こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
今日は、当ピアノ教室で最年長のピアノ男子、中学3年生のDくんの演奏をノーカットでお届けします。
先日のレッスンで、Dくんが私との約束を果たし、見事合格した曲は、湯山昭さんのピアノ曲集「お菓子の世界」の中に収められている「柿の種」です。頑張りましたね。
ピアノ経験者の中には、このピエロの表紙を見て懐かしく思う方も多いのではないでしょうか。
「お菓子の世界」は、1973年に出版されて以来、日本のピアノ作品集の中では他に類を見ないほどの大人気ロングセラーとなった、まさに日本のピアノ教育界を代表する作品集です。
発表会などで取り上げられる先生方も多く、子どもから大人まで熱烈なファンも多いですね。
「お菓子の世界」の誕生のきっかけは、1971年に放映されたNHKの「ピアノのおけいこ」という番組です。
収録のために最初の曲「お菓子のベルト・コンベヤー」が作曲され、翌々年1973年に全音楽譜出版社の委嘱によって続く25曲が作曲されました。
湯山昭さんのピアノ作品は、国内の有名コンクールの課題曲に選ばれるような、高度な演奏技術や表現力を必要とする曲が多いのですが、合唱曲や童謡も数多く作曲されています。
みなさんよくご存じの「あめふりくまのこ」も、湯山昭さんの作品ですよ。
♪おやまに あめが ふりました
あとから あとから ふってきて ♪
「あめふりくまのこ」の作詞は鶴見正夫さんです。
私が大好きな箇所は、小川を覗いて、魚がいないことがわかり、手で水をすくって飲んだあとの部分。
♪それでも どこかに いるようで
もいちど のぞいて みてました さかなを まちまち みてました♪
雨宿りをしている「くまのこ」の、のんびりとした情景が、なんとも愛らしく描かれていますが、この世界観にピッタリあったメロディを作曲したのが湯山昭さんなのです。
「お菓子の世界」も、ピアノ曲でありながら歌詞が浮かんでくるような、わくわくする曲がたくさんありますよ。
今回、Dくんの演奏している「柿の種」は、テンポが揺れないように演奏し、鋭いスタッカート、テヌート、アクセントなどのアーティキュレーションを几帳面に表現すると上手くいきます。
楽譜上の難易度はブルグミュラーあたりですが、実際のレベルはもっと上。弾きこなすのは難しく、かなりの練習量が必要です。
では、Dくんの演奏を聴いていただく前に、「お菓子の世界」の作風について少し触れてみましょう。
各曲には可愛らしいお菓子のタイトルが付けられ、日本風、ジャズ、フゲッタ、フランス風な印象を漂わせるなど曲風のスタイルが様々である。基本的には、各曲には調性は安定しているが、不協和音がしばしば出てくるなど、調性がはっきりしない楽曲もあり、最初から最後まで無調が続く楽曲も含まれる。また、序曲や間奏曲、そして終曲といった楽曲が挿入されているなど、ムソルグスキーの展覧会の絵の様式で構成されているのも特徴的である。Wikidedia より引用。
Dくんに「お菓子の世界」を勧めたのには「ねらい」があります。
曲想にあった演奏力や表現力を養い、基本的な指、腕、身体の使い方を確立させることに加え
湯山昭さんの作風のエッセンスを、自分のアレンジに活かして欲しい
Dくんは現在、大好きなケーム音楽のピアノアレンジに取り組んでいます。
初めて尽くしで、たくさんのことを学ぶ中で、少しずつ「自分の音」に目覚め、和音に対しての感性が高まり、演奏に深みが増してきたDくんです。
手厚くきめ細やかなピアノ指導で、シンガポールの駐在員日本人ご家族との信頼の絆を築いて30年。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。