こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
今日は【生徒さんに小さなご兄弟がいる場合の、当ピアノ教室のレッスンでの対応】についてお話します。
その前に、シンガポール特有のピアノ教室のシステムについて、少しご説明をさせてくださいね。
シンガポールでは、講師の自宅をスタジオ使用した、ピアノ教室の開催は法律で認められていません。
日本では、個人のピアノ教室でピアノを習う場合、先生のお宅に出向くことが一般的ですが
みなさんご存知の通り、シンガポールでは、集合住宅でピアノ教室を開業することが法律で一切認められていません。
この法律は、働く許可を得るためのビザを発行する移民局の管轄とは別で、「静かな住環境を守るため」の、環境省の取り決めによるものなので、シンガポール国民、PR保持者に対しても同様の効力があります。
シンガポールは他民族国家、さまざまな文化的背景を持つ人が暮らしていますからね。当然といえば当然です。
コンドミニアム内には、いろいろな人たちが住んでいて、それぞれ生活事情が異なります。昼夜逆転した生活を余儀なくされていたり、自宅で療養中の人もいます。
「このくらいはいいだろう」の判断基準は、人によってまちまち。音を「拾う」耳の感度も人それぞれで、数値で測ることはできません。
自分さえよければ、自分の家族さえよければいいといった、身勝手な考えは許されるべきではありません。
ここは外国、時には、日本の常識をシンガポールでそのまま当てはめることができないことだってあるのです。
私はシンガポールPRを保持していますが、国籍は日本です。シンガポール国籍を取得する予定は今後もありません。
私たち日本人は、シンガポールという海外に「住まわせていただいている」という認識を持ち、他の住民に配慮しながら、お互いに思いやりをもって、ともに仲良く暮らすといった意識を忘れずに暮らすことが重要だと思っています。
ピアノ教室に限らず、例えば、デング熱を発生させないための植木鉢の水に関しての抜き打ちチェックなど、環境省が管轄している法律は、日本にはない内容が多く、とかく見落としがちですが、知らずにいてうっかり一線を超えてしまうと罰金が課されてしまいますので気をつけてくださいね。
これらの法律に関しては、時々、シンガポールの生活に関する日本人向けの掲示板などでも注意喚起がされています。気になる方は注目してみるといいですよ。
シンガポールで個人のピアノ教室にピアノを習う場合、ショッピングセンターの中などにあるピアノ教室か出張レッスンをお願いするかのどちらかになります。
当ピアノ教室は、開講当時から出張レッスンを実施することにこだわりを持っています。
その理由は
生徒さんにとって、ご家族にとって最適な環境で、ピアノを学んでもらいたいから
「でかけていく」手間や負担がないぶん、ピアノにエネルギーを集中してもらいたいと願っているから
狭い国土のシンガポールですが、移動には思いのほか体力が必要です。これは実際住んでみて実感することの一つでもあります。
お天気の移り変わりも激しく、雷雨が始まると容赦ありません。空のご機嫌次第で、行き帰りだけで心身ともに疲れきってしまいそうなときもあるでしょう。
シンガポールでは、タクシーのオンコールが気軽にできたりと、スマホアプリを使ったシステムが充実している反面、道路工事や事故渋滞など、予想外の事態も多く、一方通行も多いので、近い距離でも想像以上に時間がかかってしまうことが日常茶飯事です。
オンコールタクシーに知らないうちにキャンセルされていたり、道順を伝えたはずのに、ふと油断したすきに別のルートから遠回りされてしまっている・・・なんてこともあります。
このようなことは、在星日本人の方々ならば一度は経験したことがある「シンガポール生活あるある」の代表的なものでしょう。
高層住宅ゆえの、予期せぬアクシデントだってあります。
シンガポールのピアノ教室/出張レッスンハプニング編①リフトに閉じ込められちゃった!
今日は大丈夫かな?
私も、どんなに慣れていても、レッスン間のタクシーの移動には、時間が限られていることもあり、細心の注意を図りながら緊張感を保つことを欠かしません。
とは言っても
移動のストレスから解放された、自宅でのピアノレッスンだから・・・
何でもあり!
ではありませんよ。
ピアノを習うということと、ピアノを使って子どもを遊ばせることとは根本的に違うからです。
ピアノを前にして、楽しい時間を過ごして
よかったね
だけで完結するようでは、レッスンとはいえません。
何かを学び
何か成長した
手ごたえをつかみ
証を残す
ことができなければ、レッスンの目的を達成したことにはならないと思いませんか?
