こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
今日は、先日お話した、《中学1年生、ピアノレッスンから離れて3年、事情あり、単発レッスン受講》の生徒さんの、その後の様子をお伝えします。
前回の投稿はこちら。
さて、気になる進捗状況ですが、この2週間の間、単発レッスンで、2時間、1時間、1時間と計3回出張レッスンを実施し
全体の流れの説明→少しずつ区切って最初から音読み→ゆっくり片手ずつ練習→お手本動画を見て両手練習→ペダルの練習→エンディングの譜読み→お手本動画を見て練習(現在の宿題はここ!)まで到達することができました。
日を追うごとに着実に上達しています。驚くべき進歩です。
3年間、全くピアノに触れていなかったところからのスタートですよ、すごいと思いませんか? この成果は、ひとえに生徒さんの努力の賜物です。
レッスンの様子を聴いていた、別の部屋にいらしたお父さんから
「すごく上手になってビックリした」
とのお言葉もいただきました。よかったね、Rちゃん!先行きが明るく見通せるようになり、お母さんも笑顔いっぱいで喜びを隠しきれない様子。まだまだもっと上手になりますよ、お父さん、お母さん、期待してくださいね!
プロの手を上手に借りて最大限の実力を発揮させる。
今回、生徒さんが練習しているのは合唱のためのピアノ伴奏譜。所々、初心者には弾きこなすのが難しい、両手のタイミングがズレる動き(音楽用語でシンコペーションというリズムです)などがあったので、テンポに乗って弾きやすく、かつインパクトの強い弾き方にその場で変更しました。
譜面上はシンプルになったのに、簡単そうに聞こえないのがミソ。最大公約数を見つけ、映える仕上がりにできるのは、先生について作曲や編曲を教わって専門知識を学び、小学生時代から数々の音楽経験を積んできたからこそと、改めて諸先生方に感謝です。作曲の先生のレッスンは、飛び抜けて厳格でしたけれど….。
639年かけて演奏される曲?!ドイツの教会で7年ぶりに新しい和音。
意外と盲点ですが、合唱の伴奏譜はクラッシックのピアノ曲ではありませんので、ハーモニーのバランスや全体の演奏の仕上がりを考えながら、時にフレキシブルに楽譜にアレンジを加えてあげることも、大切な指導の一つです。最も優先すべきなのは譜面通りに弾くことではなく
本番で、どれだけ質の高い演奏ができるか
そのために「どの練習に」「どれだけ時間を割くのか」時間配分も大切です。レッスンができる時間はお互い限られていますからね。
今回のように、「いつまでに仕上げなくては」と期限が決まっている場合は、独学で挑戦するよりも、サクッとプロの手を借りて「うまいやり方に乗っかる」のが最高に賢いやり方です。なぜかというと
確実に結果を出す練習に特化できるから
「ものごとを極める」のに最も大切なのは、正しい努力を積み重ねるテクニックだと私は思います。ただ闇雲につき進んで、気迫や根性だけで乗り越えられるほど、どの世界も甘くはありません。
間違えた努力をしていたら望むような結果が伴わないことも勿論あるし、正解は状況によっても、一人一人によっても異なるというのが、ピアノ練習の実情でもあります。
しかし「努力はいつか必ず報われる」と信じ、自己流で意気揚々と挑戦してみたものの、やがて1人悩み、行き詰まって心折れた挙句、挫折する方のなんと多いことか。。。
何時間もかけて、繰り返し練習をすれば、それなりの満足感や達成感を得ることはできて「やった気分」に浸ることはできますが、だからといって、それが実際に上達に直結するかといえば、それはまた別の問題なのです。
これって勉強にも通じるところがあると思いませんか?
1人で参考書を読みあさって問題集を解きまくっても「見当違いの努力」を続けていたら、なかなか成果に結びつけることができません。だから、最速で最大の効果を得るために学習塾に通ったり家庭教師についてプロの知恵を拝借するのです。無駄な苦労をしない、時間を浪費しないために、その道の専門家を頼ることは恥ずかしいことでも手抜きでもないのです。
どんなことにも共通して言えるのは、限られた期間内で結果を出すためには、まず全体像を知り、効果的な攻略法を見出し、充分対策を練って、着実に攻めていくことが最強の方法だということ。
ただ時間をかけていても疲れるだけです。効率よく進めるには頭を使って考えることも要求されますし、行動力、持久力、集中力、判断力も求められます。
「独学でも自分が楽しかったらいい」
「どうせ人に聴かせるわけではないんだし、自分が楽しめれば、それでいい」
大人のピアノ愛好者には、このような考えの方が一定数おられることも事実です。
「今更、どんなにやったところでプロになれる訳ではないし、自分の楽しめる範囲で、自己流で弾いていけばいいんじゃない?」
といったニュアンスでしょうか。
ある意味、これは真理です。何故なら、「ピアノを弾くことは苦痛であってはならない」からです。まずは「弾いている自分が楽しむ」という事を考えないと、本当に良い演奏はできません。
とはいえ、自分の限界を自分の感情や目先の事象だけで決めつけたり、生き方自体のスケールを狭めてしまうのはもったいないと感じませんか?
