こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している、出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
シンガポールは日本とピアノ教室の事情が異なり、法律により、講師の自宅でお教室を開講することは認められていません。
当ピアノ教室は、シンガポール政府の定めた法律を遵守した、講師が生徒さんのお宅に出向いてレッスンを行う、出張ピアノ教室です。
Q&Aシリーズ⑩
先生のお宅でのレッスンはありますか?
講師 塚越 則子(つかごし のりこ)は、ヤマハ認定グレードにおいて、ピアノ、エレクトーンの演奏、指導共に最高位のグレードを保持する指導者であり、鍵盤楽器演奏のエキスパートです。
今日は、「ラ・カンパネラおじさん」として知られている、佐賀の海苔漁師ピアニスト、徳永義昭さん(60)のご紹介です。
徳永さんは、2012年(当時52歳)の夏にピアノを始めるまでは、ピアノを全く弾いたことがなく、もちろん楽譜も読めない状態だったそうです。
テレビで初めて見た、フジコ・ヘミングさんのピアノ演奏がきっかけで、数年にわたって独学で「ラ・カンパネラ」の練習をひたすら続けた結果、「奇跡のピアニスト」として評判が次第に広まり、全国各地の小中学校から演奏依頼が舞い込むようになり
遂に、2019年、フジコ・ヘミングさんの前で「ラ・カンパネラ」の演奏を披露できる奇跡的な機会を手に入れ、その演奏が大絶賛され
先頃、2021年4月16日には、北九州市小倉で開かれたヘミングさんのコンサートにゲストとして出演し、遂に憧れのピアニストとの夢の共演を果たすという快挙を成し遂げました。
海苔漁師さんでありピアニスト!
全く異なる2つの肩書きを持つ、徳永義昭さんとは一体どんな方で、どんなふうにピアノ練習をされているのでしょう?気になりますよね?
私はニュースを知り、音楽と生きている1人として徳永義昭さんに親しみを感じ、とても興味を持ったので、少し調べてみました。
そこで、ここから先は、「ラ・カンパネラおじさん」徳永義昭さんの素顔に迫ってみたいと思います。
テレビで観た「ラ・カンパネラ」のピアノ演奏が人生を変えた!
徳永義昭さんは、佐賀で海苔漁を営む漁師さん。海苔漁一筋42年。海苔漁師界のプロ中のプロ。
好きな言葉は「努力」。ピアノを始める前の趣味は「パチンコ」。どこにでもいそうな漁師の「漁師のおじさん」といったイメージです。
※お写真は、「人生はff 〜フォルテッシモさん」からお借りしています。
お写真に映っている手は、私達が見慣れているピアニストの白い手とは程遠く、日に焼けて無骨な「身体を張った仕事をしている、たくましい男性の手」そのものです。
徳永さんが、ピアノを始めたきっかけは、ほんの偶然だったようです。
海苔漁が暇な夏場のある日、やることもなく、家で何気なくテレビを見ていると、フジコ・ヘミングさんの「ラ・カンパネラ」のピアノ演奏が流れてきたのだそうです。
徳永さんは、その演奏の、あまりの音色の綺麗さと、演奏技術の凄さに衝撃を受けたと言います。
そして、どうしても、この「ラ・カンパネラ」をピアノで弾けるようになりたいという衝動が抑えられなくなったのだそうです。
ピアノ曲「ラ・カンパネラ」は超絶技巧で知られるフランツ・リストが作曲したもので、プロのピアニストでも嫌厭するほどの超難曲です。弾きこなすのは決して簡単ではありません。
実は、徳永さんの奥さん、千恵子さんは、音大卒のピアノの先生で自宅にピアノがありました。
「ラ・カンパネラ」をピアノで弾けるようになりたいと千恵子さんに伝えると、『絶対にカンパネラは100%無理。ピアノを触ったことがなくて、楽譜も読めない人が弾けるわけがない!』と突き放されたのだそう。
徳永さんは、千恵子さんのこの言葉を聞いて一層奮起し、絶対に独学を貫こうと決意するに至ります。
楽譜が読めない徳永さんがまず行ったのは、YouTubeの動画見ながら、鍵盤の位置を覚えて、止めてをひたすら繰り返していくこと。全部の音を覚えるのに3カ月かかったと言います。
後は、ひたすら反復練習と、プロが演奏している手の動きをしっかり観察したのだそうです。
しかし、「ラ・カンパネラ」は、動画で弾き方がわかっただけで弾けるような、易しいレベルの曲ではありません。
継続の力が導いた勝利。
徳永さんは、それから何年間もの間、毎日平均7~8時間「ラ・カンパネラ」だけを、ひたすら練習し続けたそうです。
