こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
昨日は、一時帰国を終えて元気にシンガポールに戻ってきたYくん(小学4年生)の久しぶりの出張レッスンがありました。
日本滞在中は、ご実家近くの小学校に通ったり遠出の旅行をしたりと楽しくハードな毎日だったようですが
その一方で、日常のルーティーンもきちんとこなし(えらい!)ピアノの練習も、コツコツと欠かさずに頑張っていたYくんです。
毎週レッスンの日には動画の定期便を送ってくれました!
シンガポールでは電子ピアノ、日本ではアップライトピアノのYくん。一時帰国での練習ではタッチを固める絶好のチャンスでしたので、丁寧にアドバイスをしました。
しっかり音を出すことを意識した練習を心がけるために伝えた指の形、身体の使い方なども真面目に聞き、熱心に課題に取り組んでくれましたよ。
週を追うごとにメキメキと出来るようになる様子は、ビデオからでもバッチリ伝わり、とても感動しました。
ここまで弾けるようになるためには、たくさんたくさん努力を重ねたに違いありません。まさに継続は力なり。
ピアノ指導の世界に長年身を置いていますから、生徒さんの音を少し聴いただけで、どれだけ練習したのか、どんなふうに練習したのか【舞台裏】の様子は、言われなくても手にとるようにわかります。
ピアノ経験者でもある、Yくんのお父さんによると
「できなくて泣いて、また練習して、できなくて泣いて」
「そんなことを何回も繰り返して、やっと、ここまでできるようになりました」
とのこと。ここではっきりと申し上げておきますが、Yくんのお父さんは普段からYくんのピアノ練習を根気よく見守り、励まし、寄り添い、決して無理をさせることはありません。
入会当時から当ピアノ教室の教育理念に強く共感してくださっており
音楽を身近に感じるように育って欲しい
との願いを込めて、常にYくんの最強のサポーター的存在に徹してくださっておられ、穏やかで物静か。
当たり前ですが、昭和の時代のスポーツのトレーニングを連想させるような「根性」とか「忍耐」といった言葉とは対極のイメージの方です。
Yくんはピアノを習い始めてちょうど今月で丸2年が経ちました。
順調に進み、課題曲のレベルも徐々に上がってきたため、初心者レベルの「甘い取り組み方」では、もう曲に太刀打ちすることができなくなってきました。これは大変喜ばしいことなのですが、弾けるようになるためには
それなりの覚悟
が必要な領域に、いよいよ突入したことを意味しています。
そう聞くと、いわゆる「お稽古ごと」の世界を経験されたことのない方の中には
則子せんせーは、生徒さんを【しごく】【厳しい】【こわい】先生なのかしら???
と勘違いされる方もおられるかも知れませんね。そこで今日は、ピアノの経験のない保護者の方々にもわかりやすいように自転車を例にとって説明をしてみたいと思います。
ピアノ導入期は三輪車、ピアノ初心者は補助輪付き自転車。
どういうことか、お分かりになりますか?
ピアノを始めたばかりの幼児期の生徒さんは、まだ自転車に乗れない子どもと同じ。三輪車や補助輪付きの自転車で「自分の足でこいで自転車に乗ること」を体験するのと同じように「自分の指でピアノを弾くこと」を体験するのが、幼児のピアノレッスンです。
年齢や性格、適性や身体の発育具合に応じて、一人一人にあったレッスンをします。この時期の指導に最優先することは、ピアノ演奏に必要な基礎を身につけながら
❤︎ピアノを弾く楽しさを感じて興味をもってもらうこと
❤︎もっと弾きたい、うまくなりたい意欲を引き出すこと
ピアノを弾くのっておもしろいね♬
そう感じてもらうことが最終目標です。
そこから先にさらに進んで、やがて機が熟すと、いよいよ本格的なピアノレッスンの段階へとコマを進めます。自転車で言うと
補助輪を外して、いよいよホンモノの自転車に乗る練習に入る
と言うことです。
みなさんは、自転車に乗る練習をした時、こんなことはありませんでしたか?
