こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している、出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
シンガポールは日本とピアノ教室の事情が異なり、法律により、講師の自宅でお教室を開講することは認められていません。
当ピアノ教室は、シンガポール政府の定めた法律を遵守した、講師が生徒さんのお宅に出向いてレッスンを行う、出張ピアノ教室です。
講師 塚越 則子(つかごし のりこ)は、ヤマハ認定グレードにおいて、ピアノ、エレクトーンの演奏、指導共に最高位のグレードを保持する指導者であり、鍵盤楽器のプロフェッショナルです。
昨日は、目よりも耳をたくさん使った、オンラインレッスンの1日でした。
オンラインレッスンは画面越しでのやり取りなので、限られた二次元の空間から、できるだけの視覚的情報を得ようと、いつも、まばたきするのも惜しくなるほど目を凝らしています。しかし
音の間違いを探すときに使っているのは「目」ではなく「耳」が、ほぼ100%です。なので
オンラインレッスンで、保護者の方がカメラの位置を調整してくださるとき
鍵盤全体が画面に入るようなアングルにデバイスを設置しないと、弾いている手元が見えづらく
先生がミスに気がつけないかも?
とご配慮くださる方が時々ありますが、そのような心配をしていただく必要は全くありません♬
オンラインレッスンでは、弾いている手元を見てではなく、音を聴き取って、音の違いを判断をしていますよ。
楽器のプロは「聴音」のトレーニングも受けていることがほとんどです。私もその一人。
◉「聴音」とは音楽の基礎訓練の一つで,ある音をきいて,そのリズム,メロディ,ハーモニーなどを識別することです。
音への感度は、人により違いはあるものの、音楽や演奏を聴いて、音の高さを「ドレミ」で聴き分けることは、プロのピアノ指導者ならば普通にできて当たり前。
たとえオンラインレッスンで、見える世界に限界があったとしても、レッスンに支障が生じることはありません。
もし仮に、ピアノ練習アプリの動画の画面を再現するように、ピアノの鍵盤全体を、オンラインレッスンで映さなければいけないとしたら、デバイスの設定は、とても大掛かりになってしまいますよね?!
まず、ピアノレッスンのために、高さが調節できる、背の高いスタンドを準備しなければなりません。
ちなみに、私が使っているのは、こんなタイプです。
ジャーン!
横に広いピアノの鍵盤が画面に入る高さにスマホを設置することは、このようなスタンドを使わなければ不可能です。
もし生徒さんが、鍵盤が全部画面に映るアングルにカメラを配置しなければいけないとなると、オンラインレッスンを受講するハードルは一気に上がってしまいます。。。
当ピアノ教室のオンラインレッスンでは、普段の出張レッスンの時と同じような目線で、横から見えていれば問題ないので、事前に特別な機材をご用意いただく必要はありません。では
どうして則子先生は、画面をそんなに凝視しているのでしょうか?
はい!
ズバリ! それは
弾いている姿を見て、演奏フォームを確認して、そこから問題点を読み取るためです。
椅子の位置、座り方、手首、指の角度、肩、足の位置、背筋、などに改善点がないか、いつもの出張レッスンの時と同じように、しっかりチェックしていますよ♬
直した方が良いところが見つかれば、すぐに指摘して、画面の中で一緒に同じポーズを取りながら正しく矯正します。
昨日の最後のレッスンの生徒さんは、現在シューベルトの「即興曲」を練習中。「耳さん」にたくさん頑張ってもらいました♬
この曲は臨時記号があちこちに出てくるので注意が必要です。
おかしな響きがあってもわかりにくく、サラサラと流れるようなメロディラインなので、ミスしていてもそのまま勢いに任せて、どんどん弾き続けたくなるのも特徴です。
間違いを正すのがレッスンとはいえ、気持ちよく曲に乗って弾いている時、途中でストップをかけられるのは、弾いている人にとっては不本意で抵抗があるもの。
しかし、あらかじめ心の準備があれば、生徒さんの受け止め方は180度変わってきます。
「間違っているところがあったら、途中で止めるからね」
「違う音を言うから、好きな色のペンで丸で囲んでしるしをつけてね」
「好きな色のペン」にビビビッと反応を示した生徒さんは、すみッこぐらしが大好きな小学4年生。
早速お気に入りのすみッこのペンを譜面台にスタンバイして、やる気満々で、練習に臨みました。
「ついつい指がそっちにいってしまう」ミスも、頑張った甲斐があり、レッスンの中で正しく直すことができましたよ。ホッと一安心。
こういう間違いは、とかくクセになってしまって後々苦労しがちなので、その都度繰り返し指摘をして、一刻も早く直してあげることが、指導の鉄則です。
1日のレッスンを全て終えて♡耳さん、お疲れさま♡の前には、送られてきていた演奏動画のチェック。
本帰国をした後も、土曜日の夜に毎週、当ピアノ教室でオンラインレッスンを継続してくれている「ゆあちゃん」は、小学2年生。お母さんが、いつも欠かさずレッスンの数日前に、その週の練習の成果を、動画で送ってくれます。
現在、「脱力」に取り組んでいるところですが、ほぼ完成のフォームに近づいてきて、練習は花丸満点!
