こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室 fairy wish creation
講師の 塚越 則子です。
今日は、音楽豆知識【上級編】です。
デクレッシェンドとディミヌエンドは、同じですか?
昨日、Rちゃん(小学5年生)から、こんな質問がきました。
みなさんは、この2つの違いについて考えたことがありますか?
これらは、いずれも「だんだん弱く」という意味です。
では、なぜ2つの呼び名があるのでしょう?
この2つは、何が違うのでしょうか?
デクレシェンドは、クレシェンドの語源である「Crescere」(成長する・増加する)に反対の接頭語「de」がついたもの。
それに対して、ディミヌエンドの語源は「Diminuire」(減少する)。対義語は「Aumentare」です。
「Crescere」は、”子供が大きくなった”
「Diminuire」は、”体重が減った”
などという時に使います。
体重が増えたときに「Crescere」は使いません。
つまり、「Diminuire」と「Crescere」は対にはならないんですね。
💎「Crescere」と「Decrescere」は伸び・縮み(高さ)
💎「Aumentare」と「Diminuire」は膨張・縮小(ボリューム)を表します。
しかし楽譜上でそんな風にデクレシェンドとディミヌエンドが使い分けられているかというと、実はそうでもありません。
「decrescere」というイタリア語はあまり一般的な言葉ではないので、イタリアではディミヌエンドの方が主流なのだそうです。
たしかに楽譜を見ていると、「decresc.」と文字で表記されてることは殆どなく、たいていは「dim.」か、記号ですよね。
日本では、クレシェンドとデクレシェンドをペアにした方が分かりやすいという理由から、文部科学省がデクレシェンドの方を教育用音楽用語に指定したため、デクレシェンドという呼び方が広く使われており、教科書にも、そう書いてあります。
とはいえ、上級者の中にはデクレッシェンドとディミヌエンドの違いを理解し、明確に区別して演奏している人もいるため、単純に「同じ意味」とひとくくりにはできません。
そう、これらは一人一人の感性に委ねられた、とても繊細な領域に存在しているのです。
デクレシェンドとディミヌエンドは、同じようでいて厳密には違うということが、お分かりいただけましたでしょうか。
今回質問をくれたRちゃんは、当ピアノ教室に移ってきて3年目を迎え、最近表現の幅も広がり、音への向き合い方に変化が見られるようになりました。
リトルピアニストとしての自覚が芽生えてきたようで、日々の練習にも熱心に取り組んでいます。
発表会の演奏が楽しみです⭐️
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どこよりも手厚く、きめ細やかなピアノ指導で、シンガポールの駐在員日本人ご家族との信頼の絆を築いて32年。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。