をゲットしてくれました♡

 

 

 

日本に続き、いよいよシンガポールでも待ちに待った外出規制緩和の第一段階に入ります。

 

 

外出時のマスク着用やショッピングセンター入り口でQRコードを読み取り、名前やIC番号を入力したフォームを送信して検温するシステムは、もはや当たり前の日常になりました。

 

 

「元どおり」や「普通の」ではなく「新しい生活様式」に沿って生きていく世の中に緩やかに、しかし確実に変わりつつあります。

 

 

QRコードって自分でも作れるんですね!初めて知りました。早速当ピアノ教室のホームページのイメージカラーを使ったQRコードを作成してみましたよ!

 

 

これからどんな風な生活になるのでしょう?わからないことだらけで正直不安がまだ大きいですが、物理的な距離を保つからこそ、心の結びつきは、より深く、より強めていきたいですね。

 

 

 

未知の世界を手探りで進む感覚は、ピアニストとしてシンガポールに住み始めたばかりの頃に味わった雰囲気と少し似ています。

 

 

 

 

 

 

思えばシンガポールに移住した1990年代初頭は携帯電話もなくポケベル。パソコンも普及していなくてワープロの時代でした。

 

 

オフィス勤めの経験のない私は操作を実地で学ぶ機会もないまま全てを自己流で覚え、今も「かな入力」。

 

 

 

 

外に出れば慣れない英語でのコミュニケーションで失敗も数知れず。銀行口座開設は数日がかり。1日目はシンガポールなまりの英語が聞き取れず何を聞かれているのか、ちんぷんかんぷん。振り返ると後ろは長蛇の列が出来てしまい、やむなく断念でした。

 

 

 

日本から両親来星の際ホテルを電話予約した時は、私のたどたどしい英語のせいで子供に間違われ年齢を尋ねられる始末。レストランの予約はきちんとできているか毎回ヒヤヒヤドキドキ。タクシーでは日本人とわかると遠回りされてしまい、仕方なく途中で降りて乗り換え。

 

 

 

バスに乗り終点の車庫まで行き、初めてそこで間違いに気がつき、着いた途端真っ暗になり雷雨。自分がどこにいるのかさえわからず傘もなく途方に暮れ、1人ボーッとベンチに座ってしばらく雨宿りしたこともありました。

 

 

 

日本とは全く違う生活環境のシンガポールでの暮らしは早28年目。思い返すと恥ずかしい思いや悔しい思いは数え切れないほどあり、時には迷惑をかけたり叱られることもありましたが嫌なことはキレイに忘れ、今となっては全てが笑い話です。ハプニングは現在も更新中ですが、経験から得た自信は何物にも代え難い財産になっています。

 

 

 

 

 

誰かに頼んで時には親切に甘えることも円滑なコミニュケーションには必要なのでしょうが、それが習慣化してしまうと、楽してお得のようでいて失敗する経験のチャンスを自ら放棄してるのと一緒。もったいない気がします。

 

 

 

助けてくれる人はいつもいるとは限らないので結局何かしら常に行動に不安がセットでついてくることになってしまいますよね。

 

 

 

問題が生じた時、自分で解決しようとする前に依存することに慣れると、次第に失敗により臆病になり、新しいことに挑戦すること自体を避け、やがて知らないことを否定したり好奇心も衰退して過剰に傷つきやすく、挫けやすく、脆くなっていきます。

 

 

 

トライ&エラー。転ぶから上手な転び方を知り、やがて転ばなくなる。失敗を経験するからこそ成功した時の喜びはより深く、大きく実感でき、問題解決能力が身についていきます。

 

 

 

ピアノレッスンも同じですね。失敗すること、間違えることは悪いことではなく、恥じることでもありません。むしろ上達に必要不可欠なプロセスです。遠回りでもありません。試行錯誤を経るからこそ揺るぎない基礎が確立されていくのです。

 

 

 

