こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation
塚越 則子(つかごし のりこ)です。

 

 

シンガポール在住29年目。
シンガポールで1番長い指導歴の日本人ピアノ講師です。

 

プロフィール

 

 

当ピアノ教室は、シンガポール政府のお稽古ごとの教室ガイドラインに沿った出張ピアノ教室です。

 

 

シンガポールは多民族国家です。それぞれ全く違う風習や文化のバックグラウンドを持つ人々を「シンガポール人」として一つにまとめるための政策として、シンガポールには日本での生活では想像できないような法律が多数存在し、それらは生活全般にわたっています。

 

 

 

 

 

ピアノ教室も同様です。日本では、先生のお宅に出向いて、自宅のお教室でピアノレッスンを受けていたお子さんもいらしたことでしょう。しかし、シンガポールでは事情が大きく異なっていますのでご注意下さいね。

 

シンガポールのピアノ教室事情

 

 

当ピアノ教室の発表会は今年24回目を迎えます。

 

シンガポールの日本人ピアノ教室の中で発表会実施回数最多の記録を今年も更新します!

 

 

初めての開催日は1996年2月25日。以降、毎年春先あるいは晩秋に年一回のペースでの発表会を実施しています。

 

発表会

 

 

初めてのピアノ発表会の会場探しは手頃なサイズのホールが当時ないことに加え情報もなく、かなり難航しましたが最終的に「古巣」を頼ってヤマハクレメンティ校の中にあるグループレッスンルームで1番大きな部屋が確保できて事なきを得ました。

 

 

シンガポールヤマハのCEO(最高責任者)とデモンストレーター時代から顔見知りだったこともあり、クレメンティ校のスタッフとはヤマハ同士の連帯感ですぐに打ち解けて意気投合。会場整備や音響など親身になってサポートしていただきました。

 

 

プログラムはワープロが得意な保護者の方のお一人が「せんせー、私がやってあげるよ!」と作成して下さいました。

 

 

ブライダルプレイヤーやデモンストレーターの経験から人前での演奏は慣れていましたし発表会主催の経験もありましたがシンガポールでは初体験。前例もなく参考にできる資料を探してもどこにもありません。

 

 

 

何が必要か頭で理解していても、指導でエネルギーや時間を使い果たし、なかなか思うように準備まで手が回らない毎日の中で、保護者の方々からの、まるでかゆいところに手が届くような細やかで温かいサポートの数々を戴いたことは大変心強くありがたかったです。

 

 

 

 

 

 

ステージもなく、折りたたみの椅子を自ら並べて準備した会場でしたが、アットホームな雰囲気で、初めての発表会開催にふさわしく身の丈に合った場所でできたこともよかったです。

 

 

当時のシンガポールは今のように国が経済発展を遂げる前の時代。発表会のスタイルは「日本のように」ということは最初から考えず「シンガポールの日本人講師のピアノ教室発表会」の雛形を自ら作り上げることを目標に現在まで開催回数を重ねてきました。

 

 

日本でも本来ピアノ発表会に「こうあるべき」の決まった形式や約束事があるわけではなく主催者であるピアノ講師の技量や熱量に委ねられ、発表会としての基本さえ押さえていれば細かい内容は自由ですが、指導者の側の事情としては、時代に求められている新しい形を自ら作り上げていくには高いスキルや志が必要となり、講師自身が過去に経験してきたことをそのまま踏襲する方が断然楽で安心できる側面があります。

 

 

今までは昔ながらのやり方に全く支障は生じませんでしたが、急速に時代が変わった現在、そのままでは発表会自体が成り立たない可能性もあります。

 

 

実際、日本では現在、新型コロナ肺炎COVID-19 感染防止対策を講じながらホールでのピアノ発表会の実施は可能な状況ですが、シンガポールでは、会場予約はできるものの、まだ段階的な外出緩和の状況下にあり、コンサート形式のライブパフォーマンスの許可は8月初旬の時点で降りていません。

 

 

新しい対策を練って準備を進めて状況を見極める柔軟な適応力や判断力が必要となり、主催者は当日ギリギリまでいつも以上の緊張感を伴う日々が始まりますが、すでに心づもりはできています。

