こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation
講師の塚越 則子です。
今日は、当ピアノ教室に在籍しているお子さんの生徒さんの中で最年長である、高校2年生のDくんの、最新演奏をお届けいたします。
曲は先日のレッスンで合格した、湯山昭先生の「お菓子の世界」の中に収められている難曲「ドーナツ」です。
「お菓子の世界」の曲集に取り組み始めてから、自覚が徐々に芽生え、ピアノを弾くことの真の喜びに目覚め、技術力、表現力ともにメキメキと上達しているDくん。
Dくんが当ピアノ教室に入会されたのは2021年のこと。
シンガポールに来星し、私とご縁が繋がるまでに、シンガポール人お1人、日本人2人、計3人の講師とのレッスン歴がありました。
と聞くと
まるで選り好みをしているかのように誤解する方もおられるかも知れないので、Dくんご本人、並びにご家族の名誉のために
決して、そうではなく、やんごとない理由が背景に存在していたことを、ここで声を大にして強調いたします。(個人情報に抵触するため詳細は省きますことをお許しください)
体験レッスンで、お母様から、これまでのレッスンの状況や内容、ここに至るまでの経緯、ご家族の苦悩を聞いて、思わず絶句してしまった私。
あまりにも酷すぎます😭
こんなやり方が、「ピアノレッスン」として、世間でまかり通っているなんて…
これって「シンガポールのピアノ教室事情が特殊」なのでしょうか?????
それにしても…
お話を伺うにつれショックを受けると同時に、シンガポールで1番長くピアノ指導に携わっているプロの立場として、申し訳ないなとの思いがこみあげ、しまいには泣きたくなってしまいました。
情けなく、恥ずかしくもありました。
しかし、矛盾するようですが「責任を持ってなんとかします」
と、一方的に宣言することにも、ためらいがありました。
私とのレッスンを希望され
「全て、塚越先生にお任せいたします」
そうおっしゃってくださったお母様に対して「本当にそれでいいですか」と何回も念を押したことをよく覚えています。
レッスンを始める前も、レッスンを始めてからも、とにかく、しつこいくらいに。
怖気付いたからではありません。むしろその反対です。
この先もピアノを続けて、上達を望むのであれば、本人のために、できるだけ早く、ピアノの弾き方そのものを根本から立て直していく作業が必要であることは、プロの目から見れば明らかでしたが
軌道修正の道は、教わる側、教える側双方にとって決してラクなものではなく、時には厳しい助言もしなければいけないことを私はよく知っていたからです。
出来る限りの情報を集め、時間をかけて、よく考えたはずなのに…
いい加減なピアノ指導を受けた挙句、上達に行き詰まりを感じ、気がついた時は、もうどうにもならないところまできて
当ピアノ教室にご連絡をくださる保護者の方々と、ザッと数えただけでも、これまでに50人くらい出会いました。お悩みを解決するために、出来る限り尽力を尽くしてきたという自負があります。
様々なケースがありますが、最初はホントにわからないんですよね。
これまでのケースを総合すると、明らかに差が出て「何かがおかしい」とおうちの方が感じ始め、確信まで至るのは、習い始めて1年ほどたったくらいからのようです。
体験レッスンでお悩みの相談に応じ、レッスンをお引き受けして具体的に「矯正」に動き始めてしばらくすると、反応がキッパリと2つに分かれます。
このままレッスンを継続するかしないか
残念なことにレッスンを離れるご家庭のご意見は、不思議と共通しています。
そこまでピアノに力を入れているわけではない
おっしゃっている意味、よくわかります。
口に出したくない思いだって当然あるでしょう。
でもね、その一方で私の頭の中には、厳しいようですが、こんな疑問も渦巻くのです。
では、「どうしてプロの指導を求めるのでしょうか?」
例えば、子どもが水泳を習っているとして
真っ直ぐに伸ばすべき膝や肘が曲がっていたら直すようにと指導を受けますよね。それに対して
「別に、うちの子を水泳の選手にするわけではありません」
と言い返したりしないはずです。
お習字を習っていて、止め、はね、はらいなどを注意されたら
「別に、うちの子を書道家にするわけではありません」
「そこまで書道に力を入れているわけではありません」
などと、食ってかかるでしょうか。
相手は、その道のプロです。
あなたの何倍も時間とお金を費やし、そこに情熱を捧げています。ですので
当然ながら、あなたの何倍もの知識と経験を持っています。
耳を傾けていただけないのならば、伸ばしてあげることはできません。
一方、指導者側は、プロの看板を掲げている以上、必要最低限のことを教える責任と義務があります。
「ピアノ演奏に必要最低限のこと」とは何であるかと言うのは、実は素人目にはわかりにくいことも多々ありますが
趣味で続けるにせよ、将来に結びつくような可能性をも並行して育てていくにせよ
「これが出来ていないと弾けたことにならない」という揺るぎない軸を理解して、そこから逃げずに、誤魔化したりせず、真っ向から指導にあたるのがプロであり
指導者として、生徒さん、保護者の方の信頼を欺かないのがプロであるというのが私の信条です。
信頼に全力で、そして真心で応えようと努めることが責務と考えます。
Dくんが、ここまで腕をあげるまでには、本人のみならずおうちの方の、並々ならぬお力添えとご配慮という後ろ盾があったことは言うまでもありません、
よく、ここまでついてきてくれました
Dくん、よくがんばったね。
Dくんが将来、どの道に進むにせよ、ピアノに、ここまで時間をかけ、コツコツと積み上げて真剣に打ち込んできた事実を「わかる人」はしっかりと見抜き、一目置いて、引き立ててくれることでしょう。
価値あるお稽古になりました。
長年続けてきた甲斐があったというものです。
これからもますます上を目指して、一緒に励んでいきましょうね💪
前置きが長くなってしまいましたが。
先日、発表会にきてくださった知人から、こんな嬉しいお言葉をいただき、指導者として喜びが溢れました。
「Dくんの演奏、とても素晴らしかったです。彼のピアノには華がありますね」
📌「お菓子の世界」については、これまで過去の投稿で、Dくんの演奏動画と併せて2回ほど触れています。ぜひ併せてご覧ください。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
指導方針