こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
今日は、ピアノとは直接関係がありませんが、予定を変更して、先週の金曜日の出張レッスン先で突然舞い込んできた第一報を受けての内容となります。
「このはな幼稚園」が、2023年3月末に閉園することが発表されました。
「このはな幼稚園」は、【多様化多言語化していく世界に対応できる子どもを育てよう】を教育目標に、シンガポールに在住する日本人家庭の子どもたちに優れた幼児教育を施し、国際的な環境を与えることを目的として、1998年4月、学校法人 此花学院により設立されました。
シンガポール日本人幼稚園と並び、シンガポールで最も長い歴史を持つ日系の幼稚園の一つです。
当ピアノ教室では、このはな幼稚園の開園以来、今日までの24年の間、数えきれないほどたくさんの、このはな幼稚園の園児さんにピアノを指導してきたこともあり、今回の発表に言葉では言い表わせないほどの衝撃を受けています。
このはな幼稚園は、長年シンガポールでピアノ指導に携わってきたプロの視点からみると
規律、礼儀、けじめ
など、社会生活を営むために必要不可欠な根本となる部分である礼節に関する教育にも幼い時期から積極的に取り組んで、どんなときも園児ファーストを貫いている、血の通った幼稚園という印象があります。
当ピアノ教室は、生徒さんの自宅での出張レッスンのため、未就学児の場合、レッスンの環境が整うまでの助走期間が必要なケースも珍しくありません。
もちろん、それも含めての出張ピアノレッスンと心得ており、対処にも慣れているため、このこと自体に問題はありませんが、「このはなさん」(親しみを込めて、私はいつも園児さんたちを、こう呼ばせていただいています)は
❤︎先生(という人)に対して、自分はどう振る舞えばいいのか
❤︎教えてもらうということは、レッスンとは、一体どんなことなのか
を、日常の幼稚園生活で自然に学び、言われなくても肌感覚として身についていることが、最初の段階からはっきりと感じ取れるお子さんが多く、その信頼は、一度たりとも揺らいだことはありません。
「このはな幼稚園」といえば、おうたに力を入れていることも伝統で、レッスンの最後に季節のお歌を歌ってもらうときは、決まって手を後ろに組み、足を肩幅に開く、お決まりのポーズがあることも特徴です。
元気に大声で歌う姿からは、いつも楽しい幼稚園生活や、園長先生や先生方の教育への熱意が伝わってきました。
コロナの規制が徐々に緩和され始めた頃のある日、器楽演奏の許可が下りてからも、その導入に慎重な姿勢を崩さなかった他の日系幼稚園に先駆けて、「このはなさん」から”ピアニカが吹けるようになった”と嬉しそうに報告を受けた瞬間、流れる涙を抑えることができませんでした。
私たち外部の人間の想像を遥かに超えた強いお覚悟が、そこにはあったことでしょう。私が感じたのは、子どもたちへの愛情といった、甘ったるい一言で片付けてしまうには余りある、妥協を許さない、凄まじいまでの気迫です。
コロナに翻弄された、この数年を振り返るまでもなく、当ピアノ教室のこれまでのレッスン風景には、バーバリーチェックの制服の「このはなさん」たちの愛らしい存在が、常に身近にありました。
あの制服姿が思い出に変わっていくことにまだ全く実感がわきませんが、私はこれからの未来、シンガポールでピアノを教え続ける限り、「このはな幼稚園」のこと、「このはなさん」たちの素晴らしい足跡を、ずっとずっと人々に語り続けていくと、今、ここで宣言します。
最後に、今日は、当ブログを読んでくださっている皆さんにお願いがあります。
このはな幼稚園にお子さんを通わせている方、このはな幼稚園の卒園生をお持ちのご家族の方がおられましたら、どうか私に力をお貸しください。
私の思いを、このはな幼稚園に伝えていただけませんでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
このはな幼稚園のスタッフの皆様方へ。
このはな幼稚園の開園の1998年当時のことをよく覚えています。その頃まだ当地でのピアノ指導が6年目と、駆け出しの存在だった私ですが、このはな幼稚園の開園に、シンガポールに住む日本人の幼児たちの教育に新しい流れが起こる兆しを感じて、とてもワクワクし、興奮したものです。
以来24年の間、園長先生はじめ、先生方に対し、私は密かに、立場が違えど【シンガポールで子どもたちを育てている同志】としての親しみの感情を抱きながら、時に励まされ、たくさんのことを学ばせていただいてまいりました。
当ピアノ教室の歴史は、このはな幼稚園の園児さんたちとの思い出でいっぱいに満ち溢れています。
心より感謝いたします。
3月末まで気の張った毎日かと存じますが、充実した日々の中で、たくさんの喜びに包まれますように。
園長先生。
長年のご功労、誠にお疲れ様でした。
素晴らしい思い出をありがとうございました。感謝してもし尽くしきれません。
これからも、ピアノ指導を通じて、シンガポールに住む日本人の子どもたちに音楽で「このはなさんスピリット」を継承していくことをお約束いたします。
どうぞくれぐれもお身体を大切にお過ごしください。
ご多幸を心よりお祈り申し上げます。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。