こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
今日は、ピアノの話から少し離れて、シンガポールでの暮らしについてのお話です。
今年の6月、私はシンガポール生活30年目の節目を迎えました。
日本よりもシンガポールで暮らした月日の方が長くなって数年が経ちます。
昨日の出張レッスン先では、在星歴が20年の生徒さんのお母さんと、ひょんなことから、昔のシンガポールについての話になり、大いに盛り上がりました♬
話は自然と物価の話に・・・
「コピ(コーヒーショップで売られている、ミルクとお砂糖入りのコーヒー)が50セントだった時代が懐かしいです」
「そんな頃もありましたよね!」
「チキンライスは、どこでも大体1ドル50セントでした」
「そうそう」
そういえば私がシンガポールに住み始めた1990年代初頭は、まだGST(消費税)が導入される前でしたよ。
会話をしながら、私の頭の中には、その生徒さんが住んでいるコンドミニアムの場所に、地元の飲料メーカーの工場が立ち並んでいた頃の風景が浮かんでいました。
同時、出張レッスンは徒歩圏内で回れる地域ばかりでした。駐在員ご家族の日本人が住んでいるエリアはオーチャード、ニュートンのあたりに限定されていたからです。
今とは出張レッスンの環境も全く違っていましたよ。
とにかく安全第一で、健康に。
「海外安全情報」のスローガンではありませんが
自分の身は自分で守る
これは、シンガポールに限らず海外での生活では鉄則だというのが私の考えです。
そのために必要不可欠なのは自立心だと思っています。
何かあったときに助けを求めることは大切ですが、誰かを頼ろうとする気持ちばかりが優ってしまうと、一刻を争う事態に間に合わないこともあると感じるからです。
予期しないことを目の前に、ただうろたえるばかりでは、大人として心許ない。自分よりも弱い人を守ることもできませんよね。
海外暮らしでも住み慣れて勝手がわかってくると、誰しも、つい油断をして気が大きくなりがちですが、つねに周りに注意を払い、「ここは外国。自分はここでは外国人なのだ」と自覚して過ごすことは、もはや当たり前の習慣でもあります。
シンガポールは罰則も厳しく、日本にはない法律も多々あるので、情報を十分に収集することなく、自分の知っている「あたりまえ」だけで生きていると思わぬしっぺ返しを受けてしまいます。
当ピアノ教室が自宅でレッスンを一切行わず、出張ピアノレッスンに徹しているのも、シンガポールならではの法律が関係していることも一因ですよ。
シンガポールで出張ピアノレッスンを継続する意味について考えてみました。
生徒さんのお宅に伺う出張ピアノレッスンでは移動がつきものですが
シンガボールは世界でも有数の治安が良く、安全な国ですので今まで大きな事故や事件に巻き込まれた経験はありません。しかし長年住んでいればヒヤッとする場面に遭遇することもまれにあります。
出張レッスン先のコンドミニアムでボヤが発生し、生徒さんをおぶって27階から階段を降りて避難をしたり、エレベーターの故障で30分以上中に閉じ込められたり…..
レッスンに徒歩で向かう途中、不審者を見つけて、急いで999通報したこともあります。
小学校高学年の生徒さんが、その道を通って塾通いをしていることを知っていたので、危険な目に合わせては大変だと咄嗟に判断したからです。
通報者は警察官が来るまでその場で待機する必要があるので、次のレッスンに少し支障が出てしまいましたが、駆けつけてきた警官は、私の拙い英語にも根気よく耳を傾け、親身になって説明を聞いてくれ、とても心強かったことを覚えています。同様の通報が数日前にもあったということでした。
予期しないことが起きたら、まず落ち着いて冷静になる。これは難しいことのようですが、たとえ思ったように完璧な行動をすることは無理だとしても
自分で何とか解決しよう
という強い意志を持つことで、自分を取り巻く世界は変わると思います。行動を起こして経験値を積むことは自信にもつながりますしね。
土壇場になると、誰しも人は不思議と力が湧いて知恵が働き、善処できるというのは、長年の海外暮らしの経験から得た教訓です。足がガクガク震えたり、心臓がバクバクしていても・・・何とかなるもんですよ(笑)
一方、一歩外に出たら、自分では「紛れている」つもりでも、やはりどこか何かが違うようで、「日本人」だとお相手は察していることが多いので
日本人として恥ずかしくない振る舞い
をすることも忘れません。シンガポールでは日本に対して、日本人に対して、良いイメージを持ち、友好的に接してくれる人が多いですからね。これはとてもありがたいことです。
健康への配慮で最も気をつけていることは「節度を保つ」こと。
あえていうまでもありませんが、普段から、無理のない範囲で身体のためにいい食事を選ぶことはもちろん、休息時間をきちんと確保することも大切にしています。
私の代わりにレッスンをしてくれる人はいないからです。
心も身体も健全でいなければ、いいレッスンもできません。これはプロとしてのたしなみの一つでもあります。
熱中すると、ついつい根を詰めてしまいがちで、疲れを心地よく感じて、知らず知らずのうちに無理をしてしまうことを自覚しているので、度を越さないように気をつけるようにしています。ピアノを練習するときにはタイマーを使っていますよ。
ときには意地悪な人もいるし、マウントもされるけれど。
はい。
これはどこの世界でも一緒でしょうね(笑) 実際あります。私も嫌な思いはそれなりにしてきました。
こちらがどんなに誠意を尽くしても、全く通じないお相手も残念ながらいることは確か。何かを勘違いしているような方も。。。だけどそんな時は
割り切る
忘れて流す
のが、秘訣でしょうか。何事に関しても、競いあったり争う事は嫌いです。自分を落としてしまうことに繋がるし、粗野な感情は、ピアノの音に透けてしまうからです。
決めていることは3つ。
①人の悪口や噂話に乗らないこと
②どんな時も礼儀正しく接すること
③心を乱そうとしてくる人にはハッキリと不快感を示すこと
この3つに徹していれば、相容れない感情を秘めた人たちとは、自然とご縁が離れていくような気がしています。
ちょっとした冗談として軽く話をしたとしても、相手が意を汲んでるとは限りません。
受け止め方は人によって千差万別で、シンガポールに住んでいる同じ日本人どうしでもバックグラウンドは様々。生き方、考え方も、みんな違います。
だからこそ、ビビビっと来る方々との出会いは一生ものの宝です。
今まで、多くのピアノが授けてくれた、そんな素晴らしい奇跡のような数々の出会いに助けられ、励まされ、前に進んでくることができました。
当ピアノ教室が開講したのは携帯電話もインターネットも、まだ世の中に普及していない時代です。
当時と今とでは出会いの形は大きく変化しましたが、これからも私の原動力は、生徒さん、保護者の方々との、人として血の通った触れ合いであることに変わりはありません。
同じ日本人として、異国の地であるシンガポールでお互いに出会うことができたのは、ピアノのおかげです。
殺伐としたニュースが世間を騒がせることが多い昨今ですが、これからもピアノを通して、1人でも多くの人に音楽の力を伝え、奏でる喜びを求めているみなさまのお役に立つことが私の使命と心得て、一緒に過ごすことができる限りある時間を慈しみながら丁寧に時を重ねていきたいと思います。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。