こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
当ピアノ教室は、シンガポールのお稽古ごとのお教室ガイドラインに沿った出張ピアノ教室です。講師はシンガポールで1番長い指導歴の日本人ピアノ講師です。
当ピアノ教室の生徒さんの中心は、駐在員ご家族のお子さんです。
先生のお宅に出向く形式とは異なり、ご自宅でのレッスンであるというお教室環境だけではなく、期間限定の海外暮らしである点からも、シンガポールのピアノ教室の生徒さん達の生活を取り巻く状況は日本とは大きく異なります。
時に予期せぬ心身の負荷がかかってしまうことがあるかもしれませんね。保護者の方々にとってピアノレッスンの時間がいつも安らぎの時間であるようにと願いを込めてレッスンをしています。
シンガポール生活の長さは生徒さんによってそれぞれ違い、シンガポールを離れるタイミングはいつになるのか、おおまかにわかることはあっても、はっきりとした日にちが決まるのはギリギリです。
そのため、ピアノレッスンもいつ訪れるのかわからないお別れの日をいつも意識しながらのレッスンです。
初めて鍵盤に触れた日からしばらくして、ようやく両手で知っている曲が弾けるようになり、何回かの発表会を経験した頃からうっすらとタイムリミットを覚悟するものの、やはりお別れはいつも辛く悲しく、お見送りしてしばらくの間はポッカリと穴が空いてしまった気分のまま過ごすことになります。
シンガポールに住んでいると誰もが必ず経験することとはいえ、お互いが両思いのまま引き裂かれてしまうような感覚はたとえようもなく、笑って送り出すものの心境は複雑で何とも切ないものです。
シンガポールに根を下ろして長いキャリアを積んだお稽古ごとの先生は、ご縁を大切にしています。
当ピアノ教室は出張レッスンで移動時間も加味するため、日本のお教室のような「レッスン枠」の概念はなく、生徒さんのご都合に合わせて講師がレッスン時間を調整していくスタイルです。
打ち明けてしまうと、新しい生徒さんを受け入れる際、仮にあらかじめ本帰国や他国のスライドが予定されている時間帯があっても、前もって告知して新しい生徒さんの募集をしたり、ビジネスライクに「枠を埋める」ことをせずに、生徒さんからのご紹介や、ホームページを通してご連絡くださる方とのご縁に委ねているのは、そんなシンガポールのピアノ教室ならではの事情も影響してのことです。
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ありったけの愛情を注ぎ、手塩にかけて育てた大切な愛弟子との別れの後は、すぐにさぁ次!という風に、きっちり事務的に気持ちを切り替えて、とは簡単にいかずに心はすぐ追いついていくことはできません。
同じような気持ちを友人のバレエ教室主宰の先生も話しておられ、時折指導者としての想いを共有します。学習塾などとは異なり、芸術を通してお子さんの成長に携わるお稽古ごとに長く従事されている先生は心の繋がりを大切にしているため、ジャンルは違っても気持ちは一緒なんですね、安心します。シンガポール在住歴がほぼ私と同じ長さで、シンガポールのバレエ教室の礎を築いてきたお一人ですよ。
シンガポールの日本語バレエ教室Studio Arts Passé
不思議なもので今までの29年間を思い返すと、1992年からシンガポールでピアノ指導を開始し、1番長い指導歴の日本人ピアノ講師となった現在まで、出会うべく方々に出会うべくタイミングでお会いすることができていたと思うことばかりです。
常に心地よいペースを保ちながらピアノレッスンができているのは、ひとえにピアノが運んでくれる数々のご縁のおかげ。ただ、ただ感謝です。
お別れもきっと、その時だからよかったと長い目で見たら思うタイミングなのでしょうね。そうであるならば、寂しがってばかりはいられません。
たくさんのはじめまして。
たくさんのまた会いましょう。
たくさんの笑顔。
たくさんの涙。
たくさんの手。
ピアノの鍵盤を見ると、たくさんの生徒さん達とのレッスンでの様々な場面が蘇ってきます。
ピアノを通して周りに温かな笑顔や交流が生まれ、言葉を超えた優しいコミュニケーションが世界中に広がっていくことを日々願い、日本と異なる環境のシンガポールでのピアノレッスンだからできるピアノレッスンの形を、その時代に応じて作り上げていく。
初志貫徹。これからもシンガポールの日本人ピアノ教室界の最先端を走り続けていくために学びたいことは尽きません。
ニューノーマルピアノレッスンが始動して早くも2か月が過ぎようとしています。毎日ピアノレッスンで日々成長していく生徒さん達と接し、熱い刺激を受けながら私も負けてはいられない!と、再び気持ちを新たにしている2020年の誕生日です。