こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室 fairy wish creation
講師の 塚越 則子(つかごし のりこ)です。
本日も昨日に続き、発表会についての話題です。
📌昨日の記事はこちら。
今日は《ピアノの発表会のリハーサル》についてじっくり考察してみたいと思います。
少々踏み込んだ内容となりますが、興味のある方はお付き合いください😊
まず結論から申し上げましょう。
発表会とは別の日に、リハーサルの日程を組む必要はありますか?
これに関しての私の個人的な見解は
全く必要なし
です。根拠はいろいろありますが
そもそも前提として、シンガポールの場合、発表会用のホールを借り切る際の費用が、日本とは比較にならないほど高額だという現状を、皆さんご存知ですか?
別の日にリハーサルをするということは、その分の会費も余分に多く納めていただくことを意味します。そうしなければ採算が合わないからです。
発表会の出演費には会場費以外にもその他、諸々の諸経費が含まれ、それらは日本よりも当然割高です。
気になるのは費用の面だけではありません。
シンガポールに住む日本人の子どもたちは、日本に住んでいたらおそらく習わないであろうお稽古ごとをしており、過密スケジュールの傾向があります。
◉スイミング
◉テニス
◉バスケットボール
◉ヨガ
これらは、住んでいるコンドミニアムにコーチやインストラクターが来てくれる環境だから習っている、いわば【期間限定】のお稽古ごとであることがほとんど。
とにかく、シンガポールの日本人の子どもたちは想像以上に忙しい毎日を過ごしながら、日々、さまざまなタスクをこなしているわけです。
朝だって早いしね😆
これらはほんの一例に過ぎませんが、日本とは状況や環境が異なるシンガポールでの暮らしぶりや、お稽古事情を踏まえた上で総合的に考えたときに
あえて経済的、時間的、精神的負担を強いてまで、別の日にリハーサルを実施する教育的価値があるかというと
NO!
だと、私は自信をもって断言できます。
ここだけの話、30年以上、シンガポールで、この道一筋で生きていると、いろいろなお声も耳にしますので、それら「現場のナマの声」が、最終決定の決め手となることも多いです。
シンガポールで本番を想定したゲネプロ(観客なしで本番同様の進行で行う最終リハーサルを指す業界用語)が必要なのは、バレエやチアなどグループでのパフォーマンスや、凝った照明などの演出が必要な場合に限定されるというのが長年の指導経験から導いた結論です。
ピアノの発表会は基本的にソロの演奏ですし、ステージでの振る舞いや手順、マナーなどは、あらかじめ普段から指導を徹底して、綿密にシミュレーションしておけばよいのです。そしてさらに言うならば
本番でのさまざまな事態を想定して、何があっても臨機応変に順応できる柔軟性と適応能力を、生徒さんではなく指導者自身が身につけて、常にフットワークを軽く保ち、万が一に備え、弛まぬ努力を継続していけば、それでよいのです。
いかがでしょう。
それでもまだ、ピアノの発表会の前には、事前の別の日にリハーサルが必要だ、リハーサルをした方がいいとお感じになりますか?
実はね、日本では、ピアノの発表会のリハーサルの実施について、保護者の方々はどんなふうに感じているのかしらと思って、今回少し調べてみたんです。そうしたら
驚愕の事実が判明しました!なんと
女性たちが、お悩みについて本音を語り合う「発言小町」というサイトにたどり着き、読んでみると、そこには子どもにピアノを習わせているお母さんたちの
苦情、批判がビッシリと書き込まれていたのです。まぁ要するに
プロにするわけでもないのに、たかだか発表会のために、リハーサル、本番と、2回も週末を使うなんて迷惑極まりない
というわけです。
リハーサルを別日に設けているピアノ教室の講師の方々は、それぞれ時間の工面に苦労されているのだと思いますし、ご自身がこどもの頃にリハーサルを経験したので、それをそのまま当たり前のごとく継承することに何の疑問も感じていないに過ぎません。
もしくは、一部の熱心な講師は、確固とした主張がおありで我が道を貫いているのでしょう。
でも実際蓋を開けてみると、その熱意はお相手には届かず、虚しく宙に浮いているという現状が、図らずも浮き彫りになりました。
良かれと思ってしたことが裏目にでる
単なるひとりよがり
これは世間によくあることですが、なんだかんだ理屈をいえども、本音の部分をはっきりと申し上げるならば、リハーサルは生徒さんたちのために、というよりも
本番を時間通りに円滑に進めたい運営サイドの不安解消かのためという理由は否めません。
今どきの賢いママたちがその根幹を鋭く見抜き、相手に直接言えない不満をネットのコミュニティにぶちまけ、そこで共感し合った同士で話が盛り上がり、エスカレートして激しいパッシングに発展しても、ある意味、いたし方ないのかなぁと…こわいですけれどね。
ところで話は少し飛びますが、みなさんは、発表会で演奏する1番のメリットとは何だと感じますか?
もし
大勢の人を前にして自分の演奏を聴いてもらうこと
と即座に思い浮かんだならば…
実はちょっぴり、その思考は
時代遅れ
ですので、アップデートした方が良いでしょう。なぜなら
今どきはストリートピアノもあり、YouTubeもあり
自分の演奏を不特定多数の人に聴いてもらう方法は多種多様で、発表会に限ったことではないからです。
ピアノ指導者として私が、令和の時代のピアノ発表会で生徒さんたちにぜひ身につけてほしい力を挙げるとするならば
①ここ1番のときに、本来の力をだせること
②決めたことは最後までやり抜くこと
です。
欲を言えば
「ここ1番のときに、本来の力を出せること」には
どんな状況でも✨
という但し書きを加えたいところです。
社会に出ると、何かに取り組むとき、条件が全て完璧に揃っていることなんて、まずありません。
決まっていることが覆されることだってよくあること。でも
いちいちそれらを理由に「ちゃぶ台返し」をして逆ギレしたり、尻尾を巻いて逃げていたら、お話になりません。
私たちは新型コロナ肺炎の出現で、「あたりまえ」がいとも簡単に崩壊し、想定外の事態に突然巻き込まれたり、予期せぬ不都合に直面するという経験をイヤというほど味わったはず。ですから
💎ピンチでさえもチャンスに変わる可能性を秘めている、だから
💎目の前の事象をどうとらえるかは自分次第であり
💎ハプニングでさえも、強力な武器にできるのだ!
これからの時代には、そんなおおらかな思考と大胆な行動力、発想の転換が、必ずや役に立つと確信しています。ですから
発表会も予定調和なんてつまらない😆
というわけで(笑)
当ピアノ教室の発表会では、今年もフィナーレに、奇想天外のあっと驚くサプライズをご用意して、みなさまのお越しを楽しみにお待ちしています。
途中からのご入場も可能ですよ。
ぜひ観にきてくださいね💕
どこよりも手厚く、きめ細やかなピアノ指導で、シンガポール在住日本人ご家族との信頼の絆を築いて33年。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
指導方針