こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子（つかごし のりこ）です。
1992年来星。シンガポールPR（永住権）保有者。
シンガポールで1番長い指導歴の、日本人のピアノの先生です。
シンガポールは日本とピアノ教室の事情が異なり、法律により、講師の自宅でお教室を開講することは認められていません。
当ピアノ教室は、シンガポール政府の定めた法律を遵守した、講師が生徒さんのお宅に出向いてレッスンを行う、出張ピアノ教室です。
Q&Aシリーズ⑩
先生のお宅でのレッスンはありますか？
講師 塚越 則子（つかごし のりこ）は、ヤマハ認定グレードにおいて、ピアノ、エレクトーンの演奏、指導共に最高位のグレードを保持する指導者であり、鍵盤楽器演奏のエキスパートです。
3月は、出会いと別れのシーズンです。今年は新型コロナ肺炎の影響もあり、例年よりも多くの日本人の方々がシンガポールを離れるようです。
聞くところによると、小学校のクラスの中に、最低1人、2人は日本に本帰国の児童がいるとか。
当ピアノ教室でピアノを習っている生徒さんの数は、小学校の1クラスの児童数よりも遥かに多いので、今年の春は、いつもよりもたくさんのお別れが重なることを、心の片隅で覚悟していましたが
実際蓋を開けてみると、ありがたいことに、春に本帰国になったのは、お一人でした。
といっても、さびしさが減った訳ではありません。。。
数日前、私は、本帰国を間近に控えた生徒さんとの、シンガポールで最後のレッスンを終えました。依然、心には埋められない穴が、ポッカリと空いたままです。
今日は、日本への帰国が決まった「ユアちゃん」のシンガポールでの最後のピアノレッスンでの演奏を、インタビューを交えながらご紹介します。その前に、この一年を少し振り返ってみたいと思います。
ピアノが娘のオアシスになっているのならば、見守っていきたい。
本帰国が決まってから、ユアちゃん、お母さん、私の3人は、シンガポールでの最後のピアノレッスンの日の「美しい幕引き」を思い描きながら、心を一つにしてきました。
シンガポールのピアノレッスン最終日まで秒読み段階に入った数週間前のレッスンでは、ユアちゃんが、今年の目標に掲げていた「カッコいい曲を弾く」ことに挑戦した、この1ヶ月ほどの成果が、すでに現れていました。
シンガポールの出張ピアノ教室/レッスン1年2ヶ月7歳女の子、憧れの「アラベスク」練習中♬
ユアちゃんのお母さんは、ピアノ経験者で、ご自身も時々ドビュッシーなどを弾いておられるようです。
娘がピアノレッスンを始めて、どのように母親としてサポートをしていくのが、娘にとって一番いいのか、いつも真剣に考えて、その時にできる最善を尽くす姿勢は、世界が震撼した2020年でも揺るぐことはありませんでした。
一見些細なことのように思えること、、、例えば指使いやメロディのフレージングなども、その都度、練習動画を添えて確認してくださったおかげで「足並みを揃えて」進むことができました。娘さんの音楽教育に関しての一切を信頼して委ねてくださったことを、指導者として心より感謝します。
ユアちゃんは、お友達の家に遊びに行って、ピアノがあると演奏を披露することもたびたびあったようで
「すごく上手だね」
「弾き方が全然違うよね」
とびっくりされることが多かったと言います。いつもそばに寄り添い、根気強く見守りながら、心からの応援を欠かさなかったお母さんの存在があったからこそですね。素晴らしいです!
当ブログでも、豊かな表情に溢れるユアちゃんの演奏を何度かご紹介しています♬
シンガポールのピアノ教室/ハロウィン2020(ピアノ歴10ヶ月7歳ギロックの演奏動画あり)
シンガポールのピアノ教室/【弾き初めチャレンジ2021】第6日目(ピアノ歴1年7歳女の子)
ユアちゃんは、シンガポールが「サーキットブレイカー」の期間中、頻繁にピアノの部屋に1人で行って、ピアノを弾いていたそうです。
「ピアノが今、ユアちゃんのオアシスになっているのですね」
思ったままを伝えた私の言葉は、思いの外、ユアちゃんのお母さんの心に響いたようで、自信に満ちた答えが返ってきたことを、私はよく覚えています。
「ピアノが娘のオアシスになっているのであれば、このまま見守っていきたいと思います。」
日本でもオンラインでよろしくお願いします!
最後の日のレッスンは、いつものように笑いに満ちた楽しい時間でした。
しかし玄関に向かうとき、ユアちゃんが声を上げて号泣したのを合図に、大人2人の涙腺は、一気に崩壊。。。
私には、泣きそうだったから言えずにいた言葉がありましたが、泣いてしまったので、もう我慢する必要はないと、思いを一気に伝えました。
「お母さん、いつも頑張っているから。だけど無理しないで。自分のことも大切にしてね」
頷くだけで言葉にならないお母さんをフォローするように、キリッとした眼差しで何回も何回も繰り返し
「先生、日本でもオンラインでよろしくお願いします」
と言いながら何度も深く頭を下げていたユアちゃん。
その健気な姿を思い出すたびに、今も寂しさで胸が締め付けられるようです。
これから私たちは、日本とシンガポールに離れて、新しい関係になりますが、明日がどうなるかわからない、未曾有の経験で不安の日々にあった時も、オンラインのピアノレッスンでお互いに支え合った「歴史」があります。だから大丈夫♬
ユアちゃん！たくさんの楽しい思い出を、ありがとう。これからも、則子せんせーは、いつも一緒にいるからね。
今までと同じように、ピアノを弾くユアちゃんの周りに、たくさんの幸せが舞い込むように、全力でがんばるよ。これからもよろしくね♡
