こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室 fairy wish creation
講師の 塚越 則子(つかごし のりこ)です。
土曜日の夜、NHKの歌番組を観ていたら、森山直太朗さんが「さくら〈独唱〉」をアカペラで歌っていました。
思い出したのは、「さくら」がリリースされた2003年当時、中学2年生だったAちゃんとのレッスンです。
思わず涙がこぼれてしまいました。
「さくら」は、Aちゃんから弾いてみたいとの申し出を受けて、特別にアレンジした思い出の1曲。
まだYouTubeのなかった時代のことです。
音源はどこからだったか、もうすっかり忘れてしまいましたが、音を聴きながら手書きで楽譜に起こしました。
今だから打ち明けてしまいますが、Aちゃんのレッスンは、一言でいうと
手こずりました😆
なぜなら
何かと反抗的
だったからです。
難しいお年頃の生徒さん【あるある】ですが
「わたしたちの言うことは全然聞かないんです」
「先生、ビシバシやってください!」
そうご両親に懇願され、覚悟を決めて引き受けたレッスンでした。
ご挨拶や受け答えなど、レッスンでの振る舞いについても、事細かに諭した記憶があります。
Aちゃん自ら「やりたい」と言って始めた「さくら」でしたが、集中を欠いて、ミスがなかなか直らないことが何週間が続いたある日、たまりかねて
「きれいに弾く気持ちがないのなら、先生の書いた楽譜を返してちょうだいね」
と言って、楽譜を持って帰ったことがありました。
私も若かったですね(笑)
その日の夜、お母さんから自宅に電話がありました。切迫した声で
「先生、うちにもう一度チャンスをください!!!!!」
と。
ご両親の熱意を目の当たりにしても、いつもどこ吹く風と言った表情をしていたAちゃんでした。
その年の発表会では
お願いだからやめてね
と、事前に何回も念を押したのに、当時流行していたアムラー御用達の厚底のブーツを履いてきて、歩くのもままならないばかりか、ペダルを踏んでいる間隔がつかめずに演奏中何度も止まってしまいました。
ね、わかったでしょう?
と指摘してもなお、返事もそこそこで飄々としてレッスンを続けていたのだから大したものです。
Aちゃんとのレッスンで思い出すのは、そんなエピソードばかり。
しょっちゅう叱っていたような気がします。
でもね。
みなさん信じられないかもしれないけれど…
私はAちゃんのことがいつも可愛くて可愛くて仕方なかったのですよ。
クールなふりを装っていても、内側はとても繊細で、澄んだ心の持ち主だということだってわかっていたし
何より、私に牙を向けてくるのは心を許してくれている証拠だから。
心の底では嬉しかったんです。
不思議ですよね。
本帰国が決まったときに、さり気なく
「将来のことって考えてる?」
と尋ねてみたら
「指揮者になる勉強をしたい」
と、毅然と答えたAちゃんの、凛とした横顔を懐かしく思い浮かべています。
ここまで書き進めてきて、ようやく、あの頃の私と現在のAちゃんの年がほぼ同じなことに気が付きました。
どうしてるかな?
会いたいな💝
どこよりも手厚く、きめ細やかなピアノ指導で、シンガポールの駐在員日本人ご家族との信頼の絆を築いて32年。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
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