こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation
塚越 則子(つかごし のりこ)です。

 

 

1992年来星。シンガポールで1番長い指導歴の日本人ピアノ講師です。

 

プロフィール

 

 

お母さんにピアノを教えてもらうとバトル勃発。なぜ?

 

先週、当ピアノ教室の小学校6年生の生徒さんのお母様からLINEメッセージが入りました。何だか不穏な雰囲気のようです。。。

 

 

 

 

 

 

先に経緯から少しご説明しましょう。

数週間前のレッスンで生徒さんから、お母様(元ジャズピアニスト!)がご自宅のアップライトピアノで弾いていたドビュッシーの響きに惹かれて、自分も弾いてみたいと興味を持ったことを聞きました。

 

 

生徒さんがピアノレッスンを開始したのは小学校1年生になりたての頃。「こんな大人の響きがわかるような年齢に成長したのね!」と一瞬うるっとしながら話を聞いていくと、オンラインレッスンの時に課題で出した曲のホールトーンスケールのミステリアスな響きに魅了されたことをお母さんに話すと、ドビュッシーを弾いてくれた♡とのことでした。

 

不思議なユニコーン/小6女の子とのオンラインレッスンエピソード

 

素敵ですね!ピアノ経験者の保護者の方が、お子さんのピアノ上達のためにできる最大のことは、何と言っても保護者の方が奏でる喜びをお子さんに直接見せてあげて「背中で語る」ことに勝るものはありません。

 

 

 

生徒さんはその後、楽譜を入手して嬉しそうに見せてくれて「レッスンで習っている曲とは別にお母さんと一緒に練習をしてもいいですか?」と尋ねてきたので、「まだ弾かなくていいからね、まず最初の8小節の右手の譜読みだけをしてみてごらん」と答えたのが2週間前です。

 

 

ドビュッシーは調号(シャープ、フラット)がたくさんついている曲が多く、譜読みには忍耐が必要です。弾いてみたい曲は、フラットが6つ、ついています。黒い鍵盤ばかりですから、もうそれだけで少し構えてしまうような、威嚇されているような雰囲気が漂っています。

 

 

当ピアノ教室では、生徒さん一人一人の音楽的自立を助け、自主性を育み、効率よくレッスンを進めていき、将来ピアノが生活の一部となるような毎日を作り上げていくことを目標にしているので、保護者の方に、お子さんの練習に一緒に付き添っていただく必要のないように、宿題はレッスンで出来たことの復習をメインとしています。

 

 

今回は普段のテキストの課題から離れた、夏休みの自由課題のような位置づけでチャレンジしてみることを前提に、特別に生徒さんの希望を尊重して、お母さんとの譜読みからまず入って様子を見ることにしました。

 

 

おそらく譜読みを完璧にする前に、少し最初の部分の音を出してみたくなって弾こうとした結果、思いがけず不協和音になったのでしょう。

 

 

 

 

 

 

お母さんは、本来ならば音を出す段階で教える音階の仕組みを、ご自身が教えるべきか悩まれて袋小路に入ってしまわれたようでしたがNo Probrem! 予めご連絡をいただいたので私も何種類かの指導オプションを頭の中に準備してレッスンに臨むことができて、無事に一件落着です(笑)

 

 

 

 

 

お母さんに練習を見てもらうと、大抵お子さんは不機嫌になるようです。理由は単純です。

 

 

耳の痛いことをズバリ指摘されるからです(笑)

 

 

何回も何回も練習してもなかなか弾けないとき、お母さんの頭の中で響いている言葉は何でしょう?

 

 

何でできないの?
さっきから同じところばっかり間違えてるじゃない!
ほら、また間違えた!