 

 

 

 

 

もしコンサート形式に許可が降りない場合、頑張って練習をコツコツ積んで当日の演奏を楽しみにしていた生徒さんに事情を説明して発表会を諦めてもらったり、あるいは様子を見て開催の延期をするでしょうか。

 

 

いいえ。

 

 

どのような状況であれ、当ピアノ教室は、決まった日時の発表会を取りやめにすることはありません。

 

 

日本のピアノ教室とシンガポールのピアノ教室の違うところは、レッスン環境が異なるだけではありません。

 

 

当ピアノ教室は、生徒さん達の大半が駐在員ご家族であり、出会いと別れがめまぐるしく、ピアノレッスンを開始した時からいつ訪れるのかわからない「お別れの日」を常に意識しながらのレッスンです。「残念だけど今年は諦めて来年またね」の約束はできません。

 

 

状況を見ながらしばらく様子を見ましょう、と言っているうちに本帰国が決まったとしたらピアノ指導者として志半ばのままで後ろ髪を引かれるような思いで生徒さんを見送ることになってしまいます。そのような経験をしたくないのは、オンラインレッスンに踏み切った時の心境にも通じます。

 

ピアノ指導者としての哲学を語る「ありがとうシリーズ」

 

 

 

 

 

 

 

言うまでもなく、お子さんにとっての数ヶ月の重みは大人のそれとはまるで違うことは、毎日お子さんと接している保護者の方々はピアノ指導者の私以上に日頃から強く実感しておられます。貴重な成長期の時間は二度と戻ってはきません。

 

 

 

4月、5月、6月、当ピアノ教室はオンラインピアノレッスンを実施して、生徒さんはそれぞれ目覚まし成長を遂げました。

 

レッスン開始直後にオンラインレッスンの4歳男の子

 

オンラインレッスンで新しいことに果敢にチャレンジした新一年生女の子

 

オンラインレッスンでピアノとの関係が深まった兄妹

 

 

生徒さん、保護者の方々と一丸となって未曾有の出来事の中にあってもピアノと共にある毎日を継続してきたことは単にピアノを忘れないように指を動かしていましょう、というような消極的な取り組みとは根本的に異なっていました。

 

 

 

 

当ピアノ教室がニューノーマルピアノレッスンを始動して以降、今までよりさらにピアノへの情熱が増した生徒さん達の姿が見られることが何よりの証です。

 

 

弟くん1歳のお誕生日でピアニストデビューの4歳男の子

 

ニューノーマルピアノレッスンでますます頑張る5歳女の子

 

 

 

発表会では状況にかかわらず、生徒さん達が普段のピアノ練習の成果をたくさんの方々に披露して自信を得たり、ピアノ仲間の演奏を聴くことやお互いの交流の中で充実した時間を過ごし、一人一人がさらに大きく成長できる日となるように、ピアノ指導者として生徒さん達、保護者の方々に対して、その時にでき得る最善を尽くします。

 

指導方針

 

 

すでに練習はスタートしています。

 

 

シンガポールに住んでいるからこそできるピアノ発表会を紆余曲折しながら年月をかけて作り上げてきたこれまでの経験を、第24回目を迎える今回も余すことなく発揮します!

 

 

保護者の方々からは発表会開催のお知らせ直後から

 

 

♦︎状況が不確かな現在ですが、どのような形でも、発表の場を作って下さることは大変ありがたいです。

 

♦︎発表すると思うとやはりピアノ練習へのモチベーションがぐんと上がります、ありがとうございます。

 

 

等のお言葉を頂戴していて指導者として嬉しさでいっぱいです。

 

 

 

 

 

弾きたい曲があり練習に入った生徒さん、初めての発表会に向けて基礎固めに入る生徒さん。それぞれにすでに発表会への助走はスタートしました。

 

 

今年も例年通りに新しい試みにもチャレンジする予定です。ワクワクしながらアイデアを練るとき、生徒さん一人一人の晴れの舞台を想像し、思わず笑みがこぼれてくる毎日です。