こんにちは
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation
講師の塚越 則子です。
今日は、タイトルにあるように、当ピアノ教室の立て直し指導の一例を動画でご紹介します。
他のピアノ教室から移ってこられた新入生さんの、ある日のレッスンです。
「いままで、こんなふうに教えてもらったことなかったです!」
おうちの方からこんなお声をいただくことがよくあります。
嬉しい反面、でも心境は複雑です。
ピアノが思うように上達しない大きな理由のひとつに
手のフォームに問題がある
ということを、みなさんはご存知ですか?
演奏フォームに問題があると
◉指先に力をうまく乗せて打鍵することができません。
◉速いパッセージを弾きこなすことも困難です。
◉重音や和音をきれいに響かせることもできません。
◉スケールも、隣の音に触ったり、どこかで必ずミスをしてしまいます。
◉悪しきループから抜け出せなくなり
◉ミスを連発することで力むようになった結果、肩や肘に負担がかかり
◉腱や筋を痛めることも…
とにかく良いことは一つもないんですね。
最初はよくても、結局いつか直さなくちゃいけない。そうしなければ上達は必ず頭打ちになってしまいます。
必ずです。
別にプロの演奏家にさせるわけではありません、ゆっくり進めて、将来「エリーゼのために」くらい弾けるようになればいいなと….
そうですよね。
お気持ち、よくわかります。でもね、無理なんです。手のフォームがきちんとしていないと、憧れの「エリーゼのために」も、それなりの演奏にならないんです。
私たちプロは、そのことをよーく知っています。いうまでもなく「自分が、かつて通ってきた道」だからです。
ちなみに「エリーゼのために」の展開部には、32分音符のフレーズが登場します。
ここは腕の見せどころの一つですよ。カッコよく決めたいものです。
フォームに問題が生じる原因はズバリ
レッスン初期の指導が
いい加減で
場当たり的なアプローチ
だったことによる影響です。厳しい言い方になりますが
◆とりあえず音が鳴っているし
◆とりあえず合っているから
◆今は指の形なんて、どうでもいい
とばかり、必要なタイミングで必要なだけの音楽的栄養を与えてもらえずに何年も育児放棄された結果が「いま」だということ。
楽しいレッスン
楽しく弾く
こんな言葉に安易に飛びつくと、ピアノ演奏に不可欠な基礎的要素を知らず知らずのうちに取りこぼしてしまったまま進んでしまう危険もはらんでいるということをお忘れなく⚠️
わかりやすいように、ひとつ例を挙げましょう。
◆子どもが喜ぶからと、スナック菓子やファストフードだけを毎日与えてお腹を満たしていたら、どうなるでしょう?
ご機嫌よく、たくさん食べてくれるけれど、やがて健康に問題が生じることは明らかですよね。
ピアノレッスンも一緒です。
個人レッスンの宣伝文句では
「一人一人に寄り添う」
という言葉がもてはやされますが
相手に寄り添うことは、何でも要求を受け入れることと違います。
そして「子どもの意見を尊重すること」と「子どもの言いなりになること」はイコールではありません。
ピアノ講師を含む、教育に携わる立場の人は、子どもたちを、あるべき方向へ導いていき、専門の分野において、良いところを伸ばしていく社会的責任があると私は考えます。
必要とあらば心を鬼にして、毅然とした態度で接することも。
愛情ゆえにです。
もちろん、栄養になるからといって、苦手な食べ物ばかりでは食の楽しみを経験できないばかりか、消化、吸収機能もうまく働きませんよね。
則子先生のピアノレッスンでは「ピアノのおやつ」も、バランスを見ながら提供してまいりますので、どうぞご心配なく💖
(注)当ピアノ教室は、昭和スタイルの「スパルタ式」ではございません、念のため(笑)
長年の経験から、私は、必要なことを教えてもらえずに何年もピアノを続けてきて、当ピアノ教室に救済を求めるお子さんの心理的特徴に共通点があることを突き止めました。
ピアノが好き
だけど
自分の演奏に、いまひとつ自信がもてない
こんな切ないことってあるでしょうか?
でもね
悲しいことに、これが現実なのです。
自信がないから打ち込めない
だから練習に熱が入らない
だから伸びない
だからやめたくなる
そこに至るまで、小さな心を、さんざん痛めてきたに違いありません。
練習しなさい、練習しなさいと言われることも辛かったはずです。
親子の葛藤の日々を思うと、私はたまらない気持ちになります。
と同時に、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。
私が立て直し指導に長年情熱を注いでいる理由は、まさに、ここにあります。
悔しさ、そして怒りが、みなさんに伝わりますでしょうか?
シンガポールで子どもたちにピアノを教えている日本人の方々へ。
どうか、どうか、子どもたちに人として心ある、良識ある指導を、切にお願いいたします。
シンガポールの日本人のピアノの先生で、こんな「面倒なこと」に首を突っ込んでいるのは私だけだということも知っています。
評判になっていることを耳にしたからです。
「そつなくこなせばいいのに」
「いずれ、生徒さんたちは日本か別の国に行ってしまうんだし」
「ぶっちゃけ関係ないじゃん」
そんな声が聞こえてきそうですが、私はそんな考え方ってイヤなんですよね。だって
せっかく出会えたのですから。
そして一度だけの人生です。
最高の思い出を一緒に創り出していきたいじゃないですか‼️
当ピアノ教室に我が子の音楽人生を預けると決断し、私を選んでくださった方々と一緒に過ごすことができる限りある時間を、実りある時間にしたい、そのために心を砕き、労力を費やすことを惜しみたくありません。
立て直し指導が必要な子どもたちは、いわば、音楽的に栄養失調の状態にあります。そう、無意識のうちに
栄養を欲している
ですので
「〇〇を〇〇できるようになるといいよ」
「ずっと〇〇がうまくいかなかったでしょう?」
「それが、スッとできるようになるんだよ」
「どうしてかというと」
と説明を始めると、一気に目に輝きが宿ります。
そして、実際に取り組みを始めると、グングン栄養を吸収します。
おうちの人も、その様子に「え!」と驚きを隠せません。
真剣度が増すから、明らかにうまくなる。
するとまわりの空気も一気に明るく変わるんですよ。
これから観ていただく動画の改善前、改善後のフォームの違いを読み取っていただくのは、もしかしたら難しいかもしれません。でもプロの目から見たら一目瞭然なんですね。
だから、いままで放置されてきたのでしょう…
でもみなさん、安心してください。
動画では手を添えていますが、この後すぐに1人でできるようになり、拍手喝采でした。
うまく弾けない謎が解けました。どう練習したらいいのかもわかりました。
もうこれからは大丈夫です✨
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
指導方針