こんにちは。

シンガポールの出張ピアノ教室

fairy wish creation 講師の

塚越 則子(つかごし のりこ)です。

 

 

プロフィール

 

 

1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。

シンガポールで1番長い指導歴のキャリアを持つ、日本人のピアノの先生です。

 

 

指導方針

 

 

ピアノレッスンコース

 

 

講師 塚越  則子(つかごし のりこ)は、ヤマハ認定グレードにおいて、ピアノ、エレクトーンの演奏、指導共に最高位のグレードを保持する指導者であり、鍵盤楽器演奏のエキスパートです。

 

 

 

ヤマハ認定グレード

 

 

 

シンガポールは日本とピアノ教室の事情が異なっており、講師の自宅で音楽教室を開講することは、国の法律で認められていません。

 

 

 

シンガポールのピアノ教室事情

 

 

 

当ピアノ教室は、開校以来、シンガポール政府の定めた法律を遵守している、講師が生徒さんのお宅に出向いてレッスンを行う、出張ピアノ教室です。

 

 

 

Q&Aシリーズ⑩

先生のお宅でのレッスンはありますか?

 

 

 

 

今日は現代アートの中に感じる「Jazz Piano」についてのお話です。

 

 

 

 

 

 

 

現在、骨董通り「小原流会館」の地下にある「hpgrp GALLERY TOKYO」では、竹内紘三氏の個展

-Edge – 」が開催されています。

(開催期間は2021213()まで)

 

 

 

 

 

竹内紘三氏の作品は、ザ・ペニンシュラ東京やリッツカールトン京都、イギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館やアメリカのボストン美術館、LOUIS VUITTONの店舗などにコレクションされ、注目されています。

 

 

 

その印象を一言で表すとすれば「破壊による緊張の美」。私にとってそれは「Jazz Piano」のサウンドのイメージそのものです。

 

 

 

 

竹内 紘三
Kouzo Takeuchi

竹内紘三は多治見市陶磁器意匠研究所を卒業後、国内外の展覧会に積極的に参加し、数多くの美術館やホテル、店舗などにもコレクションされる今最も注目すべき陶芸家の一人です。
筒状のパーツをいくつも重ね、構造的に組み上げ焼成した後、ハンマーを使って大胆に作品に衝撃を与え破壊します。
焼成という間接的な過程を経る陶芸のプロセスに、割るという直接的な行為を加える事により作家と作品との距離が近づき、意図的な行為と偶発的な結果は作品の中にノイズを生み出します。
荒々しく削り出された断片から生まれる豊かな陰影が特徴です。

hpgrp GALLAR竹内紘三より引用

 

 

 

 

 

陶芸は通常「焼成」というプロセスを経て、最終的に作家の手を離れて完成しますが、竹内紘三氏の作品は、窯から出した後に「割る」という直接的な行為を加えることで作家と作品との距離が近づき、その偶発性が作品の中にノイズを生み出していくのだといいます。

 

 

 

偶発性

 

 

ノイズ

 

 

 

これらのキーワードは、「音の一期一会」とも言える「即興演奏」と、複雑な「テンションコード」で成り立っているJazzのサウンドにも、そっくりそのまま当てはまる世界観だと思いませんか?

 

 

 

 

 

 

 

ジャズやポビュラーピアノで使われる「テンションコード」とは。

 

 

 

 

「テンションコード」とは、コード表記の中に「9」「11」「13」などを含むコードのことです。Cm7(♭11)やG add9、などなど。

 

 

 

 

一般的な三和音や四和音に比べ、「テンションコード」は構成音が増えるため響きが複雑になり、音に緊張感が生まれるため、総称して、これらはテンション(緊張)コードという名称で呼ばれています。

 

 

 

 

 

 

「テンションコード」の持つ音の特徴を言葉にすると「味わいのある大人のサウンド」です。

 

 

 

 

 

コードを覚えたての人がコードを見ながら演奏をして陥る、よくありがちな悩みの一つに、「何となく幼稚っぽい」「童謡みたいになってしまう」というのがあると思います。

 

 

 

 

 

これは「伴奏の構成音」に問題があります。C、F、G7などと書いてあって、譜面の通り正しく弾いていても、ただ単純にそれだけでは、必然的に、何を弾いても童謡みたいな演奏(伴奏)になってしまうのです。

 

 

