小学生のランドセル、重過ぎ!問題についてピアノの先生的意見を語ってみました。

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こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。

 

 

 

 

今日は、ピアノの話題から少し離れた話題です。

 

 

 

 

出張レッスンの時、小学生をお持ちのお父さん、お母さんとの会話で、頻繁に登場する事柄について、ピアノ講師として、子どもたちの教育に携わる大人の1人としての立場から、日頃感じていることを踏まえて、お話をしてみたいと思います。

 

 

 

 

重すぎるランドセルが、小学生たちを悩ませているといいます。

 

 

 

 

あるアンケートによると、日本の90%の小学生が「ランドセルが重い」と感じており、このうち2.7人に1人が

 

 

 

 

重い荷物を背負うことがおっくうで登校を嫌がった

 

 

 

 

経験があるそうです。さらに3.1人に1人が

 

 

 

 

通学時に肩や腰・背中など身体の痛みを訴えた

 

 

 

 

ことがあったといいます。なかなか深刻ですね。。。

 

 

 

 

国も動き出した!重すぎるランドセル問題

 

 

 

 

当ピアノ教室では、現在、小学生の生徒さんの帰宅を待って、すぐにレッスンをスタートする【お帰り待ち】のスケジュールの曜日が週に3日あるのですが

 

 

 

 

低学年の生徒さんは、バスを降りたらすぐに、出迎えてくれるおうちの方にランドセルやリュックを預けることがほとんどです。

 

 

 

 

高学年の生徒さんは、自分で背負うものの、猫背で足を引きずるようにしながらゆっくりと歩いています。

 

 

 

 

その様子は、まるで山登りをしているかのよう。

 

 

 

 

シンガポールの日本人小学校はバス通学なので、ランドセルを背負う距離は限られていても、すでにこの状態です。

 

 

 

 

日本に本帰国したあとは、学校まで、重たい荷物を背負いながら自分の足で歩いて通わなくてはなりません。

 

 

 

 

私立であれば電車通学もあるでしょう。

 

 

 

 

お天気はいつも快適とは言えません。大雨の日やカンカン照りの日もあります。

 

 

 

 

 

こんなちいちゃな、やわな身体つきで、こんなに重たい荷物を毎日背負って、背骨に負担はないのかしら?

 

 

 

 

 

ちょっとでもバランスを崩したら、後ろ向きに転倒してしまいそうです。

 

 

 

 

一体どれくらい重いのかと気になって調べたところ、ランドセルの中身の重さは、平均5キロ以上だそうですよ!

 

 

 

 

学校生活は楽しくても、登下校はどんなに過酷だろうと想像するたびに泣きたいような、叫びたいような気持ちにかられます。忘れかけていた遠い記憶も蘇ります。

 

 

 

 

 

このまま放っておけない!

 

 

 

 

 

 

私は強い危機感を感じています。

 

 

 

 

 

 

私は、中学時代、住まいが学区からクラスで1番遠く、自宅から学校まで徒歩で40分ほどかかりました。

 

 

 

 

 

台風が近づいて授業が途中で打ち切りになった日などは、緊急連絡網の順番を飛ばして、担任の先生から直接「つかごし、無事に家に着いたか?」と、確認の電話連絡が入ったほどです。

 

 

 

 

 

私の地元、横浜は坂が多いことで有名ですが、通っていた中学校は坂を上がりきった場所にありましたので、途中、カバンを地べたに置いて休み休みでないと歩けませんでした。当時、手のひらには、たくさんの豆ができていました。

 

 

 

 

 

放課後の帰り道、友達と連れ立って帰宅する道すがら、ちょうど中間地点くらいにあった酒屋さんでジュースを買って飲み、一休みするのが、真夏の下校時の楽しみでした。冷たいジュースを一気飲みすると、まるで生き返ったような気がしたものです。

 

 

 

 

 

買い食いは校則違反なんですけどね。そんなことなどお構いなしです。

 

 

 

 

一呼吸入れて休まないと倒れてしまいそうだったからです。

 

 

 

 

隠したことはありませんが、咎められたことは一度もありませんでした。一応、優等生で通っていて生徒会長候補でもあったのですが(笑)

 

 

 

 

 

今と違って、学校に水筒を持参する習慣もなく、体育の授業でも水を飲むことは禁止されていました。学校で喉が渇いたら、休み時間に水道の前に並び、かわりばんこで蛇口から出る水を直接飲んでいた時代です。