講師の立場としても同じです、たとえ、レッスンの30分間をご機嫌で過ごしてもらえたとしても、《ピアノのレッスンを受けて上手にピアノが弾けるようになった》《音楽に対しての感性が高まった》《ピアノを弾くことで表現する喜びに目覚めた》など、結果を出し、満足していただくことができなければ、指導のプロとしての責任を果たしたとはいえないのです。
当ピアノ教室では、レッスンで、まず生徒さん自身に
❤︎レッスンとは何か
❤︎教わるということはどういうことか
❤︎自分は、レッスンで、どうふるまうべきか
を知り、相応しい行動への自覚を促すところから始めます。そのために必要不可欠なのは
けじめをつけること
ご家族のご協力も欠かせません。レッスンを成功に導くのは、ズバリ!お家の方との チームワークです。
則子せんせーがうちにきたら、ピアノのレッスンがはじまるんだ!
さぁ、スイッチオン♬
「こんにちは」
「よろしくお願いします」
ごあいさつから始まる一連の流れが染み付いてくると、自然とレッスンも軌道に乗って、学ぶことを楽しむ心が育ってくるから不思議です。
シンガポールの出張ピアノ教室/私がピアノ指導者として「ごあいさつ」を大切にする理由
当ピアノ教室では、弟くん、妹ちゃんにはレッスンの間、別室で過ごしてもらうことをお願いしています。
音に集中できる静かな環境を整えることこそが、ピアノを上達させるために最も大切なことだからです。
「勉強するとき、うちは兄弟一緒に過ごしています」
「にぎやかなのには慣れてます」
そのように感じる方があるかもしれません。しかし
◆間違えたら消しゴムで消すことができ
◆時間の縛りにとらわれず
◆自分のペースで進められる
家庭学習と、一瞬の判断や瞬発力、研ぎ澄まされた感性が求められる、ピアノのレッスンとでは、全く内容が違うので、横並びにすることはできません。
何より「音を学ぶおけいこ」なのですから、「音を聞き分ける鋭敏で繊細な耳を育てる」ためにも、できるだけ雑音を排除した、静かな環境がいいに越したことがないのは言うまでもありません。
子どもはみんな「お客様」が大好き。
レッスンに伺うと、子どもたちは「則子せんせー」という「お客様」を全力で大歓迎してくれます。弟くん、妹ちゃんも、我先にと玄関先に走ってきくれて、時にはスリッパを用意してくれたり、手書きのお手紙を手渡ししてくれたりします。
自分が主役ではないと分かっていても、いいえ、分かっているからこそ一生懸命に自分の存在をアピールしてくるのですね。
「ボクも、わたしもいるよ」
その姿はいじらしいほどです。
ダメと言われても、一緒にやりたい!
そばにいて参加したい!
ボクの話を聞いて!
わたしとあそぼ!
小さな胸の中の熱い叫び声が、私には痛いほど伝わってくるので、私は弟くん、妹ちゃんも、始まりの数分間、ちょっとだけ、レッスンに積極的に巻き込んじゃいます。
ダラダラではなく、ほんの少しがコツ。
時には即興でセッションをしたり・・・♬
しばらくして
「あとでまたね」
と声掛けすることも忘れません。約束は必ず守ります。どんなに次への移動の時間が迫っていようとです。
子どもはちゃんと分かっています。それだけで満足して、納得し、おりこうさんで待っていてくれるようになります。子どもはみんな記憶力抜群ですからね。
どんなに小さくても「ピアノの先生とのふれあい」は、大きくなっても心のどこかに残り続けると私は思っています。
当ピアノ教室の生徒さんは駐在員のご家族が中心で、シンガポール生活は期間限定です。
弟くん、妹ちゃんが、満を期してピアノを習う年齢になる前に本帰国が決まってしまうことだってあります。
そんな時はとても切ないけれど・・・
私には信じてることがあります!!!!!
将来、ピアノを習うことになったら、弟くんや妹ちゃんたちも、お兄ちゃん、お姉ちゃんと一緒に則子せんせーのことを思い出してくれて
張り切って頑張りを発揮し、立派なリトルピアニストへと成長してくれるに違いないと。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。