こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室 fairy wish creation
講師の 塚越 則子です。
昨日の出張レッスンでのこと。
無事に宿題の曲を合格して次の曲の予習のためにページをめくった瞬間、聞きなれない言葉を見つけ、即座に鋭い反応を示した小学3年生のRちゃんから名言が飛び出しました!
「ガボットってなんですか?」
「ガブっとみたいな感じ?」(噛み付くという意味のようです)
「ロボットの種類?」
いかにも子どもらしい、自由な発想だと感じませんか?聞いた途端、思わず吹き出してしまいました。
Rちゃんの頭の中には、「ガボット」の文字を見たことをきっかけにして、様々な疑問が湧き上がってきたようです。
そこで好奇心を満たすために「ガボット」について名前の由来や発祥地、特徴など、少し掘り下げてお勉強をしましたよ。
一通り説明を聞いた途端、得意そうな微笑みを浮かべたRちゃん。
あとでママに教えてあげる楽しみが増えたからです。
せっかくなので、スペルについても着目してみました。
ガボットはGavotteなので、本来「ガヴォット」と書くのが正しい表記です。
そう伝えると、英語の授業で習ったことを振り返りながら、ふむふむと相槌を打ったRちゃん。それならば…と
「同じようなパターンでVを使う、音楽に関係する単語」を一緒に探してみようか」と提案してみたところ
「いいねぇ、やってみる!」
という流れに。子どもたち一人一人の持つ感性を活かしながら、そのとき、そのときの子どもの心の動きに合わせ、興味を引き出し、学びへと結びつけるのは則子せんせーのピアノ指導の特徴の一つ。小学校3年生にもなると、英語の知識も豊富ですね。感心しました。
ちょっぴりヒントを出しただけで
◉ヴァイオリン
◉ヴェートーヴェン
◉ヴォイス
◉ヴァリエーション
など、たくさん見つけ出すことができましたよ。
みなさんなら他に何が思い浮かびますか?
あ、ヴィヴァルディもそうです。
ヴィバルディ(Antonio Lucio Vivaldi)は、ヴァイオリン協奏曲『四季』の作曲者として広く知られている音楽家ですね。小学校の音楽の授業でも必ず鑑賞します。
さて、前置きが長くなりましたが、早速、今日の本題です。
ピアノレッスンでの言語は日本語、英語、どちらがいい?
長年、シンガポールで、何百人もの日本人駐在員ご家族のお子さんのピアノ指導に携わってきた立場から、私は、この件に関して一つの結論に達しており、多くの事例をもとに、自身の考えに自信を持っています。それは
日本人の先生から教わる日本人の生徒さんのピアノレッスンの基本言語は、日本語が最適である
ということ。幼いお子さんであれば尚更です。なぜなら
ピアノレッスンは情緒を育むお稽古
だからです。
海外に暮らす子供たちのアイデンティティを確立させるのに最も適した学習ともいえるでしょう。
アイデンティティとは、自分が自分であること、さらにはそうした自分が他者や社会から認められているという感覚のことです。
日本語では「自我同一性」「存在証明」と呼ばれたりします。
海外暮らしの子供たちはアイデンティティを確立させることが健全な心の発達に最も重要であり、その役目を担っているのは周りの大人たちです。
私は、今から思えばまだまだなのに、シンガポールでのピアノ指導をはじめて10年、15年目くらいが過ぎ、それなりの経験を積んだと過信していた頃、保護者の方のご希望で、ご両親が日本人のご家庭のピアノレッスンを英語でやって欲しいと言われて引き受けたことが何度かあり、そのうちのひとつにこんなケースがありました。
インターの幼稚園なので英語の方が馴染んでいるからレッスンも軌道に乗せやすく、上達も早いだろう
というのがおうちの方のお考えでしたので尊重しました。しかし、数年ののち、ご両親の意向により指導の方向転換を余儀なくされることになりました。
「想像以上に日本語の力が弱くなってしまったので日本語のレッスンに切り替えて欲しい」
「そろそろ本帰国なので」
というのが理由です。
生徒さんは当時、ピアノを習い始めて3年目。今のRちゃんと同じく、小学校3年生でしたが、インター校に通い、日本語に触れるチャンスが極端に少ないためか、右手、左手などの簡単な日本語にも自信がなく、私の顔を見て合っているかを確かめるような状態。
日常会話は一つの文章に英語と日本語が混ざり合った、独特の話し方をしており、ご家庭ではそのスタイルを問題視しながらも、きっといつか直るだろうと容認していました。