❤︎補助輪を外した途端、グラグラして倒れてしまった
❤︎転んで膝や肘を擦りむいてしまった
❤︎怖くて足をついてしまって、ペダルをこぐことができなかった
❤︎うまく乗れなくて挫折しそうな気持ちになった
だけど、そこで諦めたら乗れるようにならないので、一生懸命に練習しましたよね?
どうしたらいいのかな?とやり方を変えたり、工夫をしたり、考えたりもしましたよね?
ピアノも同じです。
「導入期、初心者の時期に暇さえあればピアノを弾いていたのに、最近では練習の時間が短くなってしまった」
そんなお子さんはよくいます。本格的なピアノレッスンは「お遊び」とは違うことを実感している証拠でもあり、そこからが本当の始まりともいえます。
「そんなに簡単ではないんだ」とわかると途端に尻込みしたり、思うようにいかなくて感情のコントロールがきかず、かんしゃくを起こしたり泣きだすお子さんもいますが
真剣に向き合っている証拠なので、必要以上に心配いりません。(ご家庭での練習に疑問があれば、いつでもご相談くださいね)
この時期の指導には、より細やかな配慮や慎重さが求められますが、当ピアノ教室では、そのあたりの舵取りにも自信がありますので、お任せください!
今までとは違う我が子のピアノへの向き合い方を見て焦ってしまい
「ピアノに興味がなくなってしまったのではないか」
そんなふうに考えるのは早合点というもの。
ピアノを習っていると、どんな優秀で熱心な生徒さんにも、必ず「踏ん張りどき」がやってきます。
つまづきこそが成長の兆しであることを、お家の人にはぜひ知っていただきたいですね。
補助輪付き自転車にいつまで乗っていても、将来、自転車やマウンテンバイクに乗れるようにはならないのと同じで
ピアノも、好きな曲を自由気ままに弾き続けているだけでは、いつまで経っても高い技術を身につけることは出来ません。
みんながよく知っている有名な曲が弾けるようになりたいのであれば、それ相応の努力をして、スキルを身につけていく必要があります。
特別な秘策や近道などありませんが、一人一人が無理なく弾ける方法を伝授して、うまくいく時もうまくいかない時も隣に寄り添い、励まし導いていくのがピアノ指導者の役割なのです。
うちはプロにさせるわけではないので、本人の好きなように弾けたらそれでいい
そう考えるのは
うちは補助輪付きの自転車が乗れて、本人が楽しめれば、それで充分満足です
というのと同じですよ。もちろん、そんな人、どこにもいませんよね?
先ほど私は
「ピアノ指導の世界に長年身を置いていますから、生徒さんの音を少し聴いただけで、どれだけ練習したのか、どんなふうに練習したのか【舞台裏】の様子は、言われなくても手にとるようにわかります」
と書きましたが、舞台裏の様子がわかるというのは「練習の過程が透けて見える」ということであり
「まだまだ練習が必要な間違い」「もうすぐできそうな間違い」などを聞き分け、的確に導くことができるということであり
間違いにもいろいろな種類があり、克服法を熟知しているという意味です。
一つ一つを、どの順番で、どんな方法で攻略していくのが最もよいか、常に真剣に見極めながら指導をしていますよ。
ピアノ初心者を卒業して、ピアノの世界では一足早く「高学年」に差し掛かったYくんは、現在「トルコ行進曲」を練習中です。
仕上げるためには、まだ越えなくてはいけない山がいくつかありますが、Yくんなら大丈夫!美しい山頂からの眺めを早く一緒に見たいですね。
新学期が始まったばかりですが、ゴールを目指して一緒に頑張る気力充分で頼もしい限りです。
Yくん、次回のレッスンも期待してるね♬
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。