こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室 fairy wish creation
講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
突然のひそひそ話、そして…。
先日のAちゃん(6歳)の出張レッスンでのこと。
チャイムを押して玄関の扉が開いた途端、Aちゃんがにじり寄ってきました。
どうしたのかしら?と思っていると
「せんせ、あのね」
「すごーくすごーく」
「いっぱい弾いちゃった‼️」
と、ひそひそ話。
テキストを見てビックリしました😳
そもそも「5回練習しようか」って2人で決めたのは先々週のことですし…
お約束が違うんですけどー😆
でも、こういうの大歓迎💕
Aちゃんいわく
この曲、だいすきだから、いっぱい弾いちゃった
のだそう。
びっしりと並んだ星やハートの数は、弾いた数です。
たった1週間の間に、こんなに弾き込んでくれたなんて嬉しいですね。
ピアノさんもきっと喜んでいるに違いありません。
好きな曲に出会えてよかったね💕
きれいな花を咲かせる土になりたい。
指導者として、いつもそう思いながら子どもたちに接しています。
先ほども申し上げましたが、Aちゃんは、この曲をすでに合格しており、次の新しいテキストに進んでいます。
でも、時々、こうやって前に弾いた曲をレッスンのときに思い出したように弾くことがあります。
ドレミで歌いながら弾いたり
目を閉じてうっとりしながら弾くことも。
そんなときのAちゃんは、とても得意気な表情で、見ているこちらも幸せな気持ちで満たされます。
当然のことですが、たくさん弾けば、その分だけ上手くなります。
ピアノの手の動かし方を身体が自然に覚え、慣れていくのです。そうすると
弾くことが楽しくなります。
もっともっと弾きたくなります。
だから上手くなります。
新しいことや難しいことに挑戦する勇気や意欲も芽生えます。
ですから、ピアノに限らずなんでもそうですが、物事を習得するために反復練習は欠かせません。
技術面、心理面の両方の側面から、そこには深い意味が隠されているんですね。
ちょっと待って!その声かけ。
ご家庭での練習のとき、すでに合格した曲を弾いているお子さんに対して
「宿題はいいの?」
「新しい曲の方を練習したら?」
と声をかけていませんか?
前に弾いた曲を、いくら弾いたって実力はつかない。
新しい曲をやらなければ
↓
上達しない
↓
せっかく習ってるのに…それじゃあもったいない
そんなふうに決めつけていませんか?
はっきり申し上げて、その考えは正しくありません。
それだけではありません。その思考は、お子さんにとって酷なのですよ。
幼い心は傷ついています。
みなさんは、前の曲を熱心に弾きたがるお子さんの心の内側をリアルに想像したことがあるでしょうか?
前にならって合格した
得意な
好きな曲を弾くのはピアノを弾くことが好きな何よりの証拠であり
弾けるようになった喜びを意味します。
嬉しくてたまらないんですよ、自分の力で弾けるようになったことが。
満足感に浸っている状態です。ですから
うまくなってほしいなら
新しい課題に取り組んでほしいなら
一見遠回りのように感じるかもしれませんが、まずは、その心地よさを存分に味わわせてあげてください。本人が納得するまで、気の済むまで好きに弾かせてあげましょう。
そして、ここも、とっても大切なのですが
今までの歴史を振り返り【ここまでできるようになった】ことをお子さんと一緒に、心の底から、本気で喜んでください。
初めてのレッスン。
初めての合格。
初めての両手。
どんな気持ちでしたか?
その瞬間の感動を鮮明に思い出すことができますか?
私は、これまでに何百人もの生徒さんを育ててきましたが、一人一人との最初の出会いの時の、心が浮き立つような感情や、ちっちゃな手の柔らかな感触を全て覚えています。これからもずっと忘れることはないでしょう。
指導者にとって「宿題を、なかなかやらない」ことは「生徒さんあるある」の一つであり決して珍しいことではありません。
いろいろなケースがあるため、簡単に言葉で説明し切れるものではありませんが、そもそも、上達のためにどうしていくべきか。
その都度、最適な対処を導き出し、実行していくのは指導者が立ち向かう重要課題であり、プロの技を駆使する領域です。
きちんと練習しているかいないか、音を聞けばすぐにわかりますので、おうちの方からの説明もいりません。
みなさん、山登りをイメージしてみてください。
途中まで登ってきて、飲み物を飲んだり、お菓子を食べたりして、まわりの景色を眺めながら、ひと休みする時間は至福のひとときではありませんか?
