こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室 fairy wish creation
講師の 塚越 則子(つかごし のりこ)です。
先日、ある新1年生の出張レッスンが始まるやいなや
「今日、がっこうおやすみしたの」
「おみみがいたかったから」
「びょういんいって、おくすりもらってきた」
と聞いて一瞬ドキッとしましたが
「もう平気なの😃」
のことでしたので安心して、普段通りにレッスンを進めました。
しかし徐々に元気がなくなり異変を感じたので
「つらかったら弾かなくていいんだよ」
と声をかけたのですが
「だいじょうぶ」
とのこと。
しかし、言葉とは裏腹に片方の耳を手で押さえたり、いつもはしないような不自然な仕草をしだし
45分レッスンの残り15分の時点では、ついに眉をしかめて
「おみみがいたい」
と、弾いている手をストップしてしまいました。
こんなとき、「あともうちょっとだからがんばろう」なんて無理をさせるのは絶対にダメです。
すぐに別のお部屋にいらしたお母さんにお声をかけて状況を説明し
残りの時間は、私がピアノを弾くことをご提案✨
しかし、いつもは”笑顔いっぱい” “ピアノ大好き”の生徒さんなのに、グッタリしていて目もうつろ、ピアノの椅子に座っているのさえ苦しそうです。
ご相談の結果、1曲だけ弾いて、その日のレッスンは10分程度早く終了することになりました。
生徒さんは、そのタイミングでソファに移動してダウン…
よほど我慢していたのでしょうね。
合格まであと一歩でしたので、がんばったしるしにと、テキストにこっそりとシールを貼っておきました。
中耳炎だそうです。
中耳炎の痛みは経験してみないとわからないと思いますが、大人でも泣きたくなるほどの辛さですよ😭
手に触れたところ熱はないようでしたので、お薬を飲んで安静にしていれば、じきによくなるでしょう。
レッスンの前は、いつもと変わりなく元気もあったので、おうちの方は、わざわざ事前に知らせる必要がないとご判断されたのだと思いますが
お薬が切れたころに痛みが「ぶり返す」ことまでは想定外だったようです。
こんなこともありますよね。
子どもの体調は急にコロコロ変わりますから。
今回のケースのように、お子さんの体調が普段と違うとき、医師の診断や検査を受けて、人にうつさない病気であることが確実にわかっていれば、レッスンを受講する、しないはご家庭で決めていただいて問題ありません。しかし
当ピアノ教室では、コロナやインフルエンザなどの感染症で学校に登校ができない期間は、たとえ元気があってもレッスンに伺うことができません。
上に挙げた感染症により、同居されているご家族が自宅療養中の場合は、発症から日にちが過ぎていても必ず事前にご一報ください。
また、ご家族のいずれかに高い発熱及び激しい咳の症状がある場合は、通常の風邪であってもレッスン受講を見合わせてください。
ご家族の病状が安定し、生徒さんご本人の体調にも問題がない場合は、経過を観察しながらお互いにマスク着用、換気の徹底などの対策を講じた上でレッスンを実施します。
このお約束は、全ての生徒さん、ご家庭に、安全に、気持ちよくレッスンを受けていただくために、また、私自身を守るために徹底させていただいています。
✳︎いかなる交渉にも応じることができません。ご理解、ご協力が得られない場合、止むを得ずレッスンの継続をお断りすることもございます。
一件一件、お宅に伺う訪問形式ですので、万が一、ウィルスを運んでしまったら一大事ですし
私は、幼稚園や小学校、各種カルチャー教室、学習塾の先生たちのみならず、会社から雇われて各ご家庭に派遣されている、他教室のピアノ講師さんたちと、置かれている立場や責任の重さが全く違うことを、どうかご理解いただきたいのです。
当ピアノ教室は、塚越が全ての業務を1人で回していますので何かあっても代理の講師はいませんし、個人事業主ですのでMC(後ほど説明します)もありません。
私が体調不良になって数日休講になれば、多くの生徒さんにご迷惑がかかります。
一口にご迷惑といっても、さまざまな事情、背景があります。
想像してみてください。
本帰国を直前に控え、今日は
【シンガポールで最後のピアノレッスン】の日😭
そんな生徒さんだっているのですよ。
自分の立場に置き換えてみたら、「あ、則子せんせー、今日は休みなのね」「最後だけどしょうがないよ」と、スッと気持ちを収めることができますか?