 

きっとこんな感じではないでしょうか?
気持ちは大変よくわかります。ご自身のお子さんですから、期待、気合いともに最大級で熱量も高いのは当たり前です。

 

 

 

 

 

しかし悲しいことに、練習しているお子さんにとって、これらのことは言われなくても自分自身が1番よくわかっているため、一言一言が癇に障り、指摘されればされるほど、ますます不機嫌になってしまいます。

 

 

 

間違えたことで充分に傷ついているのに、さらに追い討ちをかけて指摘することは傷口に塩を塗っているようなものと重々わかっていても、やはり感情のコントロールは難しい。当然です、それが母親です。いつだって我が子のことに体当たりで全力投球なのです。

 

 

 

 

ピアノの先生は指導のプロです。

 

 

 

生徒さんが何回も何回も練習してもなかなか弾けないときにはその理由を瞬時に探し当てて具体的な解決策と練習法を伝えます。

 

 

原因は一つの時もあれば複数の時もあります。いっぺんに解決しようとするとハードルが高くなり効率がよくないので、生徒さん一人一人の適性をみて、優先順位を判断し、一つ一つ問題をクリアしながら段階的に確実に弾けるように実力を積み上げていきます。

 

 

何回も何回も練習してもなかなか弾けないときの心理状態は、お子さんによってまちまちですから気持ちを汲む、というよりも「憑依する」くらいのノリで、生徒さん一人一人の心の中に入って一緒に練習にぴったり寄り添います。私も同じ道を歩んだ仲間ですから、気持ちは痛いほどわかりますよ。

 

 

 

 

 

 

イライラしているようであれば落ち着くように面白い話をして笑わせたり、悔しくて泣いてしまった時は、お顔を洗って気持ちをリセットしてもらいます。

 

 

頑張って弾けるようになった時の晴れやかな笑顔はいつ見てもやっぱり格別です。
だけど、その笑顔がさらに輝く瞬間をご存知ですか?

 

 

頑張って弾けるようになったのを、お父さん、お母さんに聴いてもらおうよ!

 

と促したときです。
お子さんはみんな、お父さん、お母さんに喜んでほしいと強く思っています。そしてそのチャンスを日々探しています。

 

 

ピアノを弾く自分は、お父さん、お母さんを喜ばせることができる!それはお子さんにとって大きな自信に繋がり、新しいことに挑戦していく原動力になりますよ。

 

 

 

 

 

 

間違えたことにマイナスの感情で反応せずに冷静に一つ一つ問題を解決していくことにフォーカスすることは、とても大切です。

 

 

ピアノに限らず本当の指導のプロは、生徒さんが一人で出来るようになるための最短距離の指導の道筋がはっきりと見えていて、間違えることも上達のプロセスで大切な一部だと心得ているので、間違えたことに感情を荒げたり、きつく叱ることはありません。

 

 

間違える=出来てない=良くない
という単純な図式で捉えてはいないからです。

 

 

保護者の方にしかできないことがあります。

 

 

お子さんがピアノレッスンを始めると、ピアノ経験のある保護者の方は手取り足取り教えてあげたくなりますね。

 

でも少し考えてみましょう。

1人で食べる練習をしたとき。

歩く練習をしたとき。

 

根気強く見守る日々をたくさん過ごしたはずです。

ピアノレッスンはどうでしょう。親として積極的にできることは何もないのでしょうか。

いいえ、私はそのようには思いません。

 

 

お子さんがピアノレッスンを始めたということはピアノ経験のある保護者の方にとっては、ご自身の通った道を我が子も歩み始めた喜びがあるはずです。一方で、ピアノ経験のない保護者の方は、お子さんのピアノレッスンをきっかけにして、ピアノの世界にアクセスできるチャンスを掴んだ感動があるはです。どちらにしてもワクワクする体験ですよね!

 

 

私は指導者ですから教えることのプロですが、生徒さんのモチベーションを上げるのは保護者の方にしかできません。

 

 

則子せんせーに褒めてもらうためにピアノを習っている生徒さんはいません。則子せんせーに褒めてもらった自分を褒めてくれて、喜んでくれるお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんがいるから頑張れるのです。

 

ご家族の方へ

 

 

 

 

 

保護者の方は、先生になる必要はありません。お子さんは誰一人としてそれを求めてはいません。肩の力を抜いて、お子さんがピアノを習っていることを心から喜び、応援することに全身全霊を傾けて下さい。

 

 

同時にピアノを奏でるという言葉を超えた素晴らしいコミュニケーションを学んでいる我が子を褒め称え、そのチャンスを与えているご自身を日々誇りに思って過ごして下さいね♡