こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
かてぃんさん、シンガポールへようこそ!
昨日は、待ちに待った、ピアニスト角野隼斗(かてぃん)さんの、記念すべきシンガポールでのデビューコンサートの日でした。
会場は、Victoria Concert Hall。
このあたりは由緒あるエリアで、歴史的建造物が立ち並んでいます。すぐ向かい側にある「フラトンホテル」は、かつてシンガポール郵政局でした。
ホールの前の敷地には、近代シンガポール建国の父、スタンフォード・ラッフルズ卿の像が鎮座していますよ。
今回、コンサートの開始時刻が19:30で、普段ならばレッスン中の時間なので、無理だ….と泣く泣く諦めていたところ
その時間にレッスンをしている大人生徒さんが、先日、この日のレッスンのお休みを申し出てきたことで、コンサートに行かれることが判明(!)そこで私も急遽チケットを取りました。
“それならば”と、その前のレッスンのお母さんにもお声をかけたところ、大ファンということで、生徒さんである息子さん(11歳)と行くことになったため😃
レッスンを終えたあと、急いでGrabを呼び、揃って会場に駆けつけました。さらに
“せっかくなので”と、大人レッスン生の皆さん数名にもお声をかけたところ、やはりみなさん同様の反応で、私からのメッセージを受けたあと、すぐさまチケットをゲット。
当ピアノ教室きっての熱血ピアニスト、Yさん(40代男性)ご家族は、奥様(ピアノ経験者)も大ファンということで、同じく生徒さんであるWちゃん(7歳)Mちゃん(5歳)も一緒にご家族総出の「参戦」となりました。
後からわかったことですが、ピアノ好きの知り合いの何人かも、コンサートに足を運んでいたようです。
今をときめく人気ピアニストである「かてぃんさん」(ここでは親しみを込めて、こう呼ばせていただきます)の演奏が、シンガポールで生で聴けるとあって、お誘いしたみなさんの期待感は、否が応でも高まるばかり。
今週に入ってからは
❤︎いよいよですね!
❤︎まるで夢みたいです
❤︎楽しみでたまりません
❤︎ドキドキが止まりません
といったLINEメッセージが連日届くようになり、私もみなさんと気持ちを共有しながら浮き足立つような気分で当日を迎えました。
はやる気持ちを抑えつつ、終了時間が遅くなるので、レッスンの合間にサササッとお腹を満たせるように、出かける前の30分足らずでチャッチャッチャッと簡単なお弁当を準備するといった一幕もありました(笑)
かてぃんさんの【ピアニスト角野隼斗さん】としての経歴や受賞歴など、ご活躍の数々に関しては、あえてここで説明する必要はないでしょう。
私よりも、当ブログを読んでくださっているみなさんの方が詳しいかも知れませんね♬
彼の魅力を一言で表現すると
ボーダーレス
彼は、「角野隼斗」さんとして日本各地でオーケストラとの共演やソロコンサートを精力的に行う一方、YouTubeでは「かてぃん」さんとして、幅広い層から人気を得ており、チャンネル登録者は100万人を越えている、大人気のピアニストです。
普段ピアノに縁がない方でも、昨年末の紅白歌合戦で演奏されたことをご存知だったりします。
彼はジャンルを問わず、何でも弾けちゃう、新しい時代のピアニスト。だから
わざわざ
ショパン国際ピアノコンクールで〇〇の…..
といった前書きなどを必要としません。クラッシック愛好者のみならず、世間一般の人たちに広く認知されているといった抜群の知名度が、彼の実力と人気を如実に物語っているといえるでしょう。
一例を挙げると、クラッシック畑で活動しているピアニストが、フジロックフェスティバルで、ソロでピアノ演奏を披露して会場を沸かせてしまうなんて前代未聞の出来事です。
弾いたのはショパンの「英雄ポロネーズ」。
ロックを聴きに集まっている若者たちを前にしてクラッシックを、それも、当日、どんなお天気になるか予測不能な《野外の特設会場》で演奏するなんて、普通のピアニストならば挑戦しようという気持ちさえ起きません。
そもそもオファーがあっても「冗談ですか??」と笑い飛ばすか、場合によっては気分を害してしまうかもしれません。なぜならば
完全に場違いだと思うから
だけど、かてぃんさんの頭の中には、そんなちっぽけな境界線など一切ありません。彼のピアノに賭ける心意気そのものが、常識を打ち砕くROCKなのです。
なんでも貪欲に挑戦して、楽しんじゃう!
こんな型破りで、桁違いのスケールを持つピアニストって、今までこの世に存在したでしょうか?
