こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation
講師の塚越 則子です。
今日は、発表会のプログラムの順番についてのお話です。
当ピアノ教室では、毎年発表会を開催しています。
📌2019年以降の発表会の様子は、公式ホームページで、レポートとして年ごとにまとめています。
まず最初にお伝えしたいことがあります。
発表会の演奏順は、順位ではありません。
——29回目の発表会に込めた、fairy wish creationの願い——
今年、当ピアノ教室の発表会は、今年第29回を迎えます。
シンガポールにある日本人ピアノ教室の中で、最多の開催回数を誇るこの発表会は、単なる発表の場にとどまらず、一人ひとりの成長の記録であり
一人ひとりの学びの軌跡と、その瞬間の輝きを讃える、大切な「人生の節目」のひとつです。
数年前の、ある日のレッスンの場で
「〇〇ちゃんより順番が先になってもいいの?」
と、突然お子さんにプレッシャーをかけた保護者の方がおられました。
その声を聞いた瞬間、私は胸が締めつけられるような思いがして絶句してしまいました。
単なるアピールだったのかもしれませんが….
発表会の演奏順を「成績順」「実力順」と位置づけ、他のお子さんを引き合いに出して競争心をあおり、“やる気スイッチ”を入れようとする。
大変インパクトがあり、一見効果的に思えるその手法ですが、一歩間違えると、子どもの心を深く傷つけてしまいます。
厳しい指摘になりますが、このような短絡的、かつ親の一時的な感情由来の動機づけは、瞬間的に効果が見えることがあっても、やがて本人の自信や音楽への愛情を根底から揺るがし、必ずどこかで破綻すると断言します。
当ピアノ教室では、発表会の演奏順に「優劣」や「格付け」の意味を一切持たせていません。
普段のレッスンでも、生徒さん同士、きょうだい同士を比べたり競わせることはしません。
私自身、競争に価値を置く環境で育ってこなかったので、その発想自体を持ち合わせていませんし
必要性を感じないからというのが、その理由です。
発表会の演奏プログラムは、年齢や曲調、舞台進行のスムーズさなど、全体の構成を見て決定しています。
演奏の順番は、ステージ全体の調和を考えた“流れ”であり、誰かが上で、誰かが下、という意味ではありません。
ピアノは、「自分の音」を育てていく、時間の芸術。
他者との比較で動かされる音楽に本物の感動は宿りません。
発表会は、子どもたちがそれぞれの歩幅で歩んできた道のりを、お互いにたたえ合う場です。
焦らず、比べず、誇りを持って自分の音を堂々と奏でられること。
それこそが、未来の可能性を育てていく“本物の力”になります。
子どもは、周りの大人の思いに敏感です。
「あなたはあなたのままでいいんだよ」
と信じるまなざしが、一人ひとりのピアノへの取り組みを、人生の尊い財産へと変えていくのです。
29回という年月を重ねてこれたのは、一人ひとりの成長の物語に耳を傾ける姿勢を貫いてきたから。
どうか、今年の発表会も、その瞬間に紡ぎ出される、かけがえのない音の一つ一つにに想いを寄せてください。
心からの拍手と、あたたかなまなざしを
すべての演奏者たちへ✨
よろしくお願いいたします。
どこよりも手厚く、きめ細やかなピアノ指導で、シンガポール在住日本人ご家族との信頼の絆を築いて34年。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。