こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
昨日の最終出張レッスンは、大人ピアノの単発レッスンでした。
夜8:00過ぎからと、遅い時間からのスタートでしたが、コンドミニアム内にあるピアノルームでのレッスンでしたので、周りを気にする必要はなく、快適に進めることができました。
こんな贅沢な設備があるなら、使わない手はありませんよね。
ピアノは立派なKAWAIのアップライト。どうやら特注品のようです。
調律は先月済ませたばかりだそう。コンディションはまずまず良好。クリアでいい音がしていましたよ。
指導を終えたあと、MRT を乗り継いで帰る途中で気分転換に「ドンキ」に寄り道をしたので、帰宅したのは日付けが変わる直前。
気分は、(気分だけ 笑)まさにシンデレラ?!
生徒さんは、今年の春から当ピアノ教室のレッスン生になったNちゃん(小学2年生)のお父さん、Uさんです。(Nちゃんのレッスンはご自宅の電子ピアノで、別の曜日に実施しています)
Uさんが、2回のレッスンで形にするべく、指導を希望されていた曲は、ポピュラーのスタンダードナンバーの一曲。
レッスンでは、何ヵ所かフラットが抜けているところやリズムの違いをまず直してから(おかしな気がしていたけれど、どこが違うのかわからなかったそうです)
楽譜では、リピートのあとフェードアウトの表記になっているラストの音キメに取り掛かりました。
「カッコよくアレンジしちゃいましょう。」
ポビュラーの曲はアレンジが命。楽譜の通りに弾くのにしっくりこなければ自分好みに「あつらえて」しまえばいいんです。わかりやすく言えば「音楽のオーダーメイド」。もちろんそのためには音楽理論の知識も必要ですが。
則子せんせーは、ピアノ指導の仕事以外にも、プロとして作曲や編曲の仕事にも長年携わっていますので、アレンジは得意♬ 思えばヤマハから公式に初仕事の依頼を受けたのは中学生の頃でした。
必要な時に、楽譜にアイデアを書き込み、サッとアレンジ作業に取り掛かれるように、スペシャルグッズも常に携帯しています。私がバックからおもむろに取り出したのはこちら。ジャーン。
楽譜の上に貼って使います。
「すごい!こんな便利なものがあるのですか??私が20年前に習っていたときは見たことありませんでした!」
驚きの声を上げたUさん。
少しずつ緊張がほどけたのか、私がアレンジを頭の中で組み立てている傍らで、ポツリポツリとご自身のピアノヒストリーをお話してくださいました。
単発レッスンの予定だったけれど。
私が最も着目したのはUさんがピアノを離れたきっかけです。
小指の靭帯を損傷した
完治してからも思うように指を曲げることができなくなり、ピアノを弾くことから次第に遠のいてしまったのだそうです。
しかし、ピアノに人生をかけて生きている私にとって、Uさんの心の中にくすぶっているピアノへの想いを見抜くことは、いとも簡単なこと。
弾けば弾くほど、まるでのめり込むようにピアノに向かうUさんに、いくつかのご質問やご提案をしているうちに
もう一度、基礎からじっくりと先生に習いたいです
との衝撃発言が飛び出しました!!!!!
弾きたい曲を尋ねると、次から次へと止まりません。
♣︎朝ドラの主題歌は楽譜を取り寄せたのですがそのまま手付かずで…..
♣︎久石譲もいいな
♣︎ビートルズもせっかく本があるから全部弾いてみたい
♣︎「カノン」はまだ所々覚えているからしっかり仕上げたいな
♣︎リチャード・クレーダーマンも!
曲を思い浮かべているときの幸せそうな微笑みが何よりもUさんの本心を物語っていましたよ。まるで忘れていた自分の夢を思い起こしながら、自分の手元に手繰り寄せているかのような表情…..
ピアノを弾くことが本当に好きなんですね。だったら迷うことなんて何もありません。
「今まではなんとなく雰囲気で弾いて、ごまかしていたけれど」
と謙遜されるUさんに対し、私はハッキリとこう伝えました。
「いいえ、ごまかしていたのではなく、指をかばっていたのですよ」
「気がつかないうちに余分な力が入っていたから、思うようにいかない部分が今までたくさんあったと思います」
その言葉を聞いて
「え、わかるんですか?」
とハッとしたような表情を浮かべたUさん。
もちろんわかります。弾き方を見れば身体の使い方の好ましくないクセはすぐにわかります。もちろん、なおし方だって。
そのためにウン10年勉強を続けているのですから。
それに、Uさんは決して音をごまかしたり、ぞんざいに扱って、表面だけを取り繕って見栄を張る性格の方ではないということを私は既に見抜いていますよ。
言葉にはしなかったけれど。
音はいろいろなことを包み隠さず私に教えてくれるのです。
もともと単発レッスンの予定でしたが、どうやら近々、Uさんの夢の実現のために奮闘する「シンデレラ」の日々が始まりそうな予感。もちろん
こんな予定外なら大歓迎
ですけどね♬
今日は最後にみなさんに、ある人気ピアニストをご紹介したいと思います。
国内外でご活躍されているので、ピアノ愛好家であればお名前を耳にしたことがあると思います。
スタンウェイホールやカーネギーホールなどの大舞台に立ち、「奇跡の7本指のピアニスト」と絶賛されている日本人ピアニスト、西川悟平さんです。
西川悟平さんは、2021年には「東京2020パラリンピック閉会式」で大トリを務め、グランドフィナーレを飾るなど、今、世界中から注目を集めるピアニストの1人です。
音楽とは何か
ピアノを弾くとは、どんなことなのか
そんなことに改めて思いを馳せるきっかけになればと思います。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。