レッスンは、生徒さんが混乱しないように、ピアノに必要な日本語の単語を理解できているかどうか、確認を一つ一つ挟みながらのゆっくりとした進度でしたが、本帰国が決まったのはそんな矢先です。
日本ではインターではなく、徒歩で通える地元の公立小学校に編入するのだと話しておられましたが、本帰国直前、様々な日本での生活が、いよいよ現実味を帯びて、ぐいぐいと押し迫ってくる時期に、お母さんがポツリと漏らした本音を私は今も忘れることができません。
「今更言っても遅いのですが、最初から先生に、普通に日本語でレッスンをお願いすればよかったです」
「ピアノが弾けるようになって英語力がつけばなんて親の欲が裏目に出ました」
「日本で、お友達ときちんとしてコミニュケーションができるか心配です」
「余計な苦労させてしまうことになって後悔してます」
「でも、ピアノのこと以外にも先生に親身になっていただき、最後の最後まで諦めずに語学の立て直しにご協力をいただいてありがたかったです」
現在、当ピアノ教室では、英語でレッスンを希望される方に対して必ず理由を伺い、綿密なヒアリングを実施することを徹底しており
数年で日本に本帰国されることが確定しているご家庭の幼児さんへの英語でのレッスンでのお申し出はご遠慮いただいております。
これから我が子にピアノを習わせたいと考え、ピアノ教室を探しておられる方にご質問です。
シンガポールではスイミング、サッカー、テニス、バレエなど、英語圏でのバックグランドを持つネイティブスピーカーから、英語でレッスンを受けることができるお稽古ごとが豊富にあります。
ピアノも同様に、ヤマハを筆頭に、世界規模で展開している信頼のおける大手の音楽教室では、英語を日常会話で使用している高レベルのローカルの先生方からレッスンを受講することができ、グループレッスンでは様々な人種のクラスメイトと触れ合いながら、音楽を通して共通の目的に向かって努力する中で、お互いに友情を育むチャンスがあります。
そこで得た経験は、会話の力を磨くことに大いに役立つだけでなく、国の垣根を越え、違う文化の人たちとも臆することなく接することができる自信を育て、将来、世界へと羽ばたく力の基盤となるでしょう。では一方で
シンガポールに住んでいる日本人の先生から、ご自身の母国語ではない言葉(英語)でピアノを学ぶことのメリットはなんでしょう?
みなさんは、そこにどんな価値を見出すことができますか?
「英語でピアノを習えるなんて一挙両得」と安易に考えてはいませんか?
バイリンガル教育の確立の難しさについて専門家からの正しい知識や情報をお持ちですか?
たまたま見聞きした身近な人の意見を鵜呑みにしたり、商業主義に踊らされると後々後悔しますよ。一生のうちで最も貴重な子どもの時間は1度きりで、2度と取り戻すことはできませんからね。
当ピアノ教室の指導の基本言語は日本語です。レッスンのスタイルはハイブリッドです。
ハイブリッドスタイルとはどんなことかというと、一人一人の興味や特性に応じて、そのとき必要な知識を、適切なタイミング、適切な方法で与え、多角的、かつ総合的に学びを加速させ、倍増させていくレッスンだということ。たとえば
日本語で話をしているからといって、日本語以外のことを学ばないという意味ではありません。また
ピアノの上達と言った狭い範囲に限定したレッスンの内容でもありません。
もっと広く、もっと深く
繰り返しになりますが
当ピアノ教室では、日本人のご両親を持つお子さんへのレッスンは日本語で行なっております。
ただし、ご家庭の事情を伺い、英語も交えた指導の方がお子さんの将来のために良い結果を生むと講師が判断した場合のみ、バイリンガル指導のお申し出に応じております。
(体験レッスンフォームにご意向を必ずお書き添えください)
シンガポールの出張レッスンQ&A 14/英語でのレッスンは可能ですか?
現在、当ピアノ教室では英語メインでレッスンを受講している生徒さんが1人おられます。お父さんが日本人、お母さんがシンガポール人でローカル校に通う小学校1年生、Aちゃんです。
Aちゃんレッスンの様子はまた次の機会にご紹介しますね。
どこよりも手厚く、きめ細やかなピアノ指導で、シンガポールの駐在員日本人ご家族との信頼の絆を築いて32年。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。