こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
今日は、ピアノレッスン導入期を卒業する頃に起こりやすい問題について解説した先日の投稿の続編です。
これからお子さんにピアノを習わせたい、ピアノを習い始めたばかりのお子さんをお持ちのご両親に向けた内容です。
先日の投稿はこちら。
現在、木曜日の最終レッスンの生徒さんは、マリーナ地区にお住まいの小学5年生のRちゃん。レッスン開始は夜7:15。45分間のレッスンです。
則子先生
「どう?今週は練習できた?」
Rちゃん
「まあまあです。一応、ここまで出来るようになりました」
則子先生
「すごいじゃない!よく頑張ったね」
「じゃあ、最初から聴かせてもらうね」
毎週、たいてい、このような会話からレッスンがスタートしますが、時にはこんなこともあります。
Rちゃん
「先生、今週は、あまり練習ができませんでした。」
則子先生
「それならレッスンで少し頑張ろうか?」
Rちゃん
「はい、わかりました!」
Rちゃんは、来年中学受験を控えており、学校の勉強に加えて塾からも宿題がたーっぷり出るのだそうです。
これはRちゃんが優秀な証拠。
学習塾に限らず、習い事の場では「できる子ども」を「もっとできる子ども」に伸ばすために、「その子に最適な負荷」をかけるのが普通。「目をかけてもらっているメンバー」というわけです。
Rちゃんは、帰宅してからも多くの時間を勉強に割かなければなりません。
睡眠時間を削ってまで頑張る毎日。それだけでもかなりハードなのに、Rちゃんは
これからもピアノだけは続けたい
のだそうです。その情熱は一体どこから湧き出てくるのでしょう?
「ピアノイヤだな」
「練習したくないな」
「やめたいな」
「そんなふうに思ったことはない?」
と、核心に迫る質問を投げかけてみると
「んー、そういうことがあったかどうか覚えてないです」
と、何ともクールなお返事が返ってきました。
どうやらRちゃんにとって、ピアノを練習することは当たり前になっていて、ピアノの練習は日常のルーティンの一つとして、日々の生活の中に溶け込んでいるようです。
まさに、リトルピアニストたちが目指す理想の形ではありませんか!
Rちゃんは、すみっコの大ファン!
このような理想的なスタイルを確立するには、本人のみならず、おうちの方のサポートなくしては成立しません。
Rちゃんはピアノを習い始めて今年で7年目。他の日系ピアノ教室から当ピアノ教室に転校されてきて2年目に入ったところですが
今までどのようにして、ご両親が、Rちゃんのピアノ練習にかかわってこられたのかを是非伺ってみたいと思い、昨日は、レッスンを終えたあと、少しお話を聞かせいただくことにしました。
ピアノ経験者であり、今も時々趣味で、ショパンのソナタやワルツを弾いておられるRちゃんのお母さんとお話を進めていくうちに、成功の秘訣の断片が垣間見えてきましたよ。
ピアノは練習しないといけない。(お母さんのお言葉)
「小さいときから(Rちゃんが日本でピアノを始めたのは4歳のとき)練習が大事だよと、ずっと言い聞かせてきました。なるべく毎日、たとえ時間が短くてもピアノに触れるようにさせてきました」
とは言っても、お母さんがみっちりそばについて練習を見たり教えたりはせず、Rちゃんの主体性に任せていたとのこと。
見落としがちだけれども、ここもポイントの一つかもしれませんね♬
「1日弾かないくらいは大目に見ていましたが、2日目になると、声をかけるようにすると、思い出したように自分からピアノに向かっていました」
続けて、お母さんは、ご自身のお考えを、このように語ってくれました。
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「ピアノはスイミングとかとは違うんですよね、やっぱり。
スイミングは習っていれば泳げるようになる。
泳ぎを覚えたら、しばらく泳がなくても忘れない。
だけど、ピアノはそうじゃないんです。
ピアノは、先生に弾き方を習っただけでは弾けるようにならない。レッスンと練習はワンセットなんです。
教わったことを自分で復習して練習をしないと、習ったことは身につかないんです」
