こんにちは。
今回は3回に分けて、音楽を語る上で欠かせない「音感」ついてお話します。
当ピアノ教室でも、よくいただくご質問なので、まとめてみました。
このシリーズが、音感への間違った解釈や疑問を払拭し、正しい知識や理解を深める手助けになると嬉しいです。
ピアノレッスンでも、よく使う言葉。
「音感」とは文字通り音に関する感覚、感度のことです。
世間一般的には音の高低の感覚のみを指すイメージが強いですが
♣︎長さに関するリズム感
♣︎和音やハーモニー(2つ以上の調和した響き)強弱に関するバランス感
♣︎色彩感。(実際に目で見るものではなく、その音の持つ性格。柔らかいとか明るい、力強い、等を音楽では音色(ねいろ)と表現します)
など上記以外にも「音感」には様々な種類があり、楽器演奏の上達のためには、これらの感度を全てバランス良く総合的に高めていく必要があります。
第1回目の今日は、「歌う電車」として鉄道ファンの間で人気の
「ドレミファインバータ(vvvfインバータ*)」搭載の京急電鉄の新1000形「1033編成」車両が発車時にエネルギーを放出する時に出す音について「相対音感的回答」をしますよ。
さて、早速本題へ。
音の正体は、モーターを制御するインバーターが発する「磁励音」と呼ばれるノイズです。
このインバータはドイツのシーメンス社製なのですが、同社はこの音を単にノイズとするのではなく音階に近い周波数に調整しました!こういう大人の遊び心って、オシャレで素敵です♡
シンガポール在住日本人の方は、変圧器のスイッチを入れる時を思い出して下さい。「ブーーン」と音がしますよね?あの音も「磁励音」です。
では、実際の音を聞いて下さい。
最初音が階段状(音階)にだんだんと上がっていくように聞こえましたか?
一般的に音階といえば、ドレミファソラシドが定番です。正確な音で呼ぶよりも、KQ-LOVERへの親しみやすさが優先。ネーミングの由来は、ここからきています。
音が階段を上がりきったあとは
くるくると旋回して歪んで落ちるように聞こえましたか?
さあ、ここから先は夢もロマンも可愛げもない(笑)説明になるのですが、続行します!
【インバータ音には鍵盤楽器の音階に当てはまらない狭間の周波数の音も含まれているのですが、理解しやすいように、強引にドレミに当てはめた「相対音感」的回答をしています】
「相対音感」とは、音楽を聴いた時、ドレミで聴き分けることのできる能力です。いわゆる「耳コピ」は、この「相対音感」を使っていますよ。
下の表は、インバータ音で使われている音階付近の周波数です。
左側は鍵盤番号。ピアノの鍵盤は88鍵盤あり、下から順番に番号があります。
その隣が周波数レベル(Hz)音階名、です。
京急vvvfインバータ音
♦︎最初のスケール(音階)は
g mall(ゲーモール)のナチュラルマイナースケール
始まりの音は「ド」ではなく「ソ」です。
(鍵盤番号47)
♦︎鍵盤番号59(通称高いソ)以降の16分音符は
・ソ、ソ(シャープ)、ラ、シ(フラット)
リピート(2回繰り返し)
・ファ(シャープ)、ソ、ソ(シャープ)、ラのクロマティック(半音)のフレーズ
に近い、です。
後半は、モーターが加速するにつれて
音が歪むみたいに少しずつ下にスライドしていくのが解りましたか?
こういう音の変化は日常で身近に接しています。
救急車が目の前を通り過ぎて行くとき
ピーポー ピーポー ピーポ⤵️
と音が下がって聞こえますよね?
あの原理と同じです。
ドップラー効果といいます。
ドップラー効果
電車に乗っているとき、踏み切りのカンカンカンという警報音を聞くと、通り過ぎる前は高い音に聞こえ、通り過ぎた後は低い音に聞こえます。また道を歩いていて、救急車がサイレンを鳴らして近づいてくるとき、音がだんだん大きくなるとともに音が高い音に聞こえ、救急車が通り過ぎたとたんに音が低い音に聞こえます。このように観測者と音源が互いに近づいたり遠ざかったりするときに音の高さが変わることをドップラー効果*といいます。
より引用
次回は実際に、ピアノで弾いたインバータ音を聴いてもらい、目でも確かめてもらい、インバータ音を全て完璧に再現することは楽器の構造上ピアノでは不可能=ドレミには当てはまらない音が存在すること、を聴いて、見て納得してもらい、絶対音感の真実に迫ります!
お楽しみに。
*vvvfインバータ
陸海空の乗り物に精通した整備関係勤務の友人に教えてもらいました!
Valuable
Voltage
Valuable
Frequency
の略。インバータとは、モーターを制御して速度を上げたり落としたりするための制御装置で、vvvfは現在日本国内の鉄道車両を制御する主要システムの一つです。