海外でひっぱりだこなのも頷けますよね。
昨日のコンサートでは、かてぃんさんの代表的オリジナル曲である「大猫のワルツ」の演奏や、YouTubeでも大人気の「きらきら星」の演奏もありました。(3回目のアンコールに応えて)
1曲の中で、クラッシックあり、ジャズあり、ロックありの、まさにピアノの万華鏡。
ノリに乗って即興で「弾きまくる」姿を見て改めて
こんなすごい人がでてきたんだ
と、感動で何度も涙ぐんでしまいました。
かつて、音楽を志す人たち、特にクラッシックの世界の人は、子どもの時から「他のやりたいことを我慢したり犠牲にして”打ち込んで”いかないと一人前にはなれない」と言われ、それが当たり前だと疑うことなく「純粋培養」で育ってきました。
努力を重ねて血の滲むような努力をしても、この世界で認められ、食べていくことができる幸運をつかめる人たちは、ほんの一握りです。
ピアニストを自称しても、生活が成り立たないから、仕方なく教える仕事をしている
そんな人たちが、私たちピアノ指導の世界にも無数に紛れ込んでいるのが今の現状です。
いわゆる「つぶしがきかない」のも特徴ですが
夢破れて他の仕事に就こうとしても、「ピアノだけに賭けて生きてきた私たち」は、世間で揉まれた経験も浅いため、とかく常識に疎くなりがちで
感性を研ぎ澄ますことを最優先に生きていた芸術肌ゆえ、一風変わった人も多く、時に変なプライドが邪魔をして集団にうまく馴染めなかったりもします。
人知れず挫折感や苦悩を心の内に抱えながら、それでも一縷の望みに賭けて生きている「かつてのお弟子仲間たち」の話を耳にするたびに、いつか彼らに音楽の神様が微笑む日が来るようにと何度願ったことでしょう。
しかし、そんな時代は、もはや過去のものになったんだと、私は昨日のコンサートでのかてぃんさんの晴れ姿を見て強く実感しました。
生きる道を一つに決める必要なんてない。
10年ほど前から私は指導の場で常に強く意識していることがあります。それは
ピアノを習ったことが、生徒さんの将来に価値をもたらすレッスンをすること
きっかけは、ある生徒さんが七夕の短冊に書いていたメッセージでした。
「大きくなったら”かんごふさん”になりたいです」
お母さんが舞台裏をポツリ。。。
「本当はピアニストになりたいらしいんですけれど」
「せんせ、やっばりピアノだけだと食べていけないですもんね」
私はその言葉を聞いてたまらなくなり
「お母さん、一つに決める必要なんてないですよ」
「ピアノもプロ、看護婦さんとしてもプロって、カッコいいと思いませんか?」
「患者さんたちの気持ちに音で寄り添ってくれる看護婦さんがここにはいるって評判になって、病院の評価を上げることに貢献できるかもしれないじゃないですか!」
「職業を一つに決める必要なんてない」
「むしろ色々できていた方が有利」
「〇〇ちゃんが大人になる頃は、そんな時代になっていると私は思いますよ」
そう力を込めて一気に語ってしまいました。心からそう思ったからです。理想論なのかもしれないけれど。
そんな子どもたちを育てるのが私の夢でもあります。
お母さんが真剣な眼差しでうなづいてくださっていたことを、私は今もよく覚えています。
当ピアノ教室では中学、高校、大学受験を間近に控えた時期でも、お勉強とピアノのバランスをうまくとりながら両立させている生徒さんが歴代何人もおられます。
学業に専念するにはピアノをやめないと無理
決してそんなことはないのです。要はやり方次第、発想を転換すればいいだけなのです。
せっかくピアノを習っているのに「うちは将来音楽に進ませるつもりはありません」
なんて決めつける必要なんてないと思いませんか? なぜなら
AIの発展で、将来淘汰される仕事が増える一方で、音楽業界でも、いまはまだ存在していない仕事が今後生まれて、働く選択肢が増える可能性が大いにあるからです。
未来のことは誰にもわかりませんが、備えておくことで心にゆとりができます。
かてぃんさんは音楽の専門の学校を卒業したのではなく、世間一般で「秀才」が入る大学として名の通っている大学に進まれましたが、その間もピアノと距離を開けることなく、うまくバランスをとりながら学業と音楽を両立されてきて現在の姿があります。
彼は、ピアノ以外の道でも生きることを選択する自由を、すでに自分の実力で勝ち取っています。
これはすごいことなのですよ。
その勝因は
余計な固定概念に囚われない柔軟な発想
にあったと私は思っています。
どれかを取ればどれかを捨てなければならない
どれかに集中しなければ全てが中途半端で終わり、全て役に立たなくなる
果たして本当にそうでしょうか?
確かに、昭和の時代はそれが「安全」であり「普通」だったかもしれませんが、今は違います。
これからの将来はきっと、さまざまなな場面でのボーダーレス化がさらに加速して、生き方の多様化も進んでいくことでしょう。
時代が移り変わり、世間の常識や価値観が急激に変わっているのに、古い考えにしがみついて意識のアップデートをせずにいたら、子どもたちはせっかくのチャンスをみすみす逃してしまい、生き方を狭めることになってしまいます。
かてぃんさんは、これからも、自らが奏でる音楽のみならず、生き方そのものもボーダーレスであり続け、新時代を生きる若者の先駆者となって、多くの人たちの憧れであり続けることでしょう。
彼のピアノ演奏は、私がピアノ指導者として長年夢見ている世界が現実になることを予感させてくれるロマンに満ち溢れていました。
「ハイブリッドなピアニスト」かてぃんさん、シンガポールデビュー大成功、おめでとうございます。
同じ時代に、共にピアノの世界で生きていることに静かな感動を噛み締めています。
大変素晴らしいコンサートでした。
どうもありがとう!!!!!!
どうぞこれからも健やかに。さらなるご活躍を心より願っています。
初めてのシンガホールはいかがでしたか?
またいらしてくださいね、お待ちしてます♬
コンサート終了後、すぐに帰ってしまうのがもったいなくて…..余韻に浸りながら、ゆっくりとシティホールまで歩きました。
満月がきれいな夜でしたよ。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。