こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
昨日、Rちゃんの本番の演奏が無事終わり、大成功を収めたとのご連絡がありました。
中学一年生のRちゃんのお母さんから、当ピアノ教室にお問い合わせが入ったのは、7月の後半のことです。
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(いただいたメールより)
中1。来星し3年間一度もピアノを弾いておりませんが
学校の合唱コンクールのピアノ伴奏を頼まれてしまいました。
短期でレッスンを受けることは可能でしょうか?
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ピアノは、YAMAHAで4年程グループレッスンをゆる〜く受けていた程度とのことでした。
私は、いただいたメールの行間から、差し迫った深刻な状況を察知し
その日のうちに、直接、お電話でお話させていただきたい旨を書き添え、ご返信したところ、すぐに
「今、大丈夫です!」
と即、レスポンスがあり、会話を重ねていくうちに詳しい経緯を知ることができました。
◉クラスにはピアノの経験者が誰もおらず、弾ける人が誰もいない。
(実際は弾けるのかもしれないけれど、テストを控えているからか、誰も「やりたがらない」??)
◉お子さんは、もうピアノを何年も弾いていなくて、家には鍵盤楽器もないけれど、先生から「お願いされてしまった」
◉音楽の先生は「学校ではピアノの指導は一切しません」とのこと。
大人びた言動が増えてくるお年頃とはいえ、まだ義務教育中の中学生ですから、こんな状況であれば、保護者の方が辞退したい意向を学校に申し出て、伴奏者を再考していただくこともきっとできたでしょう。
親ならば誰しも、我が子を守ることが最優先。いくら学校の先生からの要望とはいえ、できるかどうかわからないような危ない橋は渡らせたくないですよね。
他の子もできるはずなのに、なぜうちの子がやらなくてはいけないの?
その分、時間も取られて、勉強だって遅れちゃうのに…..
そんな思いもよぎったかもしれません。
押しの強い方であれば
「もしも大勢の前で失敗してしまったら恥をかいて、心に傷を受けてしまうかもしれません」と主張をすれば、学校側としては、もう何もいえなくなります。保護者の意見として問題提起をすれば方向転換を促すこともできたはず。
何しろ、3年間全くピアノに触れていなかったのに、いきなり合唱曲の伴奏の大役、それも本番は2ヶ月後ですからね。かなり強引で無謀なお願い事だと言うことは誰の目から見ても明らかです。
しかし、Rちゃんのご両親は、あえてそれをしなかった。
途中で投げ出すと言う選択肢は頭の中にはなかったのだと思います。なぜならば
引き受けたからには最後までやり遂げたい
と言う娘の信念を尊重したいと思ったから。
そう、強い責任感ゆえです。
だから親子で話し合い悩んだすえに覚悟を決め、前に進むと決断した。そこには
我が子ならばきっとできる
という、揺るぎないRちゃんへの信頼という裏付けがあったのも確かでしょう。
だからこそ、すぐに新品の電子ピアノを購入して準備を整え、ピアノの先生探しに奮闘し、当ピアノ教室と奇跡的にご縁がつながったのです。
この心意気に、ピアノ指導者として全力で応えなければ!!!!!
その気持ちだけで、夢中で駆け抜けた本番までの日々でした。
Rちゃんに私が最初にかけた言葉。
大丈夫よ。学校の先生が驚くような出来に仕上げてあげるから安心してね♬
私は無難に約束を守っただけでは物足りず
レッスンの最後の瞬間まで私を信頼してついてきてくれたRちゃんへの感謝を込めて、エンディングに、楽譜には書いていないプラスαの音を加え、演奏をさらに華やかに「映え」させちゃいました!(学校の先生から”アレンジしてもいいですよ”と許可をいただいているのを、あらかじめ確認済みです)
事情あり!単発ピアノレッスンのお申し込みをお受けしました(中学一年女の子)
成功のカギとなった「捨て身の覚悟」。
今回、レッスンのご依頼を受け、私はRちゃんの演奏レベルを尋ねることを一切しませんでした。それには根拠があります。
❤︎ピアノから離れて3年が経過していること
❤︎本番まで2ヶ月しかないこと
余計な先入観を持たず「いま」の状況を正確に見極めることが勝因につながる、そう感じたからです。
それはRちゃんにとっても同じです。
「私はこれくらいできていた」
限られた時間で確実に成果を出すためには、この思いをまず捨て去ってもらい、ゼロから教わる気持ちを固めてもらう必要がありました。
Rちゃんは、私の思いをすぐに理解し、レッスンでは”一言も聞き漏らさないぞ!”とばかり真剣に説明を聞き、お手本の演奏を録画する時も食い入るように手元を見つめ、次に会った時には、私の想像を超えたキレイな音を奏で、私を驚かせたのでした。