私にしても、自分の体調のせいで、大切な「最後のレッスン」を休みにするような事態を招いてしまったら、ずっとずっと後悔が残ります。
中途半端な形でレッスンを終了せざるを得ないですし、きちんとしたご挨拶もできないままの「シメ」は、社会人として大変失礼です。子どもの心を踏みにじることにもなります。
謝って済むような単純な問題ではありません。
事情が何であれ
失った時間は、もう2度と戻ってはこないのは、変わらない事実なのです。
MCとは、Medical Certificateの略です。
シンガポールで働いている労働者には、外国人である日本人も含め「Medical Leave」(メディカル・リーブ:医療休暇)という制度が適用されます。
これは日本ではあまり聞き慣れない言葉なので、知らない方も多いでしょう。
シンガポールで仕事を持つ人が、風邪など体調が悪いときに病院に行ったり歯科治療を受けると、医師が、
こんな状態では働けません。今日を含めて数日は家で静養して下さい
と「診断書(Medical Certificate)」を発行します。
その診断書があると「有給休暇」となり、その間のお給料は支払われます。
医師は
あなたは体調が良くないけれど、根性で乗り切れると思いますから、休まずに出勤して下さい。
とは絶対に言いません(笑)
むしろ、私の過去の経験では、「MC(診断書)何日分ほしいですか?」と聞いてきたり、「じゃあこれ、MCね。」と、いとも簡単に書類を発行してくれます。
そしてこの「Medical Leave」(メディカル・リーブ:医療休暇)は年間「14回」使用でき、これは全て企業の負担となります。
そう。
ここまでの説明で、みなさんおわかりですよね。
幼稚園、小学校、塾、音楽教室で雇用されている先生や講師さんたちは病気で休んでも有給扱いで、報酬の保証が約束されていますが
私は個人事業主ですので、体調不良でレッスンを休んだ場合の損失は、全て私自身で補わなくてはなりません。
損失というのは金額だけを指すのだけではありません。
失った信頼は2度と取り戻すことができません。ですので
私は体調管理に日頃から人一倍神経を使っており、結果的に幸運にも、これまで一度もコロナに感染した経験がありません。
「すいませーん、どっかでもらってきちゃいましたー(苦笑)」
なんて甘えた状況は、ピアノ指導のプロとして避けたいと、強く思っています。
と言っても実際、このあたりの仕事に対する熱量や信念、責任意識、心の持ちようは、個人のピアノ教室を背負っている人たちの間でも千差万別なのが実情なのですけれどね。
どんなに気をつけて生活していても病気になるのは避けられませんので、かかってしまったらもう、しょうがないです。
自分1人の努力だけでは、おのずと限界もありますしね。
だけど健康を保つために、最悪のタイミングで体調不良を起こさないように、最大限の努力を惜しまず、感染症を軽く考えたり油断しないで、これからも細心の注意を払って過ごしていきます。
最後に。
これまで私が大きな病気にかからずに出張ピアノレッスンを30年以上継続できているのは、生徒さん、保護者の方々、生徒さんたちの多大なるご協力があってこそです。
改めて心より感謝いたします。
◆おまけ◆
久しぶりにオーチャードのMRTのストリートピアノのそばを通りがかったら、男性が「カントリーロード」を弾いていましたよ。
それにしてもA♭とは、難しいキーだなぁ💦
(フラット4つ)
どこよりも手厚く、きめ細やかなピアノ指導で、シンガポールの駐在員日本人ご家族との信頼の絆を築いて32年。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
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