こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
今日は、昨日まで開催していた、当ピアノ教室のオリジナル企画【サンタさんにピアノを聴いてもらおうプロジェクト】の続編的な内容です。
今年のクリスマスイブは、特別な出来事があった1日でした。
自らの音楽史を振り返った2022年のクリスマス。
45年前に手がけた懐かしい2つの楽曲のレコードの音を再び聴くというチャンスに恵まれたのです。
「あの頃の自分の作った音」にいつか再会できたらいいなと漠然と思っていたことが現実になり、まるで夢のよう。
中古レコード店で見つけてゲットしてくれた友人に心から感謝です。
今日、まず最初にご紹介する「ホワイトナイト」は、1977年に開催された第14回ヤマハポピュラーソングコンテスト(通称POPCON)で、ヤマハ音楽振興会の社長が自ら選曲する「川上賞」を受賞しました。
当時の私は、ピアノ、エレクトーン、作曲のレッスンに通いながら、学業のかたわらでヤマハ主催のコンサートで自作の曲を発表したり国内外でのイベントやコンサートに出演し、演奏活動を行っていました。
ヤマハの川上源一社長とも面識があり、ヤマハシンフォニーオーケストラの指揮者の先生とも繋がりがあったため
ヤマハ最大の音楽イベントとして圧倒的な存在感を放っていたPOPCONのアレンジャーとして、特別に抜擢していただいた経緯があります。
「ホワイトナイト」のメロディとコードだけのCメロ譜が渡されて「好きなように作っていいよ」とのお言葉をいただき、曲のイメージを合わせて「思い切りロマンティックな、甘い仕上がり」を目指して編曲をしました。
アレンジとは、簡単に説明すると、”曲の中の歌以外に鳴っている音楽の全て”を”自分で考えて作っていく作業”です。
「ホワイトナイト」は初めてのオーケストラアレンジでしたので心が浮き立ちながらも、とても緊張して取り組んだことを覚えています。中学1年の夏でした。
幅広い音楽的知識を身につけるために、小学3年生の時から現役の作曲家の先生に師事し、和声法や作曲技法を学んでいたので、セオリーは理解しているものの、ストリングスセクションの音域の選び方や音の重ね方、パーカッションの組み合わせを考えるときは、いくつもパーターンを考えて、どれが一番いいか、慎重にアイデアを練りました。
オーケストラアレンジは、全ての音を実際の楽器の音を出しながら作ることはできません。頭の中で鳴る音のイメージだけが作業の唯一の頼り。それだけに音楽的センスや集中力が要求されます。
ピアノやエレクトーンのがメインではなく、歌が入っている曲を手掛けたのは、ホワイトナイトのアレンジが初めててでした。
とはいえ、無難にまとめるには抵抗があり、自分なりに音選びにこだわったり「ひねりを加えたピアノリフ」を入れて「主張した」のですが、レコードを聴いた瞬間に、眠っていた、そのときの記憶がパァっと鮮明に蘇ってきました。
「そうそう、ここ、これこれ」
フレーズを確認しながら最後まで聴き終えた途端、まわりの空気が、あの時代に戻ったような感覚になりました。
子どもの頃の私は日曜日に集中して曲を一日で仕上げるのが定番だったのですが「ホワイトナイト」もやはり日曜日の午後を使って一気に書き上げたことを覚えています。
両親は決まって創作活動を始めると揃って出かけ、曲作りに集中できるように静かな空間を提供してくれました。
まるで仕上がったのを見計ったかのように夕方に戻ってくるときには、大好きなパン屋さんの赤い紙袋を持っているのでした。
POPCONでは審査員を務めたこともあります。
懐かしさに浸りながら、歴代のグランプリを調べていると、今年の始めに、YouTubeに「ポブコンの隠れた名曲」として「ホワイトナイト」をアップされている方がおられたことが判明してビックリ。
どこかの誰かも私と同じように当時を懐かしく思い出しながら45年前の曲を聴き、当時の記憶を手繰り寄せているのでしょうか。
概要欄の注釈には編曲者として私の名前も記してくださっていますね。
明日はもう一曲のご紹介です。
どうぞお楽しみに。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。