この子はきっとお勉強もできるんだろうな
私はいつもそう思いながら感心していました。ピアノもお勉強も、基本的な取り組み方はお互いに共通していることを、私は長年の指導経験で強く実感しているからです。
そうして迎えた本番。Rちゃんは緊張することなく、落ち着いていつのも力を存分に発揮できたようです。
生きていく上で出来れば経験したくない苦しいことや辛いことは程度の差はあれ誰にでも必ずやってくるものです。
しかし、そこでその問題に立ち向かってチャレンジし成長に繋げられる人と、色々な理由をつけて残念ながら逃げ出してしまう人は、はっきりと分かれます。
人生に望ましくないことはつきものですが、向き合い方は人それぞれです。
克服するために向かい合う人もいれば、すぐに逃げてしまう人もいますが「逃げ癖」がある人は、無駄にプライドが高い場合が多いです。 そうした人は「強がるわりにすぐ物事を投げ出す」という傾向があるように私は思います。
なぜすぐに物事を投げ出してしまうかと言うと、自分の失敗と向き合う力がないからです。失敗の経験値が低いともいえます。耐性が備わっていないんですね。
人間はところどころで失敗をするけれど、その失敗にしっかりと向き合い、乗り越えていく経験を重ね、様々なことを学びながら心の成長を遂げていくのではないでしょうか。
子どもはいつまでの親の庇護のもとで生きることはできません。もちろん、心身に支障をきたしてまでやり続ける必要はありませんが
最後までやり抜く、失敗したら挽回するという強い意思を持って、逃げ道はないと思って物事に真剣に、謙虚な気持ちで真摯に取り組めば、逃げたい感情に打ち勝ち、勝利の女神は微笑んでくれるはず。そして手を差し伸べてくれる人が必ず現れたり事態は好転する。
私はそう思っています。
合唱コンクールのピアノ伴奏の大役を見事果たし、大成功を手中に収め、自信を得たRちゃんは、しばらくの間、お勉強に専念するためにレッスンを離れますが、ピアノとの絆は、これからも変わらずにRちゃんとともにあります。近日中のレッスン再開を視野に入れ
ピアノレッスンがお勉強の気晴らしになれば
とはお母さんのお言葉。
好きな曲を弾いて明日への糧にしてもらえたら嬉しいですね。
気晴らしと聞くと、途端に「遊び気分で軽々しく物事に取り組むような」マイナスイメージを持って敬遠する人もいますが、それは大きな勘違い。
当ピアノ教室ではピアノレッスンで上手に気分転換をはかることで生活にメリハリをつけ、勉強に集中して打ち込み、中学受験や高校、大学受験で見事に成功を勝ち得た歴代のレッスン卒業生さんたちや現役生徒さんが大勢おられますよ。
みんなピアノに向かう目つきは真剣そのものですが、一様に「やり切った」といった晴れやかな表情でレッスンを終えるのが特徴です。
そんな姿を見ると、ピアノレッスンを上手く自分なりのスタイルで活用できるのも実力の一つだなと感じます。
レッスンを受けるからには「何か」を「必ず」掴んで成長してもらう
これはピアノ指導者としての私の信念でもあります。
ピアノは受験に必要な継続力、忍耐力を磨き、集中力を磨くお稽古です。
好きな曲を思い切り弾いてリフレッシュすることが自然と学力向上に結びつくなんて、こんないいことはないと思いませんか?
ピアノを習うと、目標達成力も身につきます。
レッスンや発表会に向けて目標や計画を立てて何度も練習を積み重ねた経験は、学校の勉強や将来の夢に向かって継続的に努力したり、物事を最後までやり遂げる姿勢の基本となるからです。
最後に、無事に本番を終えた後、Rちゃんのお母さんから届いたメッセージの一部をご紹介いたします。
Rちゃん、お母さん、演奏大成功おめでとうございます!!!!!
Rちゃん、クラスの団結にもしっかり貢献できてよかったね。
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(以下、いただいたメッセージより)
則子先生
大変お世話になりました。短期間でここまで上達できたのも則子先生のお陰です。
全体練習では3年生の伴奏の方がまだ最後まで弾けていないとの話も聞きました。うちもそうなりかねなかったと思うと心が痛みます。
本番では緊張せずにいつものように弾けたようです☺️
上手に弾けていたと思います。本当にありがとうございました。
良い先生に出会えたことに感謝致します。お忙しい中、時間の調整をしていただき、明るく楽しいレッスンをありがとうございました。
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Rちゃん、最後まで立派にやり遂げましたね、不安に打ち勝って堂々と成果を出したことを心から讃えます。努力の賜物だね。本当に素晴らしい!
Rちゃんは、これからもずっと永遠に私の自慢の生徒さんです。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。