こんなに高いところまで自分の足で登って来たんだなぁ✨
と実感するから
さぁ、もっとがんばろう
自分にはもっとできる
というパワーや自信が湧き上がってくるのです。
それなのに
まだまだじゃない! さぁ、周りの景色なんて見てないで、とにかく頂上を目指して歩きましょう!
とばかり前へ前へ、高く高くと子どもの手を引っ張るようにして、登山のノウハウの知識もないまま、ただ闇雲に、眉間にシワを寄せて歩き続けたとしたら…
幼い子どもは、そこに心の価値を見いだすでしょうか。
大人にとっても同じです。情緒も何もあったものではありません。
山道では、適切な休息を取らなければ命の危険も伴いますしね。
これでは、まるで武者修行です💦
時には途中で止まったり、脇見をしたり
足元の植物や昆虫を観察したり
写真やビデオを撮ったり
そんな、なごやかな時間も全部ひっくるめて頂上を目指すのが【登山】なのではないでしょうか。
ピアノのお稽古も一緒です。
できるだけ早く前に進めないと、やってる意味がない
せっかく習ってるのに
そんな無味乾燥で偏った考えは、則子せんせーのレッスンでは、どうか捨て去ってください。なぜなら
当ピアノ教室のレッスンは、ピアノを学ぶことを通じて心を磨くレッスンだからです。
真剣に取り組むことがピアノの上達には必要不可欠ですが、「真剣」と「深刻」は違います。
その知識もないままに混同すると、いつか必ず失敗します。
厳しい指摘になりますが、導入期のピアノレッスンが軌道に乗らずに挫折してしまう大きな原因のひとつに
おうちの人が、子どもが成長の過程で必ず経験する「あるある」を「つまづき」だと誤解して、独りで思い悩んだ結果、我慢ができなくなり、早急に極論を導き出して自爆し、逃げ出すパターンがあります。
「前に習った曲ばっかり何回も弾いてるんです」
「いくら言っても、好きな曲の探り弾きをやめないんです」
「宿題を弾くのを嫌がるんです」
そんなお悩みに対して
「大丈夫ですよ。よくあることです。まずは好きなように弾かせてあげてください」
「それも大切な練習ですから長い目で見守りましょう」
と再三申し上げても、その言葉を単なる慰めと感じるのか
「そうですか、でも……」
と、釈然としない表情をなさる方には、結局、どんなアドバイスも心に響かないなぁ(涙) というのが正直な実感です。
救ってあげたくても、お望みを叶えてあげることができません。
とても難しいけれど….どーんと構えて、未来の可能性を信じて成長を待てる親になりたいですね。Aちゃんのご両親のように。
繰り返し申し上げますが、一人一人の成長の過程をつぶさに観察しながら、責任を持って適切なタイミングでアクセルを踏んだりブレーキをかけるのは、指導者の役割のひとつです。
則子せんせーは、ピアノ指導のプロですので、その辺りのさじ加減をよーく心得ています。
紆余曲折を経ながら、この道一筋で30年以上、ノンストップで突き進んできました。たくさんの経験から多くのことを学び、ピアノ指導に活かすべく日々研鑽を積んでいます。
おうちの方の気がつかない、思いもよらない視点から、子どもたちを輝かせるアイデアをたくさん持っていますよ。
ピアノレッスンを通じて、我が子の成長の手ごたえを強く実感していただくことをお約束します。
やっぱり他とは全然違う!
そんな励みになるお声をたくさんいただいています。
どこよりも手厚く、きめ細やかなピアノ指導で、シンガポールの駐在員日本人ご家族との信頼の絆を築いて32年。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
指導方針