こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している、出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
シンガポールは日本とピアノ教室の事情が異なり、法律により、講師の自宅でお教室を開講することは認められていません。
当ピアノ教室は、シンガポール政府の定めた法律を遵守した、講師が生徒さんのお宅に出向いてレッスンを行う、出張ピアノ教室です。
講師 塚越 則子(つかごし のりこ)は、ヤマハ認定グレードにおいて、ピアノ、エレクトーンの演奏、指導共に最高位のグレードを保持する指導者であり、鍵盤楽器のプロフェッショナルです。
今日は、新春特別企画【弾き初めチャレンジ2022】の第4日目です。
第1日目はこちら。
第2日目はこちら。
第3日目はこちら。
第4日目の主役さんは、7歳のRちゃんです。
お気に入りの、ギロックの「パリの花売り少女」の演奏のあと、今年の目標を元気よく宣言してくれました。弾きたい曲が定まっていると、やる気も一層高まりますね!
則子先生も、パッヘルベルのカノンは大好きな曲です。
カノンと言うのは、音楽のスタイルの一つです。
簡単にいうと輪唱みたいなものです。同じメロディを追いかけて歌ったりする技法や、その曲の事をいいます。
全く同じメロディだけではなくて、少しメロディが変わっていたりリズムが変わっていたりするものも含みます。
このカノンの技法を用いている曲で世界的に最も良く知られている曲が、パッヘルベルのカノンです。
正式な曲名は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジークニ長調」の第1曲といいます。
ヴァイオリンのために書かれた曲ですが、様々な楽器で演奏され、長い間、世界中で親しまれています。
輪唱なので、伴奏の方も同じコード進行が繰り返されます。単純といえば単純ですが、これが快く、何度聴いても飽きず、また聴きたくなるような不思議な魅力があるため、多くの作曲家が好んで愛用しているのです。
カノン進行を使った曲は数多くありますが、その中でも、ビートルズの「レット・イット・ビー」は有名です。
パッヘルベルのカノンに話を戻しましょう。
この曲は、全体的には長調の曲ですが、間に短調が3つあります。コードにすると
D-A-Bm-F♯m-G-D-Em/G-A
となります。
見るとm(マイナー)がつくので分かると思いますが、mの部分が短調の響きになります。
このベースで28パターンのメロディーを変奏して繰り返しています。3つずらして重ねているだけなのですが重なった音が濁ったりすることが一切なく、最後の一音まで実に美しい調和が取れています。
パッヘルベルのカノンは、ただ、単純にパターン化されたメロディーを3つずらして重ねただけでなく、巧妙に考えつくされ、響きや、和音などを計算つくした曲だということがお分かりいただけたでしょうか。
さらに分析を続けましょう。この曲のハーモニーは、短調と長調がバランスよく混じり合っています
短調の響きから長調に解決する和音の進行は、聴く人に深い安心感を与え、癒しをもたらす特徴があります。
私にとって、パッヘルベルのカノンを一言で表すならば「祈り」。
いつの時代も普遍的に続く人々の幸せへの祈りが、音楽の普遍的な魅力や力と重なります。
話は少し飛びますが、昨日、チャンギ空港では雨上がりに美しい虹が見えたようです。
(お写真は、Changi Airport Facebook公式サイトよりお借りしています)
私たちの切なる願いが、どうか今年こそ叶いますように。
さて、明日の【弾き初めチャレンジ2022】第5日目は、正統派クラッシックから飛躍し、ポップスとの出会いで、さらにピアノに魅了され、練習にもますます熱が入っている、Yちゃん8歳の「鬼滅の刃/紅蓮華」をお届けします。
どうぞお楽しみに。