現在も、仕事の最盛期の時でも、ピアノの練習を欠かすことはなく、最低2時間は必ず練習されているということですよ。凄まじいまでの気迫です。
いわば「ラ・カンパネラ」に取り憑かれた状態ですね。
苔漁師ピアニスト徳永義昭さんは、誰もが無理だと思った状況を受け入れず、小さな一歩をコツコツと積み重ねてきた努力の方です。いいえ、ここまでいくと努力を超えた「執念」とも言えるでしょう。
生半可な気持ちでは、ここまで突き抜けることなど決して出来ません。
フジコ・ヘミングさんの演奏を聴いた日から、徳永さんにとって、ピアノ曲「ラ・カンパネラ」を弾きこなすことは、何としても成し遂げたい「人生の目的の1つ」になったのではないか?私はそのように思います。
ピアノに限らず、一生のうちで、ここまで自分を賭けた「何か」に巡り会える幸せな人は、どれだけいるでしょう。
ここまで純粋に一つの「何か」打ち込める勇気のある人は、 どれだけいるでしょう。
時には一日10時間にも及んだ、徳永さんのピアノ練習。腱鞘炎と闘いながらの日々が続いたこともあったと言います。それでも
コツコツ積み重ねるのは海苔漁と同じ
と、徳永さんは、「ラ・カンパネラ」への挑戦を決して諦めず、一度心に決めた決意を翻すことなく、ひたすら練習にのめり込んだといいます。
皆さんは、周りから無理だと言われながらも、先の見えない、成功の保証のない努力を、コツコツと毎日継続していくことができますか?
私は、海苔漁師ピアニスト、徳永義昭さんから、今できる小さな一歩を、毎日地道に継続して積み重ねていくことの大切さを、改めて教えてもらえた気がします。
ちいさいことを重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道。
これは、イチロー選手の語録の一つで、私の好きな言葉の一つでもあります。
何かを成し遂げるためには、小さな一つ一つの積み重ねが大事であることを物語った名言でもあります。
野球選手は1本のヒットを打つために、小さな努力を積み重ねているのです。その影には、人知れず成功の何倍もの失敗の繰り返しがあります。
「やってみる!」ということ、そしてそれを継続すること。うまくいかなければ、軌道修正をしてまた継続する。
繰り返しの先に成功がある。
華やかな結果を生むのは地味な継続なのです。
何事も継続が大切と言われますが、どんな小さなことでも継続するということは、思いの外、難しいものですね。
私も当ブログの毎日連続投稿で、【一つのことをやり続けることの大変さと大切さ】を実感する、学びの日々の中にいます。
シンガポールのピアノの先生初!公式ブログ連続100日投稿達成しました。
シンガポールの日本人のピアノ講師初!/公式ブログ連続投稿200日を達成しました。
シンガポールのピアノの先生初!/公式ブログ毎日更新300日投稿達成しました。
ピアノを学んでいくことは「継続の力」を実感する体験の繰り返しです。
ピアノは誰でも、練習しなければ上達しないし、練習すれば上手になります。
ピアノを学ぶことは【練習の継続は決して自分を裏切らない】ことを自らに証明していく【成功体験の積み重ね】でもあるのです。
今回このニュースを知って、当ピアノ教室の大人ピアノのレッスン生のお一人から、年明けにこれからの長期目標として、今の曲が仕上がったら、次に「ラ・カンパネラ」に挑戦してみたいとのお申し出があったことを、改めて思い返しています。
シンガポールの出張ピアノ教室/大人ピアノレッスン開始3ヶ月目の生徒さん。(40代男性)ショパンバラード練習中♬
シンガポール⇄大阪オンラインレッスン♬(大人ピアノレッスン生/40代男性)
「先生、ボクにできるでしょうか?」
その言葉が
「ボクは弾きたいです!!」
としか聴こえなかった私。(都合の良い耳です 笑)
「一緒に頑張りましょう!!」
両手でガッツポーズを作り、心に燃えたぎる意欲を示してくださっていた生徒さんの情熱に触れた瞬間から、私の心は、すでに準備段階に入っています。
指導者として、しっかりと心を整えておかなくては。。。
時にはしっかりと支えて、時にはグングン引っ張っていかなければ。。。
「ラ・カンパネラ」制覇への道は、長く続く険しい道のりになるでしょう。
時には挫けないで、自分を信じる精神力も必要になるでしょう。しかし、だからこそやり甲斐があり、私達は挑戦する価値があるのです。
今回の徳永義昭さんのニュースに触れ、これから始まる、大人ピアノの生徒さんの大曲への挑戦に、一緒に参戦できる喜びを重ね合わせながら、改めて身体中に、さらにやる気のパワーがみなぎってくるのを今、ヒシヒシと感じている、則子せんせーです!!