実際、こんな奇跡のような例もあります。
シンガポールでも注目!佐賀の海苔漁師ピアニストの「ラ・カンパネラ」52歳で始めたピアノで奇跡が?!
プロを目指すわけではないまでも「とことん無心で何かに打ち込んでみる」その先に見えてくる世界が存在することを知るのは、一生のうちで決して無駄な経験ではないと私は思います。いいえ、むしろ「情熱を捧げられる対象に出会えた」ことは、生涯の財産となるのではないでしょうか。
趣味の定義は人それぞれですが「心を燃やす経験」を積み「自らを高め、成長していく」からこそ、もっと続けたい、もっと極めたい意欲が芽生え、自信が育ち、喜びが増幅していくのではないかと私は思います。
同じ時間を過ごすのならば、何かを得た手応えがほしいと思ってしまうのは欲張りでしょうか? 命の時間は誰しも有限だということを私は両親を相次いで空に見送った時、痛いほど感じて呆然としました。
当ピアノ教室の大人レッスン生で、幼い頃、いやいやながらピアノを習っていた苦い経験がありながらも、ピアノへの未練が断ち切れず、大人になってピアノを奏でる世界に舞い戻り、レッスンを再開された方が、決まって口にされる言葉があります。
レッスン特有の緊張感が心地よい
これにはご本人たちもビックリされるようです。
こんな感覚、初めて
しかし、これにはちゃんとした根拠があるのです。
1人で弾いている時に、いい加減にやり過ごしたり弾き飛ばしてしまう音の一つ一つも、ピアノ教室で先生の前だと疎かにすることはできません。
「聴かれている」「見られている」というプレッシャーは、激しい緊張感を生みますが、「逃れられない状況」に身を置くことで、誰しも本来の力が引き出され、知らず知らずのうちに苦手を克服できたり、腕に磨きがかかります。
そう、緊張感があるからこそ上達するのです!
当ピアノ教室では、曲の構造についてなども、生徒さんの興味や力量に応じて説明をし、的確なアドバイスやアプローチをします。
初心者であれば片手ずつ使って弾く練習をするとか、そもそも音符の読み方が分からない、という場合は、音階の仕組みから指導をスタートする時もあります。
レッスンは和やかなムードですが、生徒さん達はみんな真剣な目つきです。だからこそ毎回新しい気づきに出会うことができて、学ぶことの喜びを実感できるのでしょう。
生徒さん達とともに充実した時間を過ごせることは私にとって至上の喜びでもあります。
先生の本気度は、生徒さんに必ずいつか伝わると信じています。
来週からのRちゃんのレッスンは対面での時間が確保できないため、週末土曜日のオンラインレッスンになります。開始時間は夜の8時。
塾の宿題など「やらなければいけないこと」がたくさんあるのに、ピアノのために貴重な時間を割いてくれることに心から感謝します。
現在、当ピアノ教室の土曜日のレッスンは早朝から夕方までノンストップで続き、急いで帰宅したあとに遅いランチをとり、オンラインのレッスンの準備に入り、オンラインレッスンを開始。終了は7時30分です。
来週以降、Rちゃんのレッスンは、その後のお時間からのスタートとなるため決してラクなスケジュールではありませんが、Rちゃんが必死でがんばっているのだから私だって本気の意気込みを態度で示さなければ!
先生の「本気度」は「生徒さんに伝わり」「成果に結びつく」というのは私の自論でもあります。
先生だって本気でがんばっているんだ
そのことを生徒さんが心の底から実感できた時、演奏も劇的に変わる。
私はそんな瞬間に何度も立ち会ってきました。
本番で満足のいく演奏をめざして
Rちゃんの本番まで後2ヶ月ほど。願掛けのような日々はしばらく続きます。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。