こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している、出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
シンガポールは日本とピアノ教室の事情が異なり、法律により、講師の自宅でお教室を開講することは認められていません。
当ピアノ教室は、シンガポール政府の定めた法律を遵守した、講師が生徒さんのお宅に出向いてレッスンを行う、出張ピアノ教室です。
講師 塚越 則子(つかごし のりこ)は、ヤマハ認定グレードにおいて、ピアノ、エレクトーンの演奏、指導共に最高位のグレードを保持する指導者であり、鍵盤楽器のプロフェッショナルです。
電子ピアノで演奏を録音しました!
今日は昨日の投稿の続編です。
大人ピアノの生徒さんSさんは、当ピアノ教室のレッスンでクラッシックピアノとポピュラーピアノの両方のジャンルに取り組んでいます。
ポピュラーピアノはアレンジと弾き方が命。いろいろなバターンを聴き比べて好みのスタイルを確立していくことが何よりも大切なので、レッスンで実際に演奏を聴いていただくほかに、時間が取れるときは、今回のように演奏の音源をお送りして、練習の参考にしていただくこともあります。
現在、Sさんが、バッハのシンフォニアの後に練習している曲は、永遠の名曲
「オリビアを聴きながら」
この曲は、1987に発売された「杏里」のデビューシングルです。
作詞、作曲は、シンガーソングライターの尾崎亜美さん。
この曲は、発売当時は目立ったヒットに至りませんでしたが、時を経て多くの歌手にカヴァーされ、今では、80年代を代表するスタンダードナンバーに成長を遂げました。
1987といえば昭和62年。この頃はちょうどアナログレコードからCDへの移行期でした。
当時の私は、ヤマハデモンストレーターとして、演奏活動のために国内外を飛び回っていましたよ♬
海外出張に出かける直前。自宅にて。
フライト前に成田空港で母が写してくれた1枚では、流行していた「ジョッパーズ」をはいています。今見ると、まさにモンペですよね(笑)トップは、お気に入りの山本寛斎です。
プライベートでは、仕事のあと、オフィス勤めの友人たちと待ち合わせして、よく遊びに行ったものです。
確か、この夜は関内で、ディスコ「マハラジャ」とカラオケをはしご。バブル全盛期の華やかな時代でしたね。
写真の中の友人達とは、仕事のジャンルは全く違いますが、今も交流があります。
話をもとに戻しましょう。
Sさんは、エレクトーン経験者でもあるので、リズムが得意。エレクトーンは両手両足を使って演奏しますから自然とリズム感が養われます。
昭和時代のエレクトーンは、まだオートベースコードやレジストレーションメモリーのようなアシスト機能が発達していませんでしたので、操作や演奏は全て手動かつ自力。
演奏法は今よりもアクロバッティングで、鍵盤演奏の技術の他に運動能力も必要でした。
ちなみに私も子供の頃は、エレクトーン練習中、1曲弾き終えると、まるで全力疾走した後のように毎回息が上がっていたものです。
今回の「オリビアを聴きながら」のアレンジは、Sさんのお手持ちの楽譜の2コーラス目のサビに、ポピュラーピアノならではのリズミックな部分を付けて、スパイス的に「おかず」も入れました♬
楽譜には書いていない「おかず」を、臨機応変に入れるのはポピュラーの基本です。キメの部分にはグリッサンドを入れてみましたよ。
「おかず」とは業界用語でメロディの後の空白を埋めるように入れる音。通称フィルインと呼ばれているものです。お弁当箱の白いご飯の余白を、おかずで埋めるようなイメージでしょうか。
今回の演奏は、自宅の電子ピアノを使って録音しました。うちにはミニ鍵盤を含めると全部で6台の鍵盤楽器があります。
私が愛用している電子ピアノはクラビノーバのCVPシリーズ。ピアノ以外の楽器の音色があったり、リズムがあったり、多重録音もできたりと、多彩な機能を使って、色々な楽しみ方ができることが特徴です。
タッチも本格的なグランドピアノタッチで弾きやすいですよ。
USBに直接演奏を取り込めるところもポイント。周りが多少騒がしくても、気兼ねなく録音できるので便利です♬
電子ピアノには同時発音数(1度に鳴る音)が決まっていたり、うまく弾きこなすには、ちょっとしたコツがいりますが、制限のある中で、どれだけのことができるかチャレンジするのも、また楽しいものです。
クラッシックピアノは楽譜を読んでそれを忠実に弾く力が求められるのに対して、ポピュラーピアノはコードネームで曲を理解して、その場で瞬時にアレンジしながら演奏する能力が求められます。
そのため、一般的にはあまり知られていませんが、クラッシックをバリバリ弾けても、単純なCメロ譜(メロディとコードだけの楽譜)を見て弾けない、ということは、業界「あるある」です。。。
スケールやコードのセオリーの知識があれば、こうしなければいけないという厳密な決まりはなく、楽譜に縛られずに自由な発想で弾くことができるのがポピュラーピアノの醍醐味。演奏ではその人の持ち味が活かせるので楽しみ方は無限大です。
ここ数年日本でも、ヤマハの「LovePiano」を筆頭にストリートピアノが大人気ですが、活躍中のアーティスト達は、クラッシックの基礎をもとに、流行りの曲を自分流にアレンジしたり、オリジナル曲を披露して、枠にはまらない自由な演奏で、人々を魅了しています。
基礎がしっかりしているから、音で自由自在に遊ぶことが楽しめるのですね♬
当ピアノ教室の生徒さんや保護者の方々も、お気に入りのアーティストがいて、YouTubeを頻繁にチェックしているようで、時々配信動画の演奏の話題になります。私も【よみぃさん】の大ファンです。
日本のストリートピアノの仕掛け人が語るヤマハ「LovePiano」誕生秘話と現在までの奇跡。
ピアノの世界でも新しい時代の流れが加速中。よりいっそう面白くなりましたね!
指導者も、うかうかしてはいられません。さらに勉強を重ねて技術を向上させなければ!!
Sさんの「オリビアを聴きながら」は、どんな仕上りになるでしょう。きっと、いろいろと熱心に研究を重ねて下さるに違いありません。次のレッスンが今からとても楽しみです♬