こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室 fairy wish creation
講師の 塚越 則子です。
先日、あるレッスンでのこと。
“今日は幼稚園がお休みのため、弟(3歳)が家におります”と、事前にお母さんから、ご丁寧に連絡が入り、いただいたメッセージは
『レッスンの邪魔をしないように朝から言い聞かせていますが、どうも先生の事が大好きみたいで、会うとお喋りしたい欲求が抑えられないみたいです💦』
『私も何とか頑張りますが、ご迷惑おかけしたらすみません😥🙏』
と結んであり
文面から、お母さんの不安が手に取るようにイメージできました。
弟くんとは、たまにしか会うことができませんが、お顔を合わせると満面の笑顔で、お話が次から次へとポンポン飛び出し、マシンガントークの洗礼を受けるのがお決まりのパターン。
聞いてほしくて
注目されたくて
も〜
たまらないんですよね😃
このようなとき、正攻法では、まず、その場を穏便に納めることは、ほぼ不可能です。
静かにしてちょうだいね
と言えば地雷を踏んだごとく、たちまちご機嫌を損ねるだけでしょう。
だからといって、言われるがままに従っているばかりではレッスンが成立しません。
では、こんな時、私がどうするかというと
北風と太陽のテクニック←(勝手にそう呼んでます)
を駆使して
ガラッと流れを変えちゃいます。
本人に悟られないよう、徐々にこちらのペースに引き込み、その一方で
この年代の幼児さん特有のプライドを満たすことを意識した策を講じます。
これらは相反するように思われがちですが、決してそんなことはありません。
則子せんせーは音楽家ですので、幼稚園の先生や学校の音楽の先生方とは立ち位置が根本的に異なります。
音楽をより深く専門的に学び、音楽で身を立てている、音楽の世界のプロフェッショナルです。
ですので、直接関係ないと言われればそれまでなのですが、レッスンで子どもたちと接するうちに
知識として蓄えていた方が絶対いい
と確信したので、独学と併せ、オンラインセミナーなどにも参加し、幼児心理学の基礎を学んでいます。
難しいお年頃のお子さんの扱いもツボを心得ており、ご機嫌を保つのも、結構得意だったりします。
もともと、いわゆる、昔ながらのピアノの先生特有の厳格さや固さはなく、スパルタ式講師でもありませんので、親しみやすく感じてもらえる部分があるのかもしれません。
何でも言うことを聞いたり
下手にでて、お願いばかりを続ける方法は、お子さん自身が学びを得ることができず、経験を成長に繋げることもできませんよ。
目指したいのは
ある程度の年齢に達した時、状況に応じて、相応の分別がつけられ、賢い振る舞いができるようになることです。
ピアノレッスンの時間のイニシアチブを握るのは則子せんせー。
直接教わっていなくても
「先生」に対して、どう接すればいいのか
折に触れて、やさしく、ていねいに、少しずつ教育を施していくことも、出張ピアノレッスンの先生の大切な役割の一つだと、私は長年の指導経験から自覚しています。
「顔見知りのおばちゃん」が「お客様でやってきた」のとは違う時間だとことを、肌感覚で認識してもらうためには、接し方、話し方もプロとして一線を画すことにも、細やかに配慮しなければなりません。
作戦開始。さてその方法は?
この日は
①ピアノのレッスンの間に「別のお部屋でやってもらいたい【むずかしいこと】が
あるんだけど」と持ちかけ、一気に気を引いてから
できるかなぁ?
と好奇心を煽り
②「ピアノがあるお部屋にいると、できないよ。だって
ピアノの音がしちゃうと気になっちゃうでしょう?」
と畳みかけ
?????
を頭の中に発生させたのち
③「使うものがあるから貸してあげるね。」
「せんせーがおうちから持ってきましたよ」。
「これからママに渡すからお部屋で一緒に見てごらん。」
と伝え、目の前で手で隠しつつ、お母さんのポケットに【小道具】忍び込ませ、さらに疑問を
?????????
まで一気に拡大。
事前にいただいた、お母さんからのメッセージの返信には
「対策を考えて、レッスンに臨みますね」
とだけしか伝えていなかったので、お母さんも何が起こったのかわからず、目をパチクリ😳
その場の空気は一瞬にして
なんだろう???
気になって仕方ない🤫
の雰囲気に包まれ、一同の興奮はMaxに✨ ←これが狙い(笑)
お姉ちゃんのピアノレッスンの間、ボクは脇に追いやられ、我慢を強いられるとばかり身構えていた弟くんは、予想外の展開にとまどいつつも
この「特別企画」の主役は自分なのだと理解し、お母さんに促されるまま、そそくさと別室に移動し
おとなしく作業に没頭
結果、45分の間、一度もお部屋から出てくることはありませんでした。
作戦大成功✨
幼い子が、大人の望むような「よいこ」の行動ができず、周りを困らせたり煩わせてしまう時期は、一生の中でも、ほんの数年。
やがて
必ず
そういえば、あんなこともありましたよね
と笑いながら、しみじみと振り返る日がやってくることを、私は知っています。
出張ピアノレッスンを通して、数え切れないほど多くの弟くん、妹ちゃんの成長を、これまで見守ってきました。
やがて本帰国が決まり、たとえ私と一緒のレッスンができなくても
則子先生との楽しい思い出が呼び水となって、将来、ピアノを学ぶことに興味を持ち、音楽に親しむ子どもに育ってくれたら、こんなに幸せなことはありません。
出張レッスンの際、難しいお年頃の弟くん、妹ちゃんへの接し方にお困りの時は、密かに悩まず
\則子せんせーに、事前にご一報くださいね/
◆お母さんから、メッセージとともに、お写真をご提供いただきました◆
レッスンの最後に、みんなで仲良く「こたえあわせ」♬
「ぞうさん、いたでしょう、見た?」
「じゃあ弾いてみるね♪」
どこよりも手厚く、きめ細やかなピアノ指導で、シンガポールの駐在員日本人ご家族との信頼の絆を築いて32年。
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、300人以上の生徒さんたちを育て上げた経験を持つ、シンガポールで一番長い指導歴の日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。