こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
先週の土曜日の出張レッスン先でのエピソードです。
中学1年生のKちゃん、小学4年生のRちゃん姉妹のお宅に到着し、お出迎えを受けたあと、先にレッスンを受けるためにピアノへと向かったKちゃんの足取りに、ちょっと違和感を感じました。
あれ?ひきずってる?
尋ねようと思った矢先、Kちゃんが先に口を開き、衝撃の告白。
「先生、きのう学校で足をひねっちゃって捻挫したんです」
「だから今日、ペダルが踏めません、ごめんなさい」
えええー、それは一大事です!
ペダルが踏めないことなんて、今はどうだっていい!!!!!
それよりも私の頭に咄嗟に浮かんだのは
どうにかラクにしてあげたい!
尋ねてみると、腫れて痛みがあるけど、湿布などはせずにいたとのこと。
きっと、ジンジンしてるのをこらえているに違いありません。
これではお勉強に集中することも難しいでしょう。
中学1年生のKちゃんは、毎週土曜日、ピアノのレッスンあとに塾のオンライン授業が控えています。
「歩くと痛い?」
「触ると痛い?」
「ひねったのはこのあたり?」
しばしKちゃんを質問攻めにしたあと、間髪を入れず
「保冷剤、おうちにあるよね?」
「タオル持ってきてくれる?」
そして、チャッチャッチャッと……..作っちゃいました、保冷剤入り即席ブーツ!
といっても、自慢ではありませんが、ただ折り畳んだだけ。
予想外の展開に、あたふたされていたお母さんですが。。。
「ラクになった」
「気持ちいい」
のKちゃんの声を聞いて、どうやら安心されたようです。ビックリさせちゃってごめんなさい。(汗)
先週のレッスンで、次はペダルの練習もじっくりしようねとお約束していました。
マイペースで穏やかな性格だけど、真面目で責任感の強いKちゃん。
怪我がショックだったとみえて、いつになく硬い表情を崩さずにいましたが
「見て見て、新型のブーツみたいでかわいいじゃない、ほらね!」
と、写真に写した足元を見せると、ようやく頬をゆるめて笑い声をあげてくれました。
パイル地のブーツみたいで、キュートだと思いませんか? え、Uggみたい?さすがに外では履けませんが(笑)
何があっても大丈夫だよ♡
予期せぬアクシデントは誰にでも起こり得ます。個人レベルに限らず、今回のコロナのように世界規模の「想定外」だって、これから2度と起こらないと誰が言えるでしょう。
怪我をした
突き指をした
思うように練習時間がとれなかった
だから
中途半端なレッスンしかできない
それでも、やらないよりはマシ?
果たしてそうでしょうか?
私は決してそうは思いません。いいえ
そうしたくありません。
レッスンの内容は、指導者の腕と生徒さんの情熱にかかっていると思うからです。
非常時の時ほど、本来の力が試されるのはピアノ指導も同じです。
何かが欠けていて思うようにいかないからと逃げていては何も始まらず、そこから何も学ぶことはできません。
シンガポールの出張ピアノ教室/突き指や骨折でもレッスンをお休みしなくて大丈夫です♬
プロの指導を甘くみないでくださいね♬
ピアノは息の長いお稽古。私は、長くピアノを続けていれば、予想外のことが起きることも必ずあると常に思いながら、先の先までいつも考えています。
「もしものとき」も、フツーの感覚で考える領域の上をいく「価値あるレッスン」を即座に提供できるのが、本物のプロだという信念を持って、これまでピアノ指導に情熱を傾け、数々の経験を積み、そこから様々なことを学び、レッスンに活かすべく努力をしてきました。
一人一人の生徒さんたちに対して3ヶ月先、半年先、いいえ、もっともっと先の、私のもとを卒業した未来の成長をも見据えながら、いろいろな「計画」を立て「準備」をしたり「環境」を整えたり「備えて」いたりもします。
ピアノとずっと仲良くいられるために、生徒さん一人一人に対して、自分にできることは何か。夢と希望を期待を抱きながら、いつもいつもアイデァを練っています。そんな時間が楽しいし、それが私の生きる源です。
見渡すと、最近では、私のような思い入れをもった《ピアノの先生》は、ごく少数派のようですが
私にとって音楽は趣味でも収入を得る糧でもなく、いわば自分の一部なので、当たり前の日常です。
縁があって当ピアノ教室の門下生になった生徒さんたちのハッピーなピアノ人生に責任を持つことは私に課された使命。
もちろん、大切なお子さんの音楽人生を委ねてくださっている保護者の方々の信頼にも、もれなく応えていきたい。
といっても
〇〇しましたよ
実は〇〇なんです
と、一つ一つの【施策】や【成功】を、いちいち打ち明けたりはしません。だって、そういうアピールって
カッコ悪いでしょう?!
指導にかける熱い思いや、一人一人への愛情の深さは、普段のレッスンに取り組む姿勢からフワッと感じ取ってもらえたら嬉しい。
うまく伝わらないときもあるかもしれないけれど….
それでもいいんです。
それが私の美学。だって私たちは音楽という、目に見えない存在を扱っているのですから。
心の繊細なひだに思いを巡らしたり、物事を俯瞰して違う視点からじっくりと観察したり
繊細な感性に磨きをかけていくことは、音への感度を高めることにも繋がり、良い音を奏でるには不可欠です。
ふと「あっ」と気がついてくれる時はきっと、奏でる音の何かが変わる成長の転換期。大きな上達を果たす兆しなのではないか。
そのタイミングは「来るべくして、最適な時を選んでやってくる」
私はそう信じています。結果は後からついてくる。だからジタバタする必要なんてない。何が起こっても、地道にコツコツと、音と真摯に向き合い続けるだけ。
先週のレッスンでは、ペダルが踏めないKちゃんに代わって私がペダルを踏みました。
Kちゃんは、私とタイミングがズレないように一生懸命に気を配りながら弾いていました。言われなくても自分で考えてそこまでできるなんて立派です。
いつもよりずっと注意深い指の上げ下ろしをしたせいで、ずっと気がかりだったミスが克服できたことに1番ビックリしたのはKちゃん自身でしょう。
ゆっくり、ていねいに、大切に
普段からレッスンで注意されていることが、ようやく腑に落ちたようです。まさに
怪我の功名
ですね。いつもよりひとつ一つの音に感情を込めて、とてもよい練習ができました。
来週のレッスンでは完治してるかな? 右足の具合がよくなったら、サビの部分のペダルのタイミングをしっかりマスターしようね!
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。