それよりも私が気になったのはピアノの「ピッチ」です。速やかな調律をお願いしたところ、即ご返信がありました。
「ゆあちゃん」が本帰国したあと使っているのは、お母さんが子どもの頃に使っていらしたアップライトピアノ。
シンガポールに住んでいる間もご実家で定期的なメンテナンスを欠かさずに継続して、大切に管理されていたそうです。
私もすぐにご返信。
1日の終わりのニュース速報に「目さん」フル稼働?!
ゆあちゃんのお母さんとのメッセージのやり取りがひと段落したのち、一息ついてテレビを見ていると、日本で地震発生のニュース速報がいきなり飛び込んできてビックリ!!!!!
画面には目黒駅近くの柿の木坂が映し出されています。なんと冠水して、道路に水が溢れ出ているではありませんか・・・(涙)
目黒には古巣のヤマハ音楽振興会の本社ビルがあり、ヤマハ音楽院のスタジオも入っているので、この辺りは、よく通ったことのある馴染みのある場所の一つ。状況がとても心配です。どうか被害が広がりませんように。
震源が千葉の北西と知り、いてもたってもいられなくなり、すぐに千葉に住むデモンストレーター時代から懇意にしている仲間にメッセージを入れると「とても揺れたけれど大丈夫です!」と即レスが返ってきました。
日本のストリートピアノ仕掛け人が語るヤマハ「LovePiano」誕生秘話と現在までの軌跡。
こんな時、遠くにいても、まるで隣に一緒にいるかのように、すぐに反応してくれると本当に嬉しい♡
両親をなくしている私にとって「日本に住んでいる家族みたいに頼れる人」は心のより所であり、かけがえのない存在なのです。
もしもイベントの帰りだったら
もしもエレベーターの中だったら
一瞬、いろいろな心配が頭の中に浮かび、不安がこみ上げてきましたが、無事が確認できて安心したら、張り詰めていた身体の力が一気に抜けました。よかった・・・
制限、制限、また制限で、最近お疲れ気味の人が多いシンガポールです。
私もやっぱりどこかで無理していたり、緊張感が続いているのかも知れませんが、お教室を引っ張るリーダーとしては、息抜きはまだ、もうしばらくの間、お預けです。
今回の規制再強化は、命を守るためのやむを得ない緊急措置であり、本来ならば感謝すべきことなのですが、お父さんが日本に長期出張されている最中、ワンオペで奮闘しているお母さんにとっての「2人しばり」は過酷ですね(涙)
一人っ子ならいざ知らず、2人兄弟、3人兄弟ならば、家族揃って、一緒に外出する、そんなささやかな楽しみすら叶わないなんて、あまりにも辛すぎます。
日本に住んでいる人たちにとって、コロナ禍でのシンガポールの厳しい暮らしぶりは、きっと想像すらできないでしょう。
ニュースで報道されることもあまりないようですから、興味を持って情報を集めない限り、現状を知らない人も多いようです。
私の周りには、実家のヘルプが望めない中で、海外で心細い気持ちを抱えながらも出産を控えているお母さんもいます。
生まれてから、もうすぐ3年になるのに、まだ一度もおじいちゃんおばあちゃんと画面でしか会えていないお子さんもいます。
歯を食いしばるような毎日の中でも、誰かの柔らかな一筋の光になれるのであれば本望です。
必要としている人たちに、音楽の力が届きますように
あともうすこし。あともうひとふんばり、一緒にがんばっていきましょう♡
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。