 

 

 

 

 

さらに思い返せば、信じられないことに、小学生の頃には、肩凝りがひどく、針に通っていた時期がありました。子どもなのに埋め針の経験さえあります。自慢になりませんね(汗)

 

 

 

 

 

おそらく、高度なピアノの曲を演奏するときに必要となる脱力の練習に気合が入り、何時間もピアノに向かっていたことが原因なのですが、そのころはランドセルを背負うのがとても苦痛だったことを覚えています。お風呂上がりに母に揉んでもらうのが習慣でした。

 

 

 

 

 

重いランドセルをキャリーケースのように持ち運ぶことができると今話題となっている「さんぽセル」が、いま注目を集めています。

 

 

 

 

 

「さんぽセル」は2021年8月に栃木県日光市の小学生が夏休みを利用して開発した商品です。

 

 

 

 

 

ランドセルに取っ手と車輪をつけ、キャリーバッグのように引くことで、体感での重さが9割ほど軽くなるといいます。

 

 

 

 

 

4月に発売されると、3,000台もの注文が殺到。 4カ月待ちの人気となりました。 ところが、「さんぽセル」が話題になると、ネット上に、大人たちからの批判コメントが1,000件以上も寄せられ、論争にまで発展。

 

 

 

 

 

◆重いだろうけど、楽したら筋力低下していかん!

 

 

 

 

◆心も体も鍛えないと!

 

 

 

 

◆なんでランドセルを背負うかって、両手を空けて危険がないようにするためでしょう

 

 

 

 

 

根性論にまで発展するとは驚きです。まるで昭和の時代の「うさぎとび」や「お仕置きの正座」のようだと感じるのは私だけでしょうか。

 

 

 

 

ピアノの世界に目を向けてみると・・・

 

 

 

 

令和の現代、昭和の時代と同じように、適度に休ませることもなく、ただひたすら間髪入れず

 

 

 

「はい、もう一回」

 

 

 

「もう一回」

 

 

 

 

と【しごきを与えるかのような】時代錯誤のビアノ指導をしていたら、同業者には勉強不足だと即座に笑われ、保護者の方からは敬遠されてしまいます。

 

 

 

 

 

そのようなやり方は効果が薄いだけではなく、手や肩を痛めてしまい、ピアノ生命を脅かす危険さえあることは、現代の音楽教育界ではっきりと実証もされています。

 

 

 

 

 

実際のところ、私たちが子ども時代に主流だったスパルタ式指導は、思考停止状態になり、アドレナリンが放出されるので「やってる感」は存分に味わえて、スカッとしますが、それだけのこと。成果は出にくいです。

 

 

 

 

時間ばかりかかり、上達まで遠回りをすることになってしまうのです。そのため

 

 

 

 

挫折感も味わいやすいです。

 

 

 

 

そう聞くと、思い当たる方も多いのではないでしょうか。

 

 

 

 

辛さを伴うばかりのピアノレッスンは子どもの心に暗い影を残してしまうことになりかねません。虐待とまではいかなくても無理を強いて心身に負担をかけることになるわけですからね。。。

 

 

 

 

 

「ランドセルの中身は重たいもの」という考えも「ピアノを上達させるには、つらい経験をしなくてはいけない」という思考と似通っていると感じます。

 

 

 

 

前提自体を見直す時代に来ているのではないか

 

 

 

 

 

そのように思うのです。そもそも

 

 

 

 

 

学校に勉強をしに行くために、荷物は常に多くなくてはいけないものなのでしょうか?

 

 

 

 

 

学校に教科書を置いておく「置き勉」が許されていない学校が多い。

 

 

 

 

 

冒頭のアンケートでは、46%の小学生が、学校で置き勉が禁止されていると回答したそうです。

 

 

 

 

しかし通学時間、食事時間、睡眠時間もある中で、予習・復習のためにそこまで教材を持って帰ることが、果たして本当に必要なのか、私は疑問に思います。

 

 

 

 

 

当ピアノ教室の生徒さんたちと話をしても、教科書を使うのは「音読」の宿題のときだけだと、口を揃えて言います。国語や算数のドリルは別の小冊子がありますからね。

 

 

 

 

 

ピアノの先生として疑問に思うのは

 

 

 

 

 

置き勉は禁止されているのに対し、ピアニカやリコーダーは「基本的に学校に置いておく」決まりになっていることです。

 

 

 

 

 

