こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室 fairy wish creation
講師の 塚越 則子(つかごし のりこ)です。
昨日、大人ピアノレッスン生の Oさんから暗譜についてのご質問を受けました。
Oさんは現在、初めての発表会出演のための練習に熱心に取り組んでいます。
「発表会のときには暗譜で弾かないとダメですか?」
私の答えは
「いいえ」
「暗譜は必須ではありません😊」
大人からピアノを習い始めるだけでも素晴らしいこと。
そして発表会は大勢の前で演奏するのです。
子どもの頃に習い始めるのとは違い、大人は思考能力が優れていますが、身体を上手く使うことが時に難しかったりします。
両手違う動きをする、右足でペダルも踏む、それだけでもかなり大変なのに、全ての曲を暗譜で弾けないと完璧とはいえないとなると、考えただけで心が折れてしまいそうになりませんか?
大人になると、暗譜をすることに、より労力を費やすようになります。
私も昔から弾いている曲は、身体で覚えているので暗譜で弾けますが、最近弾けるようになった曲は、パーフェクトな暗譜を目指すことを最終目的としていません。
現在、ソロ、連弾合わせて20曲くらいの新曲を同時進行で仕込んでいますが、本番ではガッツリ見るのではなく安心材料の一部として置いた状態で臨みますよ。
実は発表会を終えたあと、日本で別の本番が控えています。
電子楽譜にしてからは、見た目もスマートで取り扱いもかなりラクになり、ストレスから開放されました😃
実際、聴衆の前で楽譜を置いて演奏されるプロの演奏家は大勢いらっしゃいます。
楽譜を見ながら、ということで有名なのは、往年の巨匠、スヴャトスラフ・リヒテルでしょう。
晩年は短い小品でさえ、敢えて楽譜を見ながら演奏するスタイルをとりました。
「楽譜を見るか見ないかが問題ではなく、出てくる音楽が問題だ。」
「記憶力の良し悪しがピアニストの良し悪しではない。」
といった名言が残っています。
暗譜の恐怖に耐えながらの演奏では音楽を作り出すことは不可能です。
まずは弾けるようになることを楽しむ方が上達もするでしょうし、レパートリーも増えるでしょう。
そもそも演奏のスタイルに決まりはありません。
先生や他の方、また、自分自身に強制されることなどあってはなりません。
現代においては、演奏会やコンクール等で暗譜での演奏が指定されていることが多いので、暗譜での演奏が習慣化していますが、必ずしもそれが正しいということではないと、私は個人的に感じています。
双方のメリット・デメリットを充分に理解した上で、暗譜での演奏は、自分にとって必要か、不必要か。
それで判断すればよいのではないでしょうか。
ということで結論です。
💌大人ピアノレッスン生の方々へ。
どうぞ、ご自分の安心できる仕方、心地よい方法で、ピアノを楽しんでください。
大事なのは音楽を味わい、その温かさ、優しさ、慰めを得ることです。
音楽は本当に素晴らしい贈り物です。
暗譜にこだわる必要などありませんし
誰かと比較する必要もありません。なぜなら
音楽はあなたのためのものだからです。
大勢の人の前での演奏は緊張もするでしょう。
それも得難い「非日常の体験」のひとつです。
どうぞ全ての瞬間を存分に味わい尽くして下さい。
あなたの勇気をたたえ
心から応援しています✨
どこよりも手厚く、きめ細やかなピアノ指導で、シンガポール在住日本人ご家族との信頼の絆を築いて33年。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
指導方針