こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している、出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
シンガポールは日本とピアノ教室の事情が異なり、法律により、講師の自宅でお教室を開講することは認められていません。
当ピアノ教室は、シンガポール政府の定めた法律を遵守した、講師が生徒さんのお宅に出向いてレッスンを行う、出張ピアノ教室です。
講師 塚越 則子(つかごし のりこ)は、ヤマハ認定グレードにおいて、ピアノ、エレクトーンの演奏、指導共に最高位のグレードを保持する指導者であり、鍵盤楽器のプロフェッショナルです。
今日の主役さんは、Yくん8歳です。
Yくんは、当ピアノ教室でピアノを習い始めて半年の小学2年生。
体験レッスンを受講したのは昨年の3月のことです。
同じエリアの生徒さんの本帰国が約半年後に控えていることをご両親にご説明し、スケジュールを了承いただき、満を期してレッスンを開始したのが8月。
それ以来、熱心な練習を欠かさず、とても真面目に努力を続けています。11月に実施した、2年ぶりの開場開催となった定例発表会では、音域が広く使われているダイナミックな大曲に挑み、堂々と立派な演奏を披露してくれました。
ヤマハのショップで、プチリハーサルも行って、準備も完璧でしたね♬
シンガポールの出張ピアノ教室/ヤマハシンガポールでプチリハーサル?!
先日のレッスンでは、Yくんとご両親に、ピアノを習い始めて半年が経過した現在の様子やご感想などをお聞きしましたよ。
ピアノの練習は週に3回くらい。時間は20分ずつくらいです。
気をつけているのは
❤︎たとえその日に完璧に出来なくても、無理をさせないこと(お父さん談)
❤︎ピアノを好きでいて欲しいですからね( お母さん談)
素晴らしい心がけです。ご両親がピアノ経験者の場合、「これくらい出来てあたりまえ」と、知らず知らずのうちにハードルを上げて、「もっもっと」と熱が入ってしまいがちですが
ピアノのお稽古は、いかにして継続させるかが大切。練習を軌道に乗せる秘訣は「余力」を残しておくこと。
常に全力を使い果たすようにさせる練習の仕方は、ときに子どもにとって精神的な負担となり、ピアノ練習が、まるで修行の場のようになってしまいます。
それでは長続きせず、燃え尽きてしまいますよ。辛くて逃げ出したくなってしまうのは当たり前です。
子どもの初心者のレッスンで常に意識しているのは「まだもうちょっとできるね!」というところで、あえて終えること。
もっと弾きたい!
あともう一回できる!
そう思っていることを充分わかった上で
「あとは自分で練習しておいてね♬」
とレッスンを終えます。やる気を引き出すテクニックです。物足りないくらいが、実はちょうどいいのです。
「さようなら」と扉を閉めて、エレベーターホールでリフトを待っている間にピアノの音が聞こえてくると
「やったね!」
と小躍りしたいような気持ちになります。つい聴き入ってしまってリフトが来たことに気が付かないことも。。。
先生がいなくても、1人で出来た!
この経験の積み重ねが自信に繋がり、新しいことや難しいことに積極的に取り組む意欲の原動力になるのです。
発表会で難しい曲にチャレンジして、弾きこなせたことが自信につながりました。
初めての発表会で弾いた曲はYくんのお気に入りの持ち曲となり、今でも外出した先でピアノがあると弾いたり、お友達に聴かせたりしているそうです。
これは舞台裏エピソードですが・・・
発表会の曲の練習に入る前、実はお母さんから、こんなメッセージをいただいていました。
「うちの子には、この曲は、まだ難しすぎるのではないですか?」
ご両親は楽譜を見て、音符の多さにビックリしてしまったのだそうです。
曲は、Yくんの数ヶ月後の「伸び代」を想像して決めた、Yくんの持ち味と実力を最大限に活かす、弾き映えのする一曲。
日本の有名なコンクールの、子どもの初心者レベルの課題曲に選ばれたこともあるほどの難易度の高い曲ですが、もちろん指導に自信があってのことです。すでに頭の中でレッスンスケジュールも組み立てていましたよ。
「お母さん、大丈夫ですよ。任せてください。」
「レッスンで習ったことの復習だけをしっかりやっていれば弾けるようになりますよ」
とだけ伝えました。
この道で30年以上生きてきて、発表会に生徒さんにピッタリあった曲の見立てがしっかり出来ないようではお話になりません。また
練習をおうちの方に「丸投げ」して「練習をさせてください」と圧をかけるようでは、指導者としての実力不足と言えます。
おうちの方はお子さんの最強の応援団です♬
「初めての発表会だから簡単な曲で自信をつける」それも正解です。一方で
「初めての発表会だから山を乗り越える経験で自信をつける」
これも正解です。Yくんは8歳。遊びと本気の区別がしっかりつく年齢です。
この時期の子どものピアノ指導のポイントは、「適度なプレッシャーを与える」ということ。言い換えると「ちょうど良い負荷をかけて、心の筋力をつける」ということです。
子どもに何かをやらせる時、周りの大人が子どもに何も期待しなければ「どうせ僕なんて、私なんて出来るはずがない…」と最初から諦めることを覚えますが
逆にあまり期待しすぎると、それが子どもにとって重荷となり、少し頑張れば出来ることも、力を発揮できずに終わってしまいます。
小学生のピアノ指導では、子どもの一人一人の能力をじっくり観察し、「これはちょっと難しいかもしれないけれど、頑張ってやらせてみる価値はある」という程度の課題を与えることを意識します。
適度な期待感を持って大らかな気持ちで構える姿勢が子どもにとってはちょうどよく、そうすることで、さまざまなことに対して前向きにチャレンジする子が育つのです。
適度なプレッシャーを与えるには、まずは生徒さん一人一人の能力を指導者が的確に判断することが大切。そのためには普段からピアノ以外のことにも生徒さんのことに興味を持ち、じっくりと観察することが何よりも重要です。
Yくんは、見事、難しい曲への挑戦を成功させ、発表会を期に一気に大きな成長を遂げました。
2022年の発表会は、お父さんとの連弾も?!
最近では、お父さんとゲームの曲を弾いて、2人で演奏を楽しむこともあるというYくん。
「今年も発表会ではお父さんと連弾もいいね!」
と話すと、照れ笑いを浮かべていたYくん。その様子を以て満足そうな微笑みを浮かべていたお父さんの姿が印象的でした。
これからも、Yくんのピアノライフは無限の可能性に満ちています。
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
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