 

 

 

逆に「大人の香り」がする音楽の代表と言えばJazzがあると思いますが、このJazzというのは、ほとんどテンションだけでできていると言っても過言ではありません。

 

 

 

 

 

ですから、自分の演奏が何となく垢抜けないと感じている人は、まずテンションを覚えるだけでぐっと大人の雰囲気に近づくことができるのです。

 

 

 

 

 

 

Jazz Pianoやポピュラーピアノの音楽理論は、クラッシックの楽典と重複するところもありますが、独自のセオリーが存在します。

 

 

 

 

それらを学んだ人であれば、自動的に頭の中で「変換」をしながら伴奏の演奏するので、もし、譜面には書いていなくても、瞬時にその曲の進行にあった「テンションコード」を加えた演奏をしていますよ。

(譜面を見ると指が勝手に動くようなトレーニングを積んでます  笑)

 

 

 

 

 

そういえば以前、生徒さんのお宅にあった楽譜をパラパラと読みながら「ミスチル」の「花火」を弾いている時、ピアノ経験者のお母さんが「あ、先生、楽譜にない音を弾いている!」と鋭く気が付かれて、即座に強い反応を示されたことがありました。

 

 

 

 

 

普段からきっと、よく弾いていらっしゃるので、耳に馴染んでいるのでしょう♡ 道理で、パッとすぐに、この曲のページが開くわけです。

 

 

 

 

 

この楽譜は初心者用に簡単になっていたために「テンションコード」が省かれていましたが、聴かせどころの手前で「sus4」を挟むのは、ミスチルの曲の、いわば「黄金の鉄則」的な【お約束】のため、こっそり加えちゃいました!

 

 

 

 

 

この響きがあってこそミスチル♬  曲の随所にスパイス的に散りばめられている「テンションコード」が、櫻井さんの哀愁漂う歌声との「化学反応」を起こし、独特の「切なさ」や「もどかしさ」が、複雑な大人の心を掴んでやまない、あの「ミスチルサウンド」を作り出しているのです。

 

 

 

 

当ピアノ教室の8歳の男の子の生徒さんは、現在「ジャスティンビーバー」の「HOLY」をレッスンしていますが、ヤマハの「ぷりんと楽譜」からダウンロードして購入したこの楽譜は、初心者用とはいえ、凝ったアレンジで「テンションコード」がさりげなく仕込まれているので、カッコいい響きですよ。

 

 

 

 

 

 

 

シンガポールのピアノ教室/8歳男の子、秘策を使って?ジャスティンビーバー練習中。

 

 

 

 

竹内紘三氏の作品には「ハービーハンコック」の気分がマッチします。

 

 

 

 

「ハービーハンコック」といえば「処女航海」。

雄大なメロディラインと、憂いを帯びたコード進行が魅力の、ハービーハンコックのオリジナル曲です。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハービーハンコック」の「処女航海」の演奏の第一人者といえば「本田竹広」氏。

 

 

 

 

日本を代表するJazz フュージョンピアニスト。「ネイティブサン」のピアニストとして一世を風靡しました。

 

 

 

本田竹広

 

 

 

本田先生はヤマハ音楽院時代の恩師です。数時間前、先生のことが頭に思い浮かび、調べてみたところ、そういえば空の世界に旅立たれたのが2006年の、1月12日だったことを改めて思い出しました。

 

 

 

 

 

当時、この報せはテレビのニュースでも報道されたため、たまたま観ていた母が驚いて、すぐに国際電話をかけてきたことをよく覚えています。

 

 

 

 

 

 

ハービー・ハンコック の「処女航海 」は

【新主流派 new standards】の最高傑作と誰もが認める見事な【モードジャズ modal jazz】で

 

 

この上なくクールなこの曲は、シンガポールの気候にぴったりマッチしますが

 

 

 

国同士の自由な行き来が再開したら、本田先生の「ハコ」だった高円寺のライブハウスに行って、よく連れて行ってもらったお寿司屋さんで食事をして

 

 

 

 

本田先生の「処女航海」を聴きながら、ペニンシュラ東京で、竹内紘三氏の作品をゆっくり鑑賞したいな。。。

 

 

 

 

 

一時帰国の日本で、気のおけない仲間とJazzと現代アートのクロスオーバを楽しむ♬

そんな休暇が待ち遠しいです。