早いもので当ピアノ教室ではオンラインピアノレッスンを実施して間もなく2か月を迎えます。

 

 

 

普段はピアノレッスンの間キッチンにいたり、小さな兄弟と別のお部屋で過ごしているお母さんたち。オンラインレッスンの現在は、つきっきりで撮影に大奮闘して下さっています。生徒さんたちは照れ臭そうにしながらも嬉しそう。

 

 

 

生徒さんたちは、目の前のお母さんにいいところを見せたい。

 

 

お母さんは、間違えそうになったら先にお子さんに教えてあげたい。

 

 

画面からはお互いへの思いがよく伝わってきます。

 

 

ちょっとだけ時間を遡ってみましょう。

 

離乳食になった頃。
手掴みで食べていた頃。
お箸の練習を始めた頃。

よちよち歩きの頃。

 

お母さんは走って転んで泣くお子さんを励まして一人で立ち上がるのを待ち

 

時には歩き疲れてだっこをせがまれても
泣きながら一人で後からついてくるのを待ち

 

 

これまでの子育てで、手助けしたい気持ちをぐっと押さえて我慢し、自立できるように根気よく成長を見守る場面を数え切れないほど経験してきましたね。

 

 

 

 

 

これからの時代は、誰もが経験したことのない新しい生活様式に沿った日々です。

 

 

 

困難な状況や望ましくない状態を跳ね返す弾力性のある心は、主体的に多くの困難を乗り越える原動力になります。

 

 

 

真剣に、でも深刻にならずに。
慣れないルールや初めての経験に戸惑うことがあっても、それはみんな一緒。最初から上手くできる人はいません。情報から得た知識は自分自身で実践してこそ実を結びます。

 

 

 

 

 

ピアノの練習過程では間違えることで間違えずに弾ける指の動かし方を覚え、間違えて不快な音を耳にすることで、同じような間違いを繰り返さないように気をつけて、やがて上手になっていくプロセスを経験していきます。

 

 

 

 

 

「パターン認識」という言葉を聞いたことがありますか?

 

 

 

初めて出会う問題であっても過去にうまくいった処理方法でやってみる、過去に失敗したパターンに近いから別の方法を検討してみる、といった応用のことです。これは人間にとっては当たり前の能力ですが、コンピュータでは精度と速度の面で到底、実現が難しい分野と言われています。

 

 

 

ピアノを練習する時、ご両親が楽器経験者の場合、間違えた音を指摘したり、先回りして教えたくなる気持ち、よくわかります。黙って見守るのは忍耐が必要ですよね。
時には無意識のうちに反応してしまい、その結果お子さんは不機嫌になり、一気に険悪ムードに突入。。。 自宅練習あるある、です。

 

 

 

そんな時は、このように発想の転換をしてみましょう!

 

 

間違えたらチャンス到来。「あ、今はピアノレッスンを通してパターン認識能力強化中」と静かに練習を見守るように心がけてみる。練習を頑張ったら、たとえまだ完璧とはいえないと感じたとしても、まずねぎらいの言葉を惜しみなく与え、健闘を心から称えてあげましょう。

ご家族の方へ

 

 

 

大丈夫。お子さんの伸びていく力を信頼しましょう。オンラインレッスンだからこそできることにフォーカスしてチャンスを上手く活かしていきましょう!

 

 

 

 

 

当ピアノ教室の宿題のメインは復習です。わからないことをご家庭で教えていただく必要はありません。1人で楽譜が読めるように、1人で正確なリズムが理解できるように、奏でる喜びを自ら実感できる将来の「音楽的自立」を目指します。

 

 

 

ピアノレッスンを通じて音楽力を身につけ、成長の過程で生徒さん1人1人に「心の筋力」を養い、これからのめまぐるしく変化する環境と美しく調和し、しなやかに明るく優しく、たくましく生きることのできる、豊かな「人間力」を育んでいきます。