こんにちは。
シンガポールの出張ピアノ教室
fairy wish creation 講師の
塚越 則子(つかごし のりこ)です。
今日は、ピアノに関しての豆知識です。
黒と白の鍵盤が規則正しく並ぶピアノ。この鍵盤の数はグランドピアノもアップライトも、電子ピアノも、全て同じ「88」と決まっています。
自動伴奏機能やリズムがついた、多機能型の電子ピアノでは、88鍵より少ない機種もありますが(76鍵)どのメーカーも、子どもの教育用の普及モデルは、アコースティックピアノと同じ鍵盤数で統一されています。
ではなぜ、ピアノの鍵盤の数は88と決まっているのでしょうか。実は、これにはきちんと理由があります。
時代とともに進化。
ピアノの歴史を遡ってみると、誕生は1700年代初頭だと言われています。当時の鍵盤数は4オクターブ弾くことができる54鍵盤でした。(49鍵盤という説もあります)
その後、ピアノは進化し、ベートーヴェンが生まれた18世紀後頃になると鍵盤数が増えて68になり、さらに、ショパンやモーツァルトやシューマンなどが活躍した19世紀に入ると、音域が拡大し7オクターブの88になり、今のピアノと同じになりました。
そう。ピアノは、その時代、その時代に活躍した演奏家たちの要望を満たしながら、次第に進化を遂げてきた楽器なのです。
ピアノという楽器の原型は、19世紀後半頃に、ほぼ完成したと言えるでしょう。それ以降、鍵盤の数は88から増えていません。では、その理由をさらに深掘りしていきましょう。
ピアノの鍵盤数のヒミツは、人間の耳の機能にあった!
人間の耳は約20ヘルツから約20,000ヘルツまで聞こえると言われていますが、専門家によると、実際は4,000ヘルツぐらいまでがきちんと聞き取ることができる音域だと言われています。
ちなみに16,000ヘルツ以上の、周波数の高い音域は、《モスキート音》と呼ばれていて、年齢を重ねると聞き取ることが難しくなることは、一般的によく知られていますよね。
試しに、高音がどれだけ聞こえるかで耳年齢をチェックするサイトに挑戦したところ、こんな結果が…….
どうやら、かなり点数づけが甘いサイトのようでしたね(笑)
話を戻しましょう。
ピアノで発音できる音程は27ヘルツから4,186ヘルツだと言われています。この数字は上記で書いた人間が難なく聞き取ることができる音とほぼ一致します。
これ以上音域を広げても、きちんと耳に届かないばかりか、不快音としてとらえられてしまうため、今の音域がピアノという楽器としてベストだと考えられたのです。
と、こんなことを書いておいて矛盾をしているようですが、実は、ベーゼンドルファー社のインペリアルシリーズには、97鍵盤というピアノも存在します。これは低音を6度低くし、音域を増幅させた特別なモデルですが
フランスのStephen Paulelloという人が作った102鍵の鍵盤というのが、現在1番鍵盤の数が多いピアノです。
うーん。
音域を広げればいいというものではないと思いますが、でも、ちょっと気になりますね。
ちなみに調べてみたところ、102鍵の鍵盤というのはオーストラリアのメーカーも作っているようですよ。
ピアノの鍵盤の数え方にも、生徒さん一人一人の性格の違いが。
❤︎椅子から立ち上がり、順番に一つずつ端から端までまで律儀に数える子
❤︎途中まで夢中で数えたかと思うと「あとでやっとくね」と、サッと別のことに興味が移る子
❤︎鍵盤全体を見てしばらく考えてから、並び方の法則を自分で見つけ、掛け算と足算を組み合わせて答えを導き出す子
ピアノの鍵盤の数え方ひとつとっても、ざっと思い浮かぶだけでもこんなに一人一人に違いがあり、物事への取り組み方にそれぞれ特徴があることがわかります。
一人一人の違いを確かめながら
「やっぱりね!」
と納得したり
「そうなんだ!」
と新しい発見をするのも、ピアノ指導の、密な楽しみの一つです♬
頑張ることを楽しむ心を育てる
当ピアノ教室のレッスンは、新時代にふさわしい、ワンランク上の心と音楽を学ぶレッスンです。
ピアノを学ぶことを通して、これからの時代を生きるために必要な「人間力」を育てます。
当ピアノ教室は、シンガポールで最も長い指導歴を持つ日本人のピアノの先生が主宰している出張専門のピアノ教室です。
1992年来星。シンガポールPR(永住権)保有者。