こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
ご家庭での練習「あるある」。
先日、当ピアノ教室でレッスンを始めたばかりの4歳のSちゃんのママからLINEを頂戴しました。
「普段の練習のとき、宿題のテキストの曲を弾くように促すと”知っている曲を弾きたい”と言われ、”知っている曲を弾くための練習だよ”と答えたのですが気乗りしないようで….」
あ!
うちも一緒!
ピアノを習うお子さんを持つ親御さんは、似たような経験をお持ちなのではないでしょうか。
Sちゃんのママはピアノ未経験者です。導入期の今から少しずつ練習の習慣をつけて、レッスンを軌道に乗せようと一生懸命に頑張っておられます。
LINEを通じてのやりとりでは練習の際の「やる気を引き出す声かけ」のアドバイスなどもしていますよ。
体験レッスンのお申し込みに書き添えてあったママの言葉は、私の原動力になっています。
家の中にピアノの音がする生活に憧れています
1日も早く、ご両親の願いを叶えてあげたいですね♬
とはいってもSちゃんは、まだレッスンをはじめたばかりの4歳さん。
上手になるためには、日々の練習が欠かせないということを、この段階で完全に理解することは、まだ少し難しいかも知れません。
ママが言っていることは本当なんだ!
そう腑に落ちるまでには時間が必要ですが
レッスンを重ねていくうちに
ピアノレッスンとはどういうものなのか
自分はどうすればいいのか
自然とわかるようになるので心配いりません。
紆余曲折があるかも知れませんが、それも上達に必要なプロセス。焦らずに見守りましょう。
子どもは日々、大人が驚くようなスピードで成長し、自立への道を歩んでいます。
では、ピアノ導入期の子どもの練習に、親はどう向き合えばよいのでしょう。
すすんで練習曲を弾くのであれば問題ありませんが、無理強いするのは考えもの。Sちゃんの場合は、すでに
知ってる曲を弾きたい
と、ピアノを弾くことに意欲を燃やしてやる気を示し、小さな胸の中には、リトルピアニストとしての自覚が芽生え、主張を始めています。それなのに
「せっかくレッスンをしているのだから」と勉強色を強調して、練習曲だけを弾くように仕向けると、はじめはうまくいくように見えても、やがてピアノ自体に嫌気がさしてしまう日がくるでしょう。習っていくうちに、徐々に難易度が増してくるからです。
プチ反抗期に重なれば、レッスン継続の危機にもなりかねません。。。
それならば
好きな曲、知ってる曲だけで楽しくレッスンしましょうか?!
といった提案をするのは、プロの指導者として失格だと私は考えます。なぜならば、それは例えていうと
「スナック菓子が大好きならば、ごはんの代わりに好きなだけ、お腹いっぱいになるまで食べていいですよ」
「その方が嬉しいでしょう」
と言っているようなものだからです。子どもの気持ちに寄り添う=100%子どものいいなりではありません。
子どものやりたいように自由にやらせることは、時に「興味を引き出す教育」のように曲解されたり、自主性を重んじる秘訣のように語られたりすることがあります。
もちろん当てはまる部分もありますが、それが全てにおいて正解とは限りません。
ことピアノに関して言えば、私の長年の経験によると、導入期から好きな曲ばかりを弾いていても結局高度な技術を効率よく学んでいく習慣が身につかず、レッスンと遊びの区別もつかず、途中で飽きて挫折してしまう危険が大きいというのが偽らざる実感です。
「知っていること」だけでは情報にも偏りがあり、知識も先細りしてしまいますね。
身近にある、好きなお菓子だけで、手軽に空腹を満たしていても成長に必要な栄養分が摂れないばかりか、やがて健康を害してしまうのと同じです。
テキストの曲と、知ってる曲、好きな曲は、主食と間食の関係のようなもの。
健やかな成長のためには、どちらも必要なのです。
大切なのは、健全な成長のための主食と間食のバランスを見極め、適切なタイミングと適量で、その都度満足感と好奇心を満たしてあげながら、向上心を刺激すること。
「いつ」「どんな種類のお菓子」を「どれくらい」与えたら、子どものためになるのか、子どもの欲求を満たすことができるのか、ママたちは知っていますよね?
則子せんせーも、ピアノ指導のプロとして、ピアノの「ごはん」と「お菓子」の最適バランスを熟知してますよ。だから
リクエストがある時はお気軽にご相談ください♬
いつも堅苦しい曲ばかりでは誰でも息が詰まってしまい、弾く楽しみも半減です。
生徒さんの言うことを全て聞き入れてあげられるわけではないけれど
一人一人が何を感じて、どうしていきたいかは、すぐに100%聴くことができます。
丁寧にコミニュケーションをして、胸の内に溜め込まないようにしてあげたい
生徒さんにとっても、お家の方にとっても
ピアノレッスンが「風通しの良い」「快適な」「心の安全地帯」になればいいなと思います。
レパートリーを持とう。
私が小さかった頃、バイエルと言う導入教本をいっぱい弾きました。赤と黄色の2冊でワンセットです。
知っている曲をなかなか弾く機会がなかった、弾かせてもらえなかった《ザ・昭和》のピアノのおけいこの、いわば象徴でもあります。
バイエルは、私の音楽の土台を築いてくれた恩師のような存在であり、思い入れもあります。
とても秀逸な教則本ですが、挿し絵もシュールで味気なく、いかにも「教科書」といった内容なので
つまらなくて、途中でやめてしまった….
そんな苦い経験をお持ちの方も多いですね。
知っている曲のレパートリーが無いという事は「何か弾いて」と言われた時に実は困るんです。
子ども同士のお付き合いでも、遊びの場では、お菓子のシェアは大切なコミニュケーションの一つですよね?!
ピアノも同じです。
誰かにピアノを弾いてあげて、知っている曲だったら、お相手の受けるインパクトは桁違いのはず。
よく知っている曲を堂々と演奏できれば場が盛り上がって、称賛は自信につながり、ピアノの練習への意欲も、さらに増すことでしょう。
Sちゃんは前回のレッスンで、はじめて「ピアノのお菓子」をもらいました♬
テキストの曲を練習しながら
「せんせー、この曲は《ごはん》でしょう?
《ごはん》なんだよね?」
と何度も念を押しながら
「おやつ、まだかなぁ」
「はやくおやつを食べたいなぁ」
とニコニコして練習を繰り返していました。お腹いっぱいのはずなのに、おやつは別腹なんだね(笑)それにしても、よく頑張りました!
おぼろげながらテキストの大切さを理解し始めたようです。
一歩前進!!!!!
Sちゃんが《フルコースディナー演奏》を披露してくれる日はいつでしょう?
今からとても楽しみです。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。