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よくわかっておられます。ピアノレッスンに対して真摯に向き合っておられる姿勢にも、指導者として大変胸を打たれました。
私は30年以上、ピアノを教える仕事に携わっているわけですから、ピアノやピアノという習い事に関しては、 どんな質問でも答えられるほど熟知しています。
ただ、これからピアノを始める方や保護者の方には
「ピアノってどんな習い事なんだろう?」
と思いながら教室の門をたたく方もおられるいるわけです。
昔ピアノを習っていたお母さんなら、 みなさん、ピアノのことはよく分かっているだろう…
というのは、ちょっと短絡的なのかもしれません。
習っていたのはお子さまだった頃。今は時代も、 習い事のあり方も、レッスンも大きく変わっています。
ピアノは「自宅での練習」が上達の鍵です。
とくに導入期においては、毎日の練習をいかに習慣化させていくかが、今後のピアノ人生を大きく左右すると言っても過言ではありません。
しかし、お子様にピアノを習わせたいというご両親のなかには、
「先生からピアノを習うだけで上手になる」
といった認識でいらっしゃる方もある程度いるわけです。
これは、単純に「ご存じない」というだけのパターンも少なくありません。
だからこそ私たちピアノ指導者は、ご家庭での練習が必要であることをしっかりとお伝えするというプロセスが重要になります。つまり
「ピアノが上手になるため、楽しく続けるためには、おうちで、できるだけ毎日練習することが大前提ですよ」
ということをお伝えし、練習が習慣として身につくような手助けを積極的に行っていくこということです。
毎日練習することで得られるメリットを折に触れお話しして、「明るい未来」をイメージしていただくことも大切です。
❤︎どんどんピアノが上手になる
❤︎上手になると、どんどん楽しくなる
❤︎どんどん弾ける曲が増えてくる
❤︎先生から高度な技術を教えてもらえる
❤︎コツコツ続ける努力できる子になる
❤︎将来、ピアノが友達になる
そんなお子さんの素敵な未来が、毎日ピアノを練習することで手に入る。
とはいっても、練習を習慣付けていくことは口で言うほど簡単ではありません。
現代のお子さんは昭和の時代とはまるで比較にならないほど多忙で、ゲームやYouTubeなどたくさんの誘惑に囲まれています。
だからこそ、私はピアノ指導者として一番大切なことは保護者の方と強固なチームを作り、お子さんの未来のために一致団結して協力していくこと
だと思っています。
ピアノの練習を継続していくには、根気と努力が欠かせません。うまくいかない時は何回も繰り返し練習をすることもあります。
レッスンでは叱られたわけでもないのに悔しくて、思わず泣き出してしまうお子さんもいます。そんな我が子を見て
そんなに辛いならばやめてしまったら?
こんな無理させたくない
と思うのか
頑張れ!!!
と心の中でエールを送り、乗り越えるのをそっと見守り続けるか
ご家庭によって受け止め方、接し方は様々だと思いますが、当ピアノ教室の方針は一貫しています。
せっかくピアノという芸術の世界のお稽古ごとの世界に身を置くチャンスを得たのだから、ただ楽器演奏の技術を学ぶ場としてとらえていたら、もったいない!
当ピアノ教室は、単にピアノの弾き方だけを教えるピアノ教室ではありません。ピアノが弾ければそれでいいでしょうといった、ビジネスライクな指導アプローチに疑問を持つ、ピアノ指導者の1人でもあります。
私は、ピアノ教室とは「ピアノを通して、人としての心を学ぶ場所」だと思っています。ピアノ指導者とは、音楽を通して、子育てにかかわっている1人であるとも思っています。
Rちゃんが今練習しているのは、ジャズ風にアレンジした「君をのせて」。
同じ音なのに弾き方ひとつで響きが全く違う
そんな世界を学ぶ楽しさに目覚めて、ますます練習に身が入っている様子。
日に日に上達していく手応えを感じているのか、昨日もレッスンを終えると爽やかな笑顔を浮かべていたRちゃん。
よく頑張ったよね、私たち♡
(自画自賛 笑)
則子せんせーも、心地よい疲れに包まれながら、満ちたりた気持ちでMRTで帰宅の途に着きましたよ。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。