こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している、出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
シンガポールは日本とピアノ教室の事情が異なり、法律により、講師の自宅でお教室を開講することは認められていません。
当ピアノ教室は、シンガポール政府の定めた法律を遵守した、講師が生徒さんのお宅に出向いてレッスンを行う、出張ピアノ教室です。
講師 塚越 則子(つかごし のりこ)は、ヤマハ認定グレードにおいて、ピアノ、エレクトーンの演奏、指導共に最高位のグレードを保持する指導者であり、鍵盤楽器のプロフェッショナルです。
今日の投稿は、昨日の続編になります。
当ピアノ教室で先週、レッスンを始めた5歳の双子ちゃん、Sくん、Eちゃん。
レッスンに先立ち、中古の電子ピアノを購入されていましたが、ちょっとしたアクシデントが。。。
昨日の投稿はこちら。
何が起こったかと言うと
音が全部ズレていました。
「ドレミファソラシド」を弾いたら、「ラシドレミファソラ」だったのです。
私は、ドの鍵盤を押した瞬間に、想定外のことに飛び上がるほどびっくりして、その後血の気が引くような感覚になりました。
今までこの音で弾いていたなんて。。。
ヤマハのクラビノーバをはじめとする全てのメーカーの電子ピアノは、アコースティックピアノと異なり調律が不要なことが大きな特徴で、電源を入れると常に一定のピッチ(A3真ん中のラ=440hz)で音が鳴るように、あらかじめ設定されていますが
その設定を解除すると、微妙なピッチの調整をしたり、調を変えることができます。
ピッチや調の変更は、普段の演奏ではほとんど必要ないため、この機能を知らない方も多いのですが、どんな時に使うかと言うと、他の楽器とのアンサンブル(バイオリンなど)をするときに、お互いの楽器の音の高さを揃えたり
臨時記号が多い曲をハ長調に移調してカンタンに弾きたいときなどに使用します。高さを合わせると言うのは厳密には周波数を揃えると言うことですが、絶対音感のない人には聞いただけではわかりません。
絶対音感と相対音感の双方から回答します。鉄道マニアの間で話題となった、京急vvvfインバータの「ド、レ、ミ」①
絶対音感と相対音感の双方から回答します。鉄道マニアの間で話題となった、京急vvvfインバータの「ド、レ、ミ」②
絶対音感と相対音感の双方から回答します。鉄道マニアの間で話題となった、京急vvvfインバータの「ド、レ、ミ」③
お母さんによると、前の持ち主さんの元からSちゃん、Eちゃんのお家に、この電子ピアノが届いたのは、当ピアノ教室でレッスンを受講されることが決まった約2か月前とのこと。
あぁ、何ということでしょう。。。
その日から今まで、Sくん、Eちゃんは、この音の「ドレミ」が正しい高さだと信じていたのだと思うと、私は叫び出したいようなショックを受けてしまいました。
しかしお母さんに私の動揺はうまく伝わらなかったようで
「譲っていただいた方は、かなり弾ける方のようなお話だったのですが…」
と、戸惑いを隠せないご様子でした。ピアノを弾いたご経験はあるとのことでしたが、それももうはるか昔のこと。専門家ではありませんから無理もないですよね。
私は音程がズレていることを、どうしても理解していただきたい一心でいろいろと考えた挙句、音を録音して、正しい音と比較をすればきっとわかってもらえると思い立ち、早速動画に撮って、Befote Afterを聴いて、見て、確認していただいたところ、やっとわかっていただきましたよ、よかったー! 一件落着、拍手喝采(感涙)
ここではその動画のシェアは控えますが、ただごとではないムードを敏感に察したのか、私がピアノの椅子に座っているEちゃんの後ろに立って音階を弾くと、Eちゃんがダンパーペダルを踏み、それを急いでたしなめるお母さんの声が一緒に入っています(笑)
このハプニングも、初めてのレッスンのびっくりエピソードとして忘れられない楽しい思い出となりそうです♬
実は、数年前にも、状況は違いますが、他の生徒さんのレッスンで、ある日音のズレに気がつき、直した経験があります。
あの時は、ほんの少しのHz(周波数)の違いでしたので、音を聞いていただくだけでは理解できないと思い、チューナーアプリを使ってピッチの違いを証明しました。
シンガポールの出張ピアノ教室/電子ピアノなのに調律がずれた?!
今回は、完全に違う調、それも短3度下という離れた音にトランスポーズされていたので、正しい音と比較をすれば、誰でもその違いをすぐに聞き分けることができるほどのズレでした。まずはこれを正常に戻さなくてはレッスンになりません。
電子ピアノは、音色を変えたり、メトロノームの速さを指定しても、いったん電源をオフすれば全てクリアされて「基本設定」に戻るようにできています。
今回のような特別な変更を楽器にメモリーさせるには、プロテクトを解除するために、液晶パネル内に次々と表示されるYesやconfirmに答えながら、次々と画面を進めていく必要があります。
子どものイタズラによって音が狂うことを防止するためです。
この電子ピアノの前の持ち主は〈どのような〉理由で、〈いつから〉この設定にしたのでしょう。なんらかのアクシデントでしょうか・・・真相はわかりませんが
願わくば、ちゃんと、本来あるべき正しい音を理解した上で弾いていたと思いたいです。ピアノレッスンはご自宅での出張レッスンだったのでしょうか、お教室に出向いていたのでしょうか、気になるところではありますが。。。
さて、ここで突然ですが
電子ピアノを中古で譲り受ける際の、則子先生からのお願いです。
電子ピアノがお家に届いたら、まず最初に
ピアノの先生に、楽器を生まれたての状態にしてもらう
ように、ぜひお願いをしてください♬
まっさらな状態で、楽器をお迎えしましょう。
先生は、もしその場でやり方がわからなくても、ご自身で調べて対応することができるはず。プロですからね!
遠慮する必要はありませんよ。お家の方は、お子さんの音楽の耳を育てる土台を整えるためなの大切なファーストステップの工程を惜しまないでください。
今回のようなことが2度と起こりませんように。
電子ピアノの世界はデジタル技術の進歩により、どんどん新しい製品が出てくるので、常に勉強が欠かせませんが、優秀な指導者は、ピアノの技術のみならず電子ピアノの機能や使い方にも精通し、最新情報のアップデートを欠かしません。
最近は家電製品も昭和の時代のテレビのように「たたいたら調子が直る」と言うわけにはいかず、とても繊細です。
電子ピアノの扱い方については専門的な知識を要するので、ご家庭内で無理に解決しようとせずに、わからないことや不安なことがあったら、私たち音のプロを頼ってくださいね。