こんにちは。
fairy wish creation
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保護者。
シンガポールで1番長い指導歴の日本人ピアノ講師です。
当ピアノ教室は、シンガポール政府のお教室ガイドラインを遵守した、出張ピアノ教室です。
Q&Aシリーズ⑩
今日は、電子ピアノにまつわる「びっくりエピソード」です。
あれ?ピッチが低い!
ある日のレッスンでのこと。生徒さんの弾いたクラビノーバの第一音を聴いた瞬間、私の中に衝撃が走りました!
ひ、ひ、低い?!
電子ピアノは440hzのピッチが常に保たれていて、狂うことはないので調律は必要ありません。
電子ピアノに調律は必要ありません。 電子ピアノは生(アコースティック)ピアノとは別の楽器と考えてください。 共通しているのは、鍵盤がある事と、ピアノの音がすることだけです。 電子ピアノにはアクションもなければ弦も張ってありませんので、ある意味メンテナンスフリーといえます。電子(デジタル)ピアノも調律が必要ですか? 「渡辺ピアノ調律事務所」ホームページより引用
しかし、絶対音感のある私は「自分の中に存在する音」と目の前の電子ピアノの音に確かなズレを感じて仕方ありません。
めまいがしそうになりましたが、電子ピアノでピッチがズレるのはあり得ないことなので、気のせいなのかしら?と、その日は無理やり自分を納得させました。
翌週のレッスンの時。先週のことはすっかり忘れていたのですが、生徒さんの弾く第一音に、再び違和感。しかし、電子ピアノのピッチはズレることはないはずなので
あぁ。。。
私の耳は、いよいよ通年劣化してしまったのだわ、大切にしていたつもりなのに。。。(号泣)とショックを受けつつも何とか耐え、その日のレッスンを終えました。
シンガポールのピアノレッスン/あなたの耳、大切にしていますか?
そのまた翌週。
やはり、どう考えてもピッチが低い!
私は、ピッチの数値を知りたくて、もはや後には引けない気持ちになっていました。
ラッキーなことに、その日、次のレッスンの生徒さんは、体調不良のためにお休みとのご連絡が少し前に入ったばかり。確かめるのはきっと、今日を逃すと難しくなりそうです。
私は覚悟を決めて、保護者の方に「クラビノーバの音に問題があるような気がするので、お時間をいただいて確かめてもいいでしょうか?」と伝えた後、すぐさまiPhoneで音の高さをヘルツで表示してくれるアプリを探してダウンロードをし、ピッチを確かめてみました。結果は
438hz
本来あるべき440のピッチより2hz低い数値です。。。
生徒さん本人には、操作した全く覚えがないようでしたが、どうやら他の楽器とアンサンブルをする時に微妙なピッチの調整ができる「ピッチコントロール機能」を使ったようです。
いたずらをする年齢はとうに過ぎているので、楽器の使い方をあれこれ熱心に研究しているうちに、ボタンと鍵盤を同時にいくつか押したのでしょう。
クラビノーバをピッチコントロール機能のモードにしてみると、、、
液晶パネルには、しっかりと同じように「438」の数字が表示されました。。。
初期化設定をすれば問題解決します。
ピッチコントロール機能は、一つのボタン操作ではできず
〇〇を押しながら〇〇
のように、同時にボタンや鍵盤を押さないとできない「隠しモード」になっています。イタズラ防止ですね。
加えて本来でしたら、電源を切って、また入れる操作をすると、変更した情報は全て消去されるのですが、この時は偶然が重なったようで、ピッチコントロール機能を使ってピッチを2hz下げた状態が「ロックされた状態で保存される設定」まで、ご丁寧に加えていたようです、驚きですね!!
他の生徒さんの電子ピアノではこのようなSOSを受けたことも。
「遊んでいるうちに、どこかのボタンを押してしまったようで、なぜかパイプオルガンの音がオリジナルの音に設定されてしまったみたいで、電源を入れるとピアノの音ではなく、いつもパイプオルガンの音が最初に鳴ってしまうようになってしまいました。。。(泣)」
これはびっくりしてしまいますよね。でも大丈夫、ご安心下さい。
こんな時は慌てずに、取扱説明書をよーく読んで下さいね。工場出荷時の状態に戻す「初期化設定」をすると元どおりになりますよ。スマホと一緒です。
クラビノーバのケースでは、ピッチが低くなったことに、生徒さん本人も保護者の方も全く気がつかなかったとのことでしたが、おかしい、おかしいと首を傾げる私を信じて、お時間を割いてくださり、取扱説明書を取り出して一緒に設定変更の操作をしてくださったお陰で、無事に問題が解決できました。
知らずにずっとそのままで弾いていたら、、、と思うとこわいですね。。。ホッとしました(涙)
私は、来星前、日本でヤマハのデモンストレーターとして新機種の開発やデモンストレーションに携わっていた経験があり、現在もヤマハ時代に築き上げた様々なネットワークを通じて電子ピアノ業界の最新情報をリアルタイムで入手し、研鑽を続けています。
電子ピアノについて、わからないことがあったら、いつでも聞いてくださいね。
電子ピアノが「ピアノの代用品」としての役割しか果たしていないのだとしたら、とてももったいないなと思います。
積極的に楽器についている機能を、普段のピアノ練習にも活用して、もっともっと電子ピアノと仲良くなってください。楽器を大切にしてあげるとピアノも上手になりますよ。お手入れも忘れずに♬
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