こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している、出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
シンガポールは日本とピアノ教室の事情が異なり、法律により、講師の自宅でお教室を開講することは認められていません。
当ピアノ教室は、シンガポール政府の定めた法律を遵守した、講師が生徒さんのお宅に出向いてレッスンを行う、出張ピアノ教室です。
講師 塚越 則子(つかごし のりこ)は、ヤマハ認定グレードにおいて、ピアノ、エレクトーンの演奏、指導共に最高位のグレードを保持する指導者であり、鍵盤楽器のプロフェッショナルです。
今日はタカシマヤシンガポールのBGM にまつわるお話です。
昨日は、出張レッスンの合間に諸用を済ませるため、オーチャードのTAKASHIMAYAにサッと寄ってきました。
TAKASHIMAYAを選んだのには理由があります。
発表会本番まであと1週間。私は今、生徒さんたちが何事もなく無事に当日を迎えて、一人一人が満足いく演奏ができるように願掛けをして「げんを担いだ」生活に入っているからです。
シンガポールでは、先週の水曜日、一部規制が緩和され、家族5人までの外食や外出が可能になり、ショッピングセンターやレストラン内のBGMも解禁になり、街は少しずつ以前の活気を取り戻しつつあります。
シンガポールのTAKASHIMAYA ショッピングセンターは、私がシンガポールに移住した翌年、1993年の8月に開店しました。
私にとって、TAKASHIMAYA シンガポールは、【同期の仲間】のような親しみと思い入れのある存在であり、ショッピングセンターを越えた【心の同志】でもあります。
オープニングからの3日間、ひっそりとお忍びで、日本のお惣菜売り場で販売応援をした経験もあるのですよ!
お手伝いのお話がきたとき、二つ返事でOKをして、日本からシンガポールに進出してくる「われらのTKASHIMAYA」の船出に貢献できることに、ハマっ子として、いいえ日本人として誇らしい気持ちでいっぱいでした。
当時は、シンガポール中の人々が、日本の一流有名デパート「TAKASHIMAYA」の開店を心待ちにして、その話題で持ちきり。オーチャードロードは、まさにお祭り騒ぎだったのです!
街をあげての一大イベントに「関係者」の1人として参加できることが、ただ単純に、とても嬉しくて・・・
そんな調子ですから、実際のところ、戦力になっていたかは、甚だ疑問ですが(笑)
時々売り場の様子を伺いに回っていた、日本から見えた「お偉い方々」は、私のような下々の者にまで、笑顔で丁寧に頭を下げ、ねぎらいの言葉をかけてくださり、とても感動したことを、よく覚えています。
怒涛の3日間が無事に終わり、閉店後、売り上げが目標金額を大きく上回ったとのアナウンスが英語、日本語であって、売り場全体が大きな拍手と歓声に包まれる中、全てのスタッフに同額の「紅包(アンパオ)」の金一封が配られたときは、思わず泣きそうになるのを必死になってこらえました。
「いつも、人から。」
これは、高島屋グループの経営理念です。
当ピアノ教室の思いとも重なります。fairy wish creationも、人と人の繋がりに支えられて、今日まで、シンガポールという異国の地で、ピアノを奏でる喜びを求める多くの在星日本人の願いを叶えてきました。
あの日いただいた「紅包」は、約30年経った今も手付かずのまま、心のお守りとして大切にとってあります。ところでみなさんは
デパートのBGMやアナウンスに意味があるってご存知ですか?
私がこのことを知っているのは、ヤマハのデモンストレーター時代、渋谷の東急百貨店本店前で演奏をした時に、現場で働くスタッフから直接教えていただいたからです。
ちなみに、東急百貨店本店の楽器売り場は有名人が訪れることでもよく知られており、堀内孝雄さんが、ふらっと立ち寄って、多機能が搭載された、クラビノーバの最高モデルを購入された場所でもあります♬
作曲のときに使われるということだったそうですよ。私も同じです♬
あるとき、堀内さんを接客したことを、常々話題にしていた、楽器売り場の店長さん、Hさんが
「塚越さん、社会勉強に連れてってあげるよ」
と、おどけた口調で、ランチの時間にデパートの社員食堂に連れて行ってくださったことがありました。
えーっ!奥はこんなふうになっているなんて全然知りませんでした!
扉の向こう広がる別世界に驚きながら、興味津々であたりをキョロキョロ見渡している私の反応に
「やっぱり思った通りだなぁ〜」
とニヤニヤ笑いながら、Hさんは
❤︎デパートのBGMには意味があること
❤︎この曲が流れたら「雨が降ってきましたよ。傘や長靴などの商品を手前に出して下さいね」
❤︎このアナウンスがあったら「売り場で万引きが発生しましたよ。警戒して下さいね」
などの「暗号」が忍ばせてあることを、もったいぶったような口調で教えてくださいました。
売り場スタッフの士気を高める曲や、目標売り上げ金額を達成したときに流れる曲もあり、それらはたいてい、デパートのテーマ曲なのだということです。
TAKASHIMAYAシンガポールのオープニングの時、午後の早い時間に少しBGMのボリュームが上がったと思ったら、それを聴いた日本人のスタッフがシンガポール人のスタッフに興奮気味に話しかけていたことを思い出します。
We hit today’s target already!
タカシマヤグループのテーマソングである「We Can Do」は、日本を代表する作曲家、井上大輔さんが手掛けた、希望に満ちた、伸びやかなメロディラインが特徴の、大変魅力溢れる曲です。
閉店間際になると、かかることがあるので、耳にしたことがある方もおられるでしょう。sus 4で重なっていく「タ、カ、シマーヤー」の後に続くWe Can Do♬の軽快な切れ味。
一度聴いたら忘れられないインパクトがあり、私はいつも売り場で「We Can Do」が流れ出すと、バックのピアノのオクターブのバッキングをエアで弾きながら、一緒に演奏に加わりたい気分になってしまいます。
タカシマヤシンガポールFacebook公式サイトより
We Can Do,You Can Do!
当ピアノ教室では、発表会を間近に控え、本番を意識した練習が佳境を迎えています。
この時期の指導スタイルは、人によって2つにキッチリ分かれるのが常。
❤︎ギリギリのギリギリまでゲキを飛ばし、バシバシとプレッシャーをかけて、より良い演奏を目指すやり方
❤︎今までの練習の努力をねぎらい、本番で、自信を持って伸び伸びと演奏ができるように気持ちを高めるやり方
私は迷わず後者の方です。と言っても私も、指導者として駆け出しの10年、15年目くらいまでは、声を枯らすようにして、本番を迎えるその瞬間まで、限界に挑むべく「ダメ出し」をして、ピリピリしていました。
それが「よい指導者としてのあり方」だと信じて疑わなかったからです。
だけど長い指導経験を得て、キャリアを重ねた今だからこそわかる〈真実〉があります。
信頼し切ることが、その子を伸ばすことにつながる
本番直前まで、演奏の細かなこと一つ一つが気になって指摘してしまうのは、自分自身の不安の投影でもあることを、私は知っています。
たとえ負けん気を促すつもりでも、この時期、いつもより繊細になっている子どもの気持ちに負荷をかければ、萎縮するだけで、本来の持ち味を発揮することができなくなります。それはレッスンを離れた、普段の時間でも一緒です。
シンガポールの出張ピアノ教室/発表会前のお子さんの【間違えたらどうしよう】にどう答えますか?
発表会を翌週に控えた当ピアノ教室のレッスンの今週1週間は、明るい笑顔と拍手に包まれた「前夜祭」。
発表会は、練習が始まった時からすでに始まっています。当日の演奏だけが全てではなく、努力を積み重ねて来た日々を通して経験したこと全て、その過程で感じたこと全てが「発表会」のイベントなのです。
皆さん、とてもよく頑張りましたね。おうちの方もおつかれさま♬
ここまできたら、もう大丈夫。本番では一緒に楽しみましょうね。ドキドキもワクワクも、みんなぜーんぶ思い切り。
緊張していますか?
その気持ちも、丸ごと楽しんじゃいましょう♬
We Can Do! You Can Do !