私は、ピアノの先生の1人として、ピアニカやリコーダーこそ、家に持ち帰ってもらいたいと声を大にして主張したいと思います。理由は

 

 

 

 

 

せっかく指の動きを習っても、音を出して楽器を演奏することができなくて、子どもたちはさびしがっている

 

 

 

 

ことを、ヒシヒシと肌身で感じており、残念に思っているからです。

 

 

 

 

家に持ち帰ることができれば、学校で習った運指を、忘れないうちに家で復習して、身につけることができます。

 

 

 

 

楽器は音を出さなければ意味がありません。新しい知識を得て、やり方を教われば、すぐに実践したくなるのは子どもに限ったことではありません。

 

 

 

 

 

家に持ち帰ったほうがいいと思うのは音楽教育的な側面だけではなく、衛生面の問題もあります。

 

 

 

 

ピアニカもリコーダーも口を使って息を入れて演奏する楽器。清潔を保つためにこまめなお手入れや管理が必要だからです。

 

 

 

 

 

今後、規制が緩和されて、授業で自由に音が出せるようになった時、学校に置きっぱなしでは、知らないうちに雑菌が繁殖してしまう恐れがあり、私はそこがとても心配なのです。

 

 

 

 

 

忘れ物をしてしまうから

 

 

 

 

その理由も十分理解できます。

 

 

 

 

しかし、コロナ禍の現在では、鍵盤ハーモニカやリコーダーの音を出すことは授業で許されおらず、楽器を持ち、手の動きを覚える「シミュレーション学習」が主体です。

 

 

 

 

 

もしも家に忘れてきてしてしまったのならば、紙の鍵盤などで簡単に代用できるでしょう。

 

 

 

 

いまどきは、無料で手軽にダウンロードできる素材がネット上にたくさんあるので、先生方は一から資料を作る手間から解放されます。

 

 

 

 

 

紙鍵盤を使う経験をすれば「次は忘れないようにしよう!」と気をつけることにもなって、忘れ物の抑止力にもつながるのはないでしょうか。自己管理能力を育てる教育も兼ねて一石二鳥です。

 

 

 

 

教科書のデジタル化への期待。

 

 

 

 

 

現在、政府主導でICT教育が推進されるなか、コロナ禍における休校の影響もあって、タブレットの支給が急速に進みました。

 

 

 

 

 

本来ならば、教科書自体もデジタル化が進んで、ランドセルの中身は軽くなってもいいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

現在は、ケースや充電用のアダプターも入れて自宅に持ち帰ることを考えると、相当な重さになります。 また、コロナ禍の感染対策で各自、水筒の持参を求めるようになった学校も多いと言います。

 

 

 

 

 

置き勉が進まないうちにコロナ禍でタブレットや水筒などランドセルの中身が増え、問題はさらに深刻さを増している今、「ランドセルの中身」の議論に、これまで以上に大人が本腰を入れて踏み込む時がきていると私は強く思います。

 

 

 

 

 

新しい価値観、選択肢に目を向け、毎日の決められた出来事に疑問を持つ。

 

 

 

 

 

本当にこれが子どもたちにとっていいことなのか。

 

 

 

 

 

「ランドセル問題」は、様々な要因が複雑に絡み合っています。

 

 

 

 

これからも、たくさんの意見が交わされることでしょう。

 

 

 

 

「さんぽセル」の開発は、子どもたちからの問題提起であり、決まり事に対して一石を投じた、より良い未来への一つの改革です。

 

 

 

 

私はこの勇気ある行動を心から讃えます!

 

 

 

 

 

「ランドセル問題」を通して、大人たちはやみくもに子どもたちの発案を批判したり攻撃するのではなく、代替案を提示したり、大人たちが子どもたちの置かれている教育現場の現状を理解し、思いに共感し、自分たちのやり方を立ち止まるきっかけになればいい。

 

 

 

 

 

今日は一気に熱く語ってしまいましたが、どうかお許しを。

 

 

 

 

最後に。

 

 

 

 

子どもたちを取り巻く教育環境が、より一層快適なものへと進化するように、関係する大人たち一人一人が自覚と責任と愛情を持って、本気で思考し、行動する世の中となりますように、ピアノ指導者の一人として切に願っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

頑張ることを楽しむ心を育てる 

 

 

 

 

当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上心と音楽を学ぶレッスンです。
 
 

 

 

 

ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。

 

 

 

 
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
 
 

 

 
プロフィール
 
 

 

 
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。
 
 

 

 

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