こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室 fairy wish creation
講師の 塚越 則子(つかごし のりこ)です。
ピアノの先生同士が集まり、発表会の話題になると 必ずといっていいほど話題に上るのは
「講師演奏」
についてでです。
私の周りの先生は必ずと言っていいほど演奏します。なぜなら
演奏の仕事の経験が豊富だから。
やっぱり音で、ダイレクトに思いを伝えたいんですよね。
ありきたりの演奏ではなく、一人ひとり趣向を凝らしているのも同じ。そう、みなさんと同じように則子先生たちも、見えないところで人知れず、あれこれ時間をやりくりしながら日々頑張っているのですよ。
その辺りの業界の内情も含め
今回はこの「講師演奏」について深掘りしてみたいと思います。
まず
みなさんは、指導者と一口に言っても、さまざまななレベルで、さまざまなバックグランドを持っている人たちがいることをご存知ですか?
シンガポールのピアノ教室事情ということに限定して目を向けると、シンガポールには、未経験だったり経験が浅い人がピアノの先生になるためのサポートを提供するビジネスが存在するせいか、日本よりも「先生業」に就くハードルが低いため、当地で指導者デビューする方もいます。
その影響もあるのか、発表会では演奏を披露しない方が結構いらっしゃるようです。
「教えるのが本職だから」
ということみたいですよ、なるほど…..
もし私が、発表会の講師演奏の必要性について問われたならば、現役のピアノ講師の立場から、おそらくこう答えるでしょう。
「演奏すべきだと思えばする 演奏すべきでない思えばしない」
そう、個人の判断の自由。とてもシンプルです。
ただ、私の気持ちのなかでは
「演奏させていただいている」
という気持ちが常に根底にあるということを、ここで改めて強調させてください。
その前提を踏まえて、講師演奏は「発表会」という会を「トータル」で考えた上で、その必要性を熟慮すべきものではないかというのが私の自論です。
ちなみに当ピアノ教室は毎年発表会を開催しており、毎回欠かさず講師演奏をしています。
コロナ禍で、規制により会場開催が叶わなかった2020年は、対面とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド発表会」を自ら考案し
💎一人一人の生徒さんのご自宅で
💎一人一人のイメージに合わせた曲を、その場で即興演奏しました。
合計30曲以上です。「こんなとき」だからこそ、シンガポールに住む日本人のピアノレッスン界を長年にわたりリードしてきた立場として「他では絶対に真似できないこと」をして「音楽の力を本気で示す」ことに価値があると感じたからです。
私が発表会で毎年講師演奏をしているのには、いくつかの理由があります。
💎生徒さんや保護者の皆さまに、演奏をお聴かせできる貴重な機会である
💎発表会の雰囲気を盛り上げたい
💎日頃の感謝の気持ちをお伝えしたい
他にもありますが、大まかにいうとこんな感じです。
この中でも私が一番重要視しているのは
日頃の感謝の気持ちをお伝えしたい
ということです。
いつも当ピアノ教室の運営や出張レッスンに多大なご理解とご協力をいただいている保護者のみなさまへのお礼。
生徒のみなさんには、いつもピアノを頑張ってくれていることへのお礼。
そうしたことをお伝えできるチャンスは、実はそれほど多くありません。
何より、ピアノ指導者であるならば、その感謝の気持ちを
演奏を通して伝えたい
それができてこそ本物という気持ちが強くあります。
さらに言うならば、先生が生徒に演奏を聴かせるのは
生きざまを見せること
に通じるのだということ。
どれだけ音楽に真剣に取り組み、人生をかけ、 情熱を持って音楽教育に携わっているか。
一つの音にこだわりを持つ意味、表現の幅など
ピアノという楽器がどれだけ可能性に満ちたものなのか。
音楽することの楽しさ、そして音楽が 人生にどれだけ彩りを与えてくれるものなのか。
今、みなさんがピアノを習っている「意味」とは何か。
その「価値」とは何か。
それを、じかに伝えたいのです。
「子どもは親の背中を見て育つ」と言います。
これも生きざまのことを指すのでしょう。
何かを教える人間であるならば
指導者としての背中を見せ続ける
この心意気を保つことが何よりも大切なのではないでしょうか。
最後に、裏話的なエピソードをひとつ。
講師演奏では「アラが目立たないような」「ミスがわかりにくいような」選曲をすると吹聴する人がいます。
そう。私たちはある意味「ツボ」を心得ているので、そういう視点からのアプローチだって、やろうとすればできちゃうんです。
でもね、私は思うのです。そういう
体裁を整えて
見栄を張る
打算的な思考の取り組みって、いつか必ず見透かされてしまうんじゃないかと。おそらく音楽に限ったことではなく、全てに通じるのではないかしら。
私は、自分の奏でる音楽に「よこしまな考え」を持ち込みこむのはイヤですね。失礼極まりないですもの。
「よこしま」とは、心が正しくないこと、道を外れたことを企てる心などを表す言い回しです。
これまで育ててくださった先生方や引き立ててくださった方々があるから今のわたしがある
たくさんの方々に支えていただいたからこそ、順調にここまで来ることができている
そのご恩を、これからもずっと心に持ち続けていたいです。
今日はぐずついたお天気になりそうなので、出張レッスンの移動も普段より手間取りそうですが…覚悟して行ってまいります😃
どこよりも手厚く、きめ細やかなピアノ指導で、シンガポール在住日本人ご家族との信頼の絆を